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潮汐力と公転の遠心力について
No.2039のご質問と回答ですが、まったく納得がいかないので、改めてお教え下さい。 No.2039のリンク先の説明で納得しかかったのですが、何か引っかかるものがありました。 太陽の周りを回る惑星を外から見たとき、惑星がそのまままっすぐに進もうとするのに対して太陽の引力が向心力として働き、内向きの加速度となって円運動をする訳です。遠心力はどこにも出てきません。 それに対し、惑星上から見たときには、惑星は万有引力によって太陽と引き合おうとする力と円運動によって生じる遠心力とが釣り合って太陽との距離を保つということになります。すなわち、遠心力は回転座標系で初めて見えてくるわけです。地球と月との場合も同様です。遠心力を考えるには、地球と月を結ぶ座標で考えなければいけないと思うのです。 地球と月の場合には、原点として地球と月の共通重心をとり、地球の中心に延びる線を基準座標に取りますと、この座標は外から見て同じくひと月に1づつくるくると回っていることになります。このような回転座標系を取らないと引力と遠心力を釣り合わせることはできないはずです。そうすると、原点から外向きに遠心力が働くことになり、地点によらず遠心力は一定である、という答えにはなりません。 回転系を考えているのに、No.2039のリンク先のような並進する座標が回転運動する座標系を考える意味がわかりません。 つまり、 ・遠心力の定義を考えると、座標として地球と月を結ぶ線を考えるべきである。この座標から見ると、月の反対側で遠心力が大きくなる。(少なくともこのような座標を取ってはいけない理由がわかりません。) ・リンク先で説明されている力が働いていることはわかるが、その力は遠心力ではなく別の呼び方をすべきである。 と思うのです。 特にNo.2039で議論されておられた方、上の間違いをご指摘下さい。
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No4です。月の平均公転周期と同じ角速度で回転する座標系から見ると、月は近づいたり遠ざかったり先行したり遅れたりします。ここでは、万有引力と遠心力とコリオリ力が働いていますので、この月の奇妙な運動は、それらの力が働いた結果によるものです。ただし、何度も言うようですが、遠心力とコリオリ力は回転座標系から見たときの見かけの力であり、月の奇妙な運動を起こす原因としてそのような力が存在すると観測されるに過ぎません。ですから、潮汐力にコリオリ力は含まれるかどうか、という問いに対しては、コリオリ力が観測される座標系から見た場合は、潮汐力の原因としてコリオリ力も考えなければならない、というだけのことであり、慣性力のまったく存在しない慣性系から見た場合は、コリオリ力はおろか、遠心力さえも存在しないことをよく理解しなければなりません。 潮汐力の説明には、当たり前のように遠心力が引き合いに出されますが、もっともシンプルな説明ができるのは慣性系から見た場合であり、安易に遠心力を持ち出すべきではありません。鉛直方向へ自由落下している場合は、単純に万有引力と慣性力との和で潮汐力を説明できますが、平面内を回転運動している場合は、そう単純な説明ではないですね。それこそが質問者様の気になった点ではないかと思います。 少し余談になりますが、慣性力が見かけの力である、と言って切って捨てたのはニュートンですが、アインシュタインの一般相対性理論では、慣性力も実在の力として扱います。一般相対性理論で出てくる運動方程式では、座標変換という数学的な操作によって、慣性力という力が生じてきます。これは重力と同じものとして扱われます。座標変換によって重力が生じたり消えたりする訳です。一般座標変換でも不変な形式で運動を考える場合は一般相対性理論の考え方を採用すべきですが、普通は、座標系によって余分な力が付け加わるよりも、慣性系で運動を考えるのがもっともシンプルで理解しやすいと思います。
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- shiara
