- ベストアンサー
「我輩は主婦である」7/7放送分ストーリー
タイトルの通りです。 HP見ましたが、詳しい内容が知りたいです。 ぜひ教えていただけると、うれしいのですが・・・ よろしくお願い致します。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
純喫茶「ジャンバルジャン」 たかしが店に入ってくる。 テーブルに揃って座っているみどりと美乃梨の姿を見つけ驚く。 漱石 『吾輩は主婦である。名前はみどり。そして隣にいるもう一人の吾輩、分身の術を使ったわけではない、吾輩は忍者ではない、主婦である。そして、この女は美乃梨。絵本作家である。』 たかし 「な、な、な、なに?…なんで?!」 美乃梨 「私が、みどりさんにお願いして電話してもらったんです」 たかし 「…ていうか、かあさんに聞いたの?」 みどり 「ご注文は?」ウエイトレスの仕事はキッチリこなすみどり。 たかし 「ん?!…アイスコーヒーで…」 たかし 「何これ!?」 美乃梨 「座ってください」 たかし 「ハイ…」美乃梨の向いに座るたかし。落ち着かない。 美乃梨 「奥様は、あなたと別れて私にあなたを譲ると仰っています」 カウンターにいるみどりを覗き込むたかし。平静を装うみどり。 美乃梨 「私の方は、何も邪魔するものはありません。子供は大好きだし、お母様ともうまくやっていけると思います」 頷く、たかし。 美乃梨 「あとは…やなさんのお気持ち次第です」 みどりがやってくる。 みどり 「…アイスコーヒーです」 たかしの前のテーブルにアイスコーヒーとシロップを置く。 「…?!」たかし、じっとシロップを見ている。 美乃梨 「なやさん…」 たかし 「…ハイ」 美乃梨 「私は…夫を寝取られて離婚した経験があります。だから同じ事はしたくないんです。もう、これ以上みどりさんに辛い思いをさせたくないんです。わかりますか…?」 美乃梨 「…でも、今のような関係を続けていたら、いずれそうなってしまう…だから、そうなる前に…ハッキリさせて欲しいんです…私とみどりさん、どちらを選びますか?…」 たかし 「…………10秒…考えてもいいですか?」 美乃梨 「…どうぞ…」 目を瞑り、考えるたかし。見守る一同。 たかしが目を開けた。そして、目の前に座っている美乃梨に優しく声をかけた。 たかし 「…君だよ……みどりちゃん」微笑むたかし。 「!」美乃梨の表情がみるみる「みどり」に戻っていく。振り返るウエイトレス姿の「美乃梨」。 たかし 「やっぱり僕は、君じゃなきゃダメなんだ…たとえ、吾輩のままでも、みどりちゃんが居ない生活なんか想像できないよ…」 立ち上がり、「みどり」の隣の椅子に掛け語りかけるたかし。 みどり 「…!…ど、…」 たかし 「心配かけて悪かったね…」 その様子を見ていた「美乃梨」は黙って喫茶店をあとにした。 ゆきお 「…!…みどりちゃん!みどりちゃん!」何も知らないマスターが後を追おうとする。 たかし 「みどりちゃんだろう?」 みどり 「……どぅわぁ~んっっ!!…」叫び声を上げ、カツラを外すみどり。とても、悔しい。 たかし 「ハハハ」楽しそうに笑うたかし。 ゆきお 「!…oh!ジーザス!」相変わらず、リアクションの大きいゆきお。 みどり 「いつ判ったのだ!」 た 「最初から変だと思ってたけど、確信したのはね…これ」と、テーブルにあるシロップを手に取り、みどりに見せた。 たかし 「最近ボク、アイスコーヒーにガムシロップ入れないじゃん」得意気である。 みどり 「!…ちっくしょう!一生懸命芝居したのに!」 たかし 「前は入れてたんだけどね。つまり、それを知っているのは吾輩だけなんだよ…美乃梨さんでもない、みどりちゃんだって知らない。…これは、ボクと吾輩だけが知っている事なんだよ」 みどり 「…赤パジャマ…」 たかし 「これでハッキリした…ボクは吾輩もひっくるめて君が好きなんだ。