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No9です。少しくどいようですが、参考のため、慣性系から見たときの潮汐力の求め方を書いておきます。潮汐力を求めるために、地球上にある質点(質量m)に作用する力を考えます。慣性系は、原点をどこに置いてもかまわないので、宇宙空間の適当な場所を原点として、この質点の位置ベクトルをr1、地球(質量Me)の中心の位置ベクトルをr2、月(質量Mm)の中心の位置ベクトルをr3とし、さらに、r=r1-r2、d=r1-r3、R=r2-r3とおいて、質点の運動方程式、地球の運動方程式を書くと以下のようになります。 m(r1の2階時間微分)=-G・m・Me・er/r^2-G・m・Mm・ed/d^2 Me(r2の2階時間微分)=-G・Me・Mm・eR/R^2 ここで、Gは万有引力定数、er、ed、eRは、ベクトルr、d、Rの方向を持つ単位ベクトルです。最初の式は、質点が地球と月から引力を受けていることを表し、2つ目の式は、地球が月から引力を受けていることを表します。当然、この式には遠心力などは入ってきません。第1の式をmで割り、第2の式をMeで割って差を取りますと、以下の式が得られます。 (rの2階時間微分)=-G・Me・er/r^2-G・Mm(ed/d^2-eR/R^2) この式は、r、すなわち、質点と地球中心との相対位置に対する運動方程式となっています。右辺の第1項は、地球が(単位質量の)質点に及ぼす力であり、第2項が潮汐力になります。潮汐力の項をよく見ると分かるように、最初の項は質点と月の相対位置によって変わりますが、第2の項は地球と月の相対位置で決まり、質点の位置には依存しません。 この式は、地球が月の重力場の中を鉛直方向に自由落下していると想定して、地球と共に加速度運動している座標系から見たときの潮汐力と同じになります。つまり、潮汐力の項の2番目の項は、この加速度系から見たときの慣性力となります。そして、この慣性力は、考えている加速度系のどこにあっても同じ値となります。 さて、ここからは私の推測です。昔、誰かが潮汐力の説明をするのに、鉛直方向に自由落下している加速度系を考えて、月の引力と慣性力との和として潮汐力を説明していたのではないでしょうか。そのうち、地球は月のまわりを回っているのだから、働いている慣性力は遠心力と言うべきではないか、という人が現れて、それが定着していった、ということは考えられないでしょうか。
お礼
何度もありがとうございました。 ちょっと考え込んでしまいました。まだきちんと理解できておりませんが、このあたりで終えたいと思います。
- takug
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(1) 地球の自転を組みこんだ場合と除外した場合とでは合力は地球の自転の遠心力の分だけ異なります。 従って、地球の自転を除外して考察した場合に、一ヶ月に1回の地球の自転の遠心力(自転の回転軸から外に向かっていて緯度により決まる) を加算してやれば両者は同じになります。 (2) 楕円軌道の話を引き合いに出したのは、地球が同じ面をいつも月に向けている一ヶ月に1回の自転というケースばかりでなく、一ヶ月に2回の自転とか、いったり来たりフラフラしているとか、どんなケースで考えても物理学的には潮汐を説明できなければいけないと思ったからです。 どんなケースで考えてもよいのならば、自転の回数を0回として考えるのが、もっとも簡潔なのではないでしょうか。 (3) 潮汐の原因は地球の場所によって引力・遠心力などによりかかる力が不均等だからです。 コリオリの力は回転系上の「運動」にかかるみかけの力ですから、基本的に潮汐の原因とは無関係です。 ただし、潮汐力やその他の原因のために海水が移動するときにはコリオリの力が作用しますので、海流の流れ方にはコリオリの力が影響します。
お礼
何度もご説明ありがとうございました。 No9さんへの補足に書きましたように、共通重心を原点とした外部から見た座標系の図で、遠心力?を抜いて考えるとわかりやすかったです。takugさんのご説明には納得のいかないところがありますが、私自身誤解していたところやあやふやだったところがtakugさんのアドバイスを含めてすっきりしてきたように思います。
補足
自転については、月がそうであるように、一公転で一自転というのが力学的にも安定であり、むしろ0自転というのは特殊なケースだと思います。満潮も一公転で一自転ですよね。