理屈じゃない、たとえ元のみどりちゃんに戻らなくとも、ボクは君が好きだ…」 この言葉にアテられたゆきおが口笛をひとつ吹いた。 みどり 「…赤パジャマ…」 たかし 「今日くらい、たかしくんて呼んでよ」 みどり 「…赤パジャマ!」泣きそうになり、たかしに頭を下げるみどり。 たかし 「よし、よし…」みどりの背中を撫でてあげるたかし。 突然、みどりが体を起こした。 「!」おののくたかし。 みどり 「なぜ10秒考えた?」 たかし 「…へ?!」あっけにとられるたかし。 みどり 「…10秒間、目をつむって何を考えていた?」 たかし 「?…えっ…えーーっと……あれっ?美乃梨さんは?」逃げ出すたかし。 みどり 「ごまかすな!」後を追うみどり。 漱石 『こうして嵐は去った…しかし、それはこの後に起こる大波乱の序曲にすぎなかったのである』 OP 第三十五話 「いつう」 夜。救急隊員を先導してくるたかし。 たかし 「こっちです!」 やすこ 「何っ?…誰っ?おばちゃん?」クリーニング屋のやすこが飛び出してきた。 たかし 「違う。みどりちゃんが急にお腹が痛いって…」 2階からみどりが救急隊員に抱えられ降りてきた。ちよこや子供たちも心配そうにしている。 みどり 「大丈夫だといっておるのに!…」顔をしかめながらも強がりを言っている。 ちよこ 「早く連れて行ってください!」 みどり 「どこへ!」 ちよこ 「病院に決まってるでしょう!」 みどり 「どこも悪くない!吾輩は朝までに原稿を書かねばならないのだ!離せっ!」救急隊員を突き飛ばすみどり。 ちよこ 「仕事と体どっちが大事なの!?ほらっ!」 みどり 「うーーーむ…無念だぁ…」 担架に乗せられ、運ばれていくみどり。外には商店街の人たちが集まっていた。 たかし 「…保険証持った。靴持った。いってきます!」追いかけるたかし。 朝。スッキリとした顔で帰ってきたみどり。 みどり 「今帰ったぞー!」後からたかしが大あくびをしながらついてくる。 じゅん 「おかあさん!」 ちよこ 「みどりさん!…大丈夫なの?」飛び出してくるやな家の家族。 みどり 「大丈夫だと言っただろうが、もう…さあ、書くぞーーっ!」とっとと、家の中に入るみどり。 茶の間。たかしが腰を下ろす。 たかし 「急性胃炎じゃないかって…薬飲んで点滴打ったら、元気になった」 ちよこ 「ちゃんと調べたほうがいいんじゃない?」 たかし 「んー…でも、あさってになんないと内視鏡検査できないんだって」 小松 「おはようございます」編集の小松がやって来た。 たかし 「ああ、小松さん」 小松 「あ、あの先生は?」 二階の部屋。戸をノックし中に入る小松。 小松 「!…先生っ!」 みどり 「おーっ小松、わざわざすまんな。やっぱり大丈夫だ、あと1時間ほどで書きあがる…なんだお前…手ぶらか?」 小松 「ええっ…電話をもらってすぐタクシーに乗ったんで…」 みどり 「何か、食べ物を持ってきてくれ、片手で食べられる…握り飯がいいな」 小松 「あんまり無理しないで下さいよ」 みどり 「無理などしておらん。エッセイの方はあと2日延ばしてもらったからな」 たかし 「2日って…あさって検査だよ」たかしが部屋に入ってくる。 みどり 「行かない。もう大丈夫だ」 小松 「ダメですよ!ちゃんと診てもらってください!」 みどり 「うるさいなぁ、邪魔するんだったら、もう帰ってくれ!」 小松、カバンから本を取り出しみどりの手元に突きつけた。 みどり 「なんだ?」 小松 「気になって調べたんです。ここ見て下さい。ホラ」と本のページを指差す。 《「明暗」連載を『朝日新聞』にはじめるが、執筆中に胃潰瘍で倒れ死去。享年49歳。》の部分に赤線が引いてある。 小松 「書いてあるでしょう!」 みどり 「49歳じゃないか、あと12年もある。…もう、気が散るな!原稿が欲しかったら、黙って握り飯をもってこい!」 