- takug
- ベストアンサー率62% (5/8)
はい、ほぼそのとおりで、 各部分質点ごとに(B)の座標系を想定した場合には、回転中心をいつも同じ方角に見ることになります。 ただしその回転中心は各部分質点ごとに異なった位置にあり、その位置は地球-月系の共通重心とは異なります。従って月をいつも同じ方角に見ることにはなりません。月の見える方向は一周期中で揺れ動くことになります。 (B)の座標系はその部分質点特有の公転円上を基準軸を進行方向に向けて回転する座標系です。したがってこの座標系は公転すると同時に、同じ周期で自転しています。 しかし、その公転は質点に遠心力を生み出しますが、その自転は原点に存在する質点に影響を及ぼしません。 遠心力を生み出すような座標系が公転と同時に自転していることからは、地球の自転が必然であるという結論を導けません。座標系が自転していてもその原点に存在する質点は公転円上を回転しているだけであり、自転の影響を受けていないのです。 各質点は任意の2点を結ぶ直線が空間の特定方向を指したまま、という位置関係を保ったまま運動するので、それらすべての質点を総合した地球は、自転しないままです。 ============== まとめです。 ==地球の自転を組みこんで考察する場合== (R-1) 地球の重心は地球-月系の共通重心の周りに公転する。 (R-2) 公転と同じ周期で自転しているので地球の特定の面が地球-月系の共通重心の方向、ひいては月の方向を向いている。 (R-3) 地球上の任意の地点も公転し、その回転中心は地球-月系の共通重心と一致する。回転半径は地点により異なる。 (R-4) 各地点ごとにその地点が1ヶ月のあいだに辿る公転円の円周上を基準軸を進行方向に向けて回る回転座標系を想定すると、その回転座標系は公転と同時に自転している。 (R-5) 従って回転座標系内で観察すれば月は常に同じ方向に見えている。 (R-6) その回転座標系の原点に存在する質点には遠心力が作用する。 (R-7) 遠心力の方向は常に月の反対方向であり、遠心力の大きさは回転座標系の回転半径に比例するので地点により異なる。 ==地球の自転を除外して考察する場合== (N-1) 地球の重心は地球-月系の共通重心の周りに公転する。 (N-2) 自転していないので地球の特定の面は空間の特定方向を向いている。 (N-3) 地球上の任意の地点も公転する。それぞれの地点が併進的に公転するので公転円の半径はどれも地球銃身の公転半径に等しく、ある二つの地点が描く二つの公転円のそれぞれの中心のあいだの距離は、地球上の二つの地点のあいだの距離に等しい。 (N-4) ある地点が描く公転円の円周上を基準軸を進行方向に向けて回る回転座標系を想定すると、その回転座標系は公転と同時に自転している。 (N-5) 従ってその回転座標系内で観察すれば、その公転円の中心が常に同じ方向に見えている。地球-月系の共通重心はその公転円中心とは別の位置にあるので、見える方向が変動する (N-6) その回転座標系の原点に存在する質点には遠心力が作用する。 (N-7) どの質点も遠心力の方向はその座標系の公転円中心の反対方向であり、公転半径はどれも等しいので遠心力の大きさもすべて等しい。 ============ ぶっちゃけた言い方をすれば、部分質点の座標系の自転は「遠心力」という言葉に正当性をもたせるために、回転座標系としての整合性のために無理やり導入した性質のように思えますね。 「回転座標系だから、ほら、遠心力だよ」といっておいて、すぐにその力を絶対座標系に座標変換してしまい、遠心力の言葉は残して自転は忘れてしまうのですから、なんだか詐欺にあったような感じがするのはやむを得ません。 ま、これは物理の問題なんだから、最終的に事象をきちんと説明できさえすれば、どんなモデルを構築しようと構わないわけで、そういう意味では地球の面が常に月を向いているモデルも正当ではないとは言えないし、部分質点ごとに(A)の座標系を付随させて未命名の力が作用するといってみてもいいかもしれない。 どんなモデルが正しい、とか、遠心力が地点により異なるとの説は間違っている、とか言い立てる種類の問題ではないのでしょう。 ただ単に、どのモデルを構築したときに簡潔で計算が容易であるか、という種類の問題であるように思います。 以下は、まったくの余談ですが。 