小松 「…はいっ…」しぶしぶ階下へ向かう小松。 原稿の続きを打ち込むみどり。 病院。担当医から病状の説明を受けているみどり。 医師 「胃潰瘍ですね…これが炎症ですね。…いやぁ、結構痛んでるなぁ…」 みどり 「…すまん…病名をもう一度…」 医師 「胃潰瘍です。まぁ、ストレスが原因のひとつなんでしょうねぇ」 【胃潰瘍】の三文字がみどりの脳天を直撃した。 医師 「せめて、規則的な生活を心がけて、もちろん食生活も…」あとの言葉は聞こえない。 漱石 『恐れていた事が現実になってしまった…49歳で来るべきものが37歳できてしまうとは…』 病院のくすり渡し窓口。 看護士 「やなみどりさーん…お大事にどうぞ」薬の袋を渡された。 漱石 『こんなものは気休めだ…明治と比べて、いかに医学が進歩しようと、こんな薬で命が救えるはずがない!…』 愕然としながら、家路を行くみどり。足どりが重い。 携帯のベルが鳴った。 みどり 「吾輩だ」 たかし 「あっ!…検査の結果はどうだった?」局長と目を合わせぬように電話しているたかし。 たかし 「どうだったの?…もしもし、みどりちゃん?」受話器からたかしの声が聞こえる。 みどり 「………いやっ…うん…おかげさまでなんともない。異常なしだ」 たかし 「よかったー。でも、油断しちゃダメだよバランス良く三食食べて、休養もたくさんとらなきゃ」 みどり 「…うん…わかっておる…じゃあ切るぞ」 漱石 『何故だろう…咄嗟にウソをついてしまった…今まで、やな家の人間にはさんざん迷惑をかけてきた…せめて、最後は…』 空を見上げるみどり。 夕刻。家の近くまで来たみどり。 漱石 『…猫は死が近づくと、飼い主の前から姿を消すという…吾輩も、せめて最後は静かに…吾輩も猫のように…』 ちよこ 「あらっ、おかえんなさいっ」ちよこが店から顔を出した。 みどり 「た、ただいまっ…」 ちよこが店にあった『胃潰瘍に良い食事』という本を手にしていた。 みどり 「何だ、それは?…吾輩は、胃潰瘍ではなかったと言ったはずだが…」少し焦っている。 ちよこ 「備えあれば憂い無しって言うでしょう?また倒れて、夜中に起こされちゃたまりませんから…」優しく微笑んで奥に入る千代子。 漱石 『…言えない…とても言えない』いたたまれないみどり。 純喫茶「ジャンバルジャン」 ゆきお 「よかったねぇ、顔色もずいぶんいいし…俺さぁ、みどりちゃんが…」ゆきおのおしゃべりなど聞いちゃいない。 漱石 『まして、こんな顔のうるさい男に打ち明けようものなら、たちまち町内の者に知れ渡ってしまう。口で言わなくても、顔でバレてしまう…』 ゆきお 「…ところで、みどりちゃんの後任なんだけど…決まりそうなんだ」 みどり 「ああ、ウエイトレスか?」 ゆきお 「まぁ…年齢制限にはちょっと引っ掛かってんだけど…まぁ、他全部クリアしてるから…いいよね」 みな子 「ハーイ」ゆきおの別れた女房がメイド服を着てウエイトレスをしている。 みどり 「…いいも悪いも、お前の女房じゃないか」 みな子 「あっ!念のために言っておくけど…復縁したわけじゃないからね。子供を保育園に預けちゃったら、わりかし暇だし、手伝ってるだけ」 ゆきお 「はははっ、ああ言ってっけどさぁ、好きじゃなきゃ手伝わないよな」 みな子 「何か言った?」 ゆきお 「えっ?…っという訳なんでね、みどりちゃんのお別れパーティをささやかながらやりたいんだ」 みどり 「…お別れ…」 その言葉に、おもわず医師から言われた「胃潰瘍」の言葉が響いてくる。 みどり 「何だか、申し訳ないな、吾輩の都合で辞めたのに…」 ゆきお 「ドンウォーリー!気にすんな」 みな子 「ホットサンドできたよ」カウンターで呼んでいる。 ゆきお 「ハイハーイ!ベイベー」調子よく戻って行った。 漱石 『…うむ…今更ジタバタしてもしょうがない…考えてみれば、昔は30代で死ぬ人間がごろごろいた…病気でなくても戦争で…吾輩の兄も二人…』 マンションの執筆部屋。 朝野 「ただいま帰りました」とコンビニの袋からプリンを渡す朝野。 朝野 「あ、先生、いかがでした?検査の結果…」 みどり 「あぁ、まぁ良好だ」 朝野 「よかった。でも気をつけてくださいね、先生一人の体じゃないんですから…」 みどり 「……吾輩一人の体じゃない…」 朝野 「どうしました?」 みどり 「…いやっ…」 漱石 『…そうだ、吾輩の体は元々みどりのもの…みどりの肉体に吾輩の精神が宿り、みどりの肉体を蝕んだのだ。吾輩の心が、みどりの胃を痛めつけたのだ…予定より早く胃潰瘍になったのも、そのせいか…』 病院診察室。 みどり 「気休めを言うな!胃潰瘍が、たかだか1週間で治るわけがない!」 医師 「本当ですって。血液検査の結果を見る限り、潰瘍による貧血もだいぶ改善されました。この間出したお薬は、ピロリ菌を殺す抗生物質でして…」 みどり 「うるさいっ!ピロリだかピエロだか知らんが、吾輩は死ぬわけにはいかんのだ!もっと強い薬を出せっ!」 医師 「い、いやっ、逆に胃が荒れちゃいますから…」 みどり 「くっそーっ!医学にも見放されたか!…」病院を出てくるみどり。朝野が追ってくる。 朝野 「先生っ、薬もらわなくていいんですか?…先生?」朝野の声も聞こえていない。 漱石 『精神の死は、肉体の死をも意味する。吾輩が死ぬのは構わんが、みどりが…みどりに戻ることなく、吾輩のまま死んだら、家族はたまらんだろうなぁ…最後ぐらい、みどりに戻ってやりたい…みどりに…』 みどり 「みどりに戻りたい…」つぶやくみどり…。 マンションの執筆部屋 小松 「おはようございます」ドアを開け小松が入ってくる。 奥で他社の編集者と打ち合わせをしているみどりを見つける。 小松 「先生…」 みどり 「おおっ、小松。今打ち合わせ中なんでな、ちょっと待っててくれ」 朝野 「急に新連載始めるって言い出して…」 小松 「そんな…身体壊しちゃいますよ、先生!月に三本も抱えたら…」 みどり 「三本じゃない、四本だ!」 小松 「ええっ?!」 驚く小松の後ろから、また別の編集者がやって来た。 「おはようございます。週刊ゲンザイの高橋ですけど…連載小説の件で打ち合わせに参りました」 みどり 「ここに座っててくれ、すぐに終わるから…」 小松 「週刊って…」 みどり 「単行本の2冊目も出すぞっ、書下ろしにはあと何頁あればいい?」 打ち合わせに戻るみどり。 あきれている朝野。 朝野 「もう完全にワーカーホリック状態ですね」 夜。2階部屋。 必死に原稿を打ち込んでいるみどり。 漱石 『金だ!…とにかく金を稼がなくては!そもそも経済的に追い込まれた結果、みどりの肉体に吾輩が乗り移ったのだ。金の心配がなくなれば、みどりに戻れるはず…書いて稼がなくては…書いて…』 お腹を抱え、苦しみ出すみどり。 たかし 「ん!?…どうした?」たかしが気付いた。 救急隊員に担架で運ばれていくみどり。 みどり 「降ろせ!書かせてくれーーっ!」叫ぶみどり。 純喫茶「ジャンバルジャン」 たかしとゆきおが話している。 ゆきお 「また胃潰瘍?」 たかし 「いや、今回はただの過労と脱水症状。まぁ、大事をとって入院させましたけど…っていうか、何で言わなかったんだろう胃潰瘍の事…治ったからいいけど」 ゆきお 「あっ、治ったの?!」 ゆきお 「最近はね、薬であっという間に治るんですよ」 小松 「でも、あれ以来ですよね。先生変ったのって…」そばで聞いていた小松が口を挟んできた。 病院。病棟の待合室のテーブルで原稿を打ち込んでいるみどり。 みどり 「…うあぁっ!…限界だっ!…」頭を抱えてしまう。 漱石 『文章で稼ぐにも限界がある…もっと、手っ取り早く一攫千金を狙うには……うん?!』 そばで患者の男が競馬新聞を読んでいる。 純喫茶「ジャンバルジャン」 ゆきお 「じゃあ、お別れパーティというか、快気祝いだな」 小松 「そうですね」 みな子 「そうね、。