地球の現在の月はほぼ円に近い公転軌道で地球の周りを回っていますが、もし、仮に、もっと極端な楕円軌道を持つ月が地球の周りを回っていたら、この論争はどんな展開になっていたのでしょうね。 その場合は地球-月系の共通重心の周りに月は楕円軌道を描いて回り、地球もまた小さな楕円軌道を描いて回ります。 楕円軌道上を回る月の公転角速度は近地点と遠地点では大きく変わります。しかし、地球の自転については、その角速度は常に一定でしかありえません。 地球の自転周期を月の公転周期と同じに設定してみても、回転の位相角は早くなったり遅れたりでズレっぱなしになります。 地球がいつも同じ面を月あるいは地球-月系の共通重心の方に向けたまま運動している状態を仮定した説明なんて、もしそんな惑星に住んでいたら誰も考えつかないんじゃないでしょうか。
お礼
回答内容の一部には同意できませんが、この回答を含めいろいろと考えさせられました。何度もお付き合いくださいましてどうもありがとうございました。
補足
何度もご回答いただきありがとうございます。 地球の自転を組みこんだ場合と除外した場合で、ある瞬間で各地点への月による引力がどちらの場合も同じであるとすると、遠心力?による力が異なるので合力は異なることになってしまいます。多分私の頭の中で何かの力が抜けているのだと思いますが・・。 余談の楕円軌道の場合ですが、回転座標系の回転の位相角を月の平均公転周期と同じに設定した場合、この座標系では月は近づいたり遠ざかったり先行したり遅れたり、平均位置の周りをくるくると回るのではないかという気がします。これは、ひょっとしてNo.4さんの言われるコリオリ力によるものなのでしょうか。
- takug
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tobokeさん こんばんは。#5です。 「東にスタートするジェットコースターに乗って常に顔を東に向けている場合」 というのは、(A)座標系の軸は常に天空の特定方向を向いたままで原点が運動していく座標系のことですね。 この場合はジェットコースターが左にと曲がってゆくと初めは右側の壁に押し付けられていたのに、次第に前に向かって押し付けられるようになり、次には左に向かって、と力の向きが変化します。 一方、(B)座標系の軸が常にジェットコースターの進行方向と一致するように回転する座標系で考えると常に右側の壁に押し付けられた状態になって、変化のない力がかかります。 tobokeさんのお考えでは、(A)の座標系で作用している変化する力は遠心力と呼ぶにふさわしくなく、(B)の座標系で感じられる力が遠心力である、ということなのですね。 まぁ定義の問題ではあるのですけれど、座標系の採り方によって区別をすべきであるという、tobokeさんのおっしゃられている考え方はおおむね正しいと私も思います。 ついでに付け加えますと、(C)宇宙空間に固定された絶対座標系を採用すると、ジェットコースターに乗っている人にかかる力は 右-前-左 と変化し、(A) の座標系と同じになりますが、この場合はジェットコースターの運動が座標系内にはっきりと現れているので、作用している力が慣性力であることは瞭然ですね。 そもそも遠心力という言葉の由来はどこにあるのでしょうか。 ジェットコースターに乗っている人が質点のように小さいとして考えます。 その場合、(B)の座標系の内部の観測者にとって、作用している力の源泉はなんでしょう。座標系が回転運動をしているというのは一つの解釈ですが、そうではなくて座標系は静止したままで、右側に巨大な質量があってその引力で引かれているのかもしれません。その違いは座標系内で判断する限り、判らないのです。 回転運動だと仮定しても、回転の中心はどこ? 角速度は? どれも決められません。質点にかかる力と運動を観測する限り、系内の観測者にとって一意的に解を出すことは不可能です。 でも、(C)の座標系ならば、ジェットコースターに乗った質点の円運動に伴い、回転中心と反対方向に向いて発生する力だから「遠心力」。判りやすいですね。判りやすいけれど、実は慣性力の一種ですよね。 その辺が遠心力の定義のうさん臭いところで、回転座標系の中ではいかにもリアルな力のように見えるけれども、「遠心」なのかどうか判らない。 