何作る?」 ゆきお 「浅漬けだろ」 みな子 「却下!」 パーティの話で盛り上がるゆきおたち。たかしの携帯が鳴った。 たかし 「はい…はい…えっ?…はい、わかりました」慌てている。 電話を切り たかし 「ど、どうしよう?みどりちゃん、病院から逃げ出したって…」 競馬場 馬券売り場の前まで来るみどり。 漱石 『ここに10万円余りの現金がある…命を削って手に入れた原稿料である。明治なら、土地付き一戸建てを購入しても、つりがくる金額である…それを吾輩は…』 みどり 「9-2一点買い!」隣の男と同じ馬券を購入するみどり。 現金10万3千円が数えられていく。最後の千円札一枚が旧札だった。夏目漱石の肖像画が見えた。 みどり 「…やっぱりやめだ!返してくれっ!」窓口の女性の手から現金をつかみ取り、その場を去る。 場外のTVで競馬を見ているみどり。「9-2」が当りだった。 みどり 「ツキにも見放された…」落ち込むみどり。 漱石 『もはや、これまでか…』 街頭に立つサンドイッチマンの看板が目に入った。 《人妻ヘルス 奥様はマゾ》声をかけるみどり。 みどり 「…ええいっ!どうせ死ぬ身だ!連れてけっ!」無理矢理案内させるみどり。 ホテル みどりが部屋の前で立ち止まる。意を決し、ドアをノックする。 ドアが開き、中から気弱そうな中年の男が現れた。何も言わない… みどり 「…チェンジだな…」帰ろうとするみどりを止める男。 「どうぞ、どうぞ」中に引き入れられるみどり。 漱石 『は、話が違うぞっ!最初は、たいがいチェンジだと店長が…』 「えーーっと、70分コースはいくらだったっけ?」ズボンを脱ぎだす男。 漱石 『いかんっ!赤パジャマにも許してないのに…なんでこんな若ハゲと…』 思わず突き飛ばすみどり。あっけに取られている男。 「何するんだよ!?」 みどり 「吾輩がチェンジだっ!」捨て台詞を残し、部屋を出るみどり。 泣きながら走ってくるみどり。 漱石 『無力だ!…文学者とは、なんと無力な存在なんだ…』 泣き続けるみどりに、子供たちの声が聞こえてくる。「おかあさんっ!」 クリーニング屋の二人…「みどりさん」 ゆきお、朝野、小松の姿が浮かんでは消えてゆく… 「みどりさん」ちよこ。「みどりちゃん」たかしの声が聞こえる。 その場にしゃがみ込むみどり。 クリーニング屋のやすこが店から出てくる。 「…!」 店の前でうつ伏せで直立のまま固まって倒れているみどりを見つけた。 やすこ 「吾輩っ!」抱きかかえ、声をかけるやすこ。 みどり 「…なまはげ…」気が付いた。 やすこ 「吾輩帰ってきたよ!」大声でやな家の人たちを呼ぶやすこ。 たかし達が飛び出してきた。 「おかあさんっ!」「みどりちゃん!」 ちよこ 「どこ行ってたの?心配したわよ」 抱きつくじゅん。 漱石 『…戻らねば……みどりに…戻らねば…』放心状態のみどり。 寝室。静かに寝ているたかしとみどり。 みどりが目を開け、起き上がった。 たかしの方を向き語りかける。 みどり 「…たかしさん…」 漱石 『ダメだ!…全然しっくりこない!』 台所 冷蔵庫の前に来たみどりが、磁石で止めてある、あの「千円札」を手に取りつぶやく 漱石 『教えてくれ…吾輩は…どうすれば良いのだ?…』 すかしに浮かぶ「みどり」に語りかける。 みどり 「どうすれば…」 純喫茶「ジャンバルジャン」。貸し切りの札がかけてある。 中ではパーティの準備で慌しい。《みどりちゃん(吾輩)長い間ありがとう》の幕をかけていた。 ゆきお 「おいおい、フライドチキン作りすぎだよ、主賓は胃潰瘍なんだぞ」 みな子 「大丈夫、ちらし寿司もあるから」 たかしとじゅんが入ってきた。 たかし 「おーーっ?!全然ささやかじゃないじゃないですか」驚くたかし。 すみれ 「みどりさん、まだですか?」すみれ先生もやって来た。 やな家。 階段の下から、ちよこがみどりに声をかける。 ちよこ 「そろそろ出かけますよ、みどりさん。パーティ5時からよ」 みどり 「先行っててくれっ…もうちょっとで書きあがるから…」2階から声が聞こえる。 まゆみ 「もう、こんな時に仕事なんかしなくても…」 ちよこ 「ふふっ、言うこと聞きましょう、何しろ今日は主賓だから」 まゆみを促し、出かけるちよこ。 純喫茶「ジャンバルジャン」。窓からじゅんとゆきおが覗いている。 ゆきお 「まだかなぁ…」 じゅん 「うーん…」 ゆきお 「みどりちゃん、遅いなぁ」 既にみどり以外は席についている。 たかし 「乾杯だけしちゃいましょうか?」 ちよこ 「そうね」 ゆきお 「そうだね」グラスに飲み物を注ぎ始める ゆきお 「じゃあボクが…」乾杯の音頭をとろうとする やすこ 「ええーーっ?!」不満の声 ひろし 「やっちゃん…」慌てて止めるひろし。 ゆきお 「えーーっ、今日の主賓のみどりちゃんはまだなんですが、ここで新しいウエイトレスを御紹介したいと思います…ボクのワイフだっ!」 みな子 「もと…ねっ…どうぞよろしくっ」みんなから拍手があがる ゆきお 「応援してくださいっ!…それじゃあ、乾杯っ!」 「乾杯っ!」 始まる宴会。ひとつだけ開いているみどりの席。 やな家2階。みどりの部屋 みどりが硯で墨を磨っている。 純喫茶「ジャンバルジャン」。パーティが始まっている。 みんなが食事をしている中、たかしがちよこに声をかけた。 たかし 「…ちょっと心配だから、見てくるね」店を出るたかし。 茶の間 たかし 「みどりちゃん…」 奥の部屋 たかし 「あれっ?…みどりちゃん」家中探すが姿が見えない。 2階部屋へやってくる。 机の上の手紙を見つけた。 《遺書》と書いてある。 たかし 「…!…みどりちゃん!」 純喫茶「ジャンバルジャン」。 すみれ先生のピアノで、ゆきおとみな子が歌っている。 たかしが駆け込んでくる。 ちよこ 「あら?何、青い顔して…」 たかし 「みどりちゃんが…みどりちゃんが…」 パーティを中断し、家まで駆けつける一同。 皆で二階の部屋まで駆け上がっていく。 最後尾のじゅんが、ふと何かに気付いた。 台所を覗き込む、じゅん。 あわてて2階へ行く。 台所の床に千円札が落ちている。 すかしの部分が突然光を放つ。 光が消えた時、みどりの絵が漱石に戻った。 つづく プレゼントのお知らせ あて先107-8066 TBSテレビ 愛の劇場 「吾輩は主婦である」DVDプレゼント係 ハガキに住所・氏名・年齢・電話番号を明記 締切り 7/14消印有効 当選は発送をもってかえさせて頂きます 20名様 誤字脱字、細部の表現の違いは御容赦ください。
その他の回答 (1)
- gokiburi_bun
- ベストアンサー率13% (10/76)
医師に胃潰瘍と告知される我輩、たかしに電話で病気の事を聞かれるととっさに「大丈夫」とウソをついてしまう。矢名家のみんなにこれ以上迷惑を掛けたくなかった。 我輩は肉体をみどりに返すべきだと考える。それにはみどりが経済的に悩んでいたことから、とにかく稼ぐことだと思いつく。始めに書いて稼ごうとするが、働きすぎがたたり過労で入院。その際にたかしに胃潰瘍のことがバレてしまう。 入院してからも必死に稼ごうとする我輩だがどれもうまくいかず、矢名家の前で行き倒れになっているところを発見される。 ゆきおの経営する喫茶店でお別れパーティをすることになるが、我輩は姿を現さない。気になったたかしが見に行くと、「遺書」が発見されて・・ TBS「愛の劇場 吾輩は主婦である」
お礼
早速の御回答ありがとうございます。 「遺書」ですかぁ。どうなるんでしょう! 来週は見逃さないようにします! ありがとうございました。
お礼
御回答ありがとうございました!! 内容をとてもとても細かく教えていただいて感激です! ドラマが目に浮かびます! プレゼントもぜひ応募してみます。 本当にありがとうございました。