絶対座標系で観測して「中心の反対を向いている、すなわち遠心」という性質が判ったとたんに、慣性力なんだから遠心力という言葉はいらないとされてしまう。 結局、回転座標系で観測されている力(tobokeさんのおっしゃる、遠心力を感じる座標系での力)は、それに座標変換を施して絶対座標系に翻訳して解釈すると「遠心力」という表現が判りやすくなってくる、ということのように思います。 物理の演習問題などではよく、公転運動の解析に際して、地球も月も質点で代表させ、地球-月公転系の共通軸を基準とする回転座標系を想定しますね。 すると、地球にかかる月の引力は常に原点方向、遠心力は常に原点の反対方向であり、大きさは等しく、釣り合うという説明をします。 しかも地球を一個の質点で代表させている限り、質点が自転しているか、いないかは問題にならないのでじつに判りやすいです。 質問文第3段落の > このような回転座標系を取らないと引力と遠心力を釣り合わせることはできないはずです について感じたことなんですが、このような「地球と月の共通重心基準の回転座標系」という考え方は、地球や月を一個の質点で代表させたモデルの名残を存分に引きずっているような気がしませんか。 そもそもの成り立ちを考えると、地球と月のあいだの重力作用を考えるには、地球を構成するすべての原子と、月を構成するすべての原子との組み合わせの重力作用から出発してそれらの総和をとっていった結果が公転運動になる、と考えていかなければなりません。 公転の周期などを計算するときに地球を一個の質点で代表するモデルを利用できるのは、地球が真球で組成が均一である、などの仮定を置くと一個の質点モデルで近似でき、計算が簡単である、という理由に他なりません。 潮汐を考察するときは地点ごとに働く力の差異を求めるのが目的なのですから、地点ごとの差異はないと仮定した近似モデル的な考え方から出発するのは本末転倒のような気がしてならないのです。 --------------- そういったことを踏まえたうえで考えると、次のことが言えるのではないでしょうか。 (1) 現実の地球は大きさを持っているので、各地点ごとにかかる月の引力は大きさも方向も異なる。それならば地球をバラバラの各部分に分解してそれぞれの部分ごとに質点に代表させて考え直してみよう。 (2) 地球の自転を除外すると、各部分質点は相互の位置関係を変えずに併進的回転運動を行う。個々の質点が自転しているか、いないかは問題ではない。 (3) 各部分質点ごとに(B)の座標系を想定すると、回転座標系なので遠心力が発生している。 (4) 各部分質点ごとの遠心力を座標変換して絶対座標系で解釈すると、それらの力は大きさ・方向ともに揃っている。 (5) 大きさも方向も異なる月の引力と、絶対座標系で大きさ・方向ともに等しい遠心力との和を各地点ごとの地表面を基準とした座標系で解釈した量が地点によって異なることが潮汐の原因である。 ---------------- ポイントとなるのは、「地球の自転と各部分質点に付随した座標系の自転は別物」ということではないでしょうか。 あと、いくつか気がついたことを付け加えますと、 *1 上記の(A)の座標系で働く力はなんと呼べばよいのでしょうね。質問文末尾近くの >遠心力ではなく別の呼び方をすべきである。 は、これを指しているのだと思いますが、私にも呼び方がわかりません。 *2 上記の(3)の段階で(B)の座標系でなく(C)の座標系の解釈を適用することも可能です。そうすれば遠心力でなく、慣性力という表現を使うことができるようになります。 *3 自転を除外して説明が出来るならば、自転を含まざるを得ない説明より「オッカムのかみそり」に適うのではないでしょうか。
補足
詳しい説明ありがとうございます。 (3)よりも上は納得です。 問題は(3)以降で、回転座標系というのは、「座標系内で判断する限り、判らないのです」とお書きになられているように、それに乗っている人は回転とは思わない座標系ではないのでしょうか? ちょうど地球が自転していてもわれわれは何も感じていないように。 そうすると、「(3) 各部分質点ごとに(B)の座標系を想定」した場合には、回転中心をいつも同じ方角に見る、すなわち月はいつも同じ方角に見えることになると思うのです。
- takug
- ベストアンサー率62% (5/8)
とりあえず太陽の周りの地球の公転や、一日周期の地球の自転は除外して、地球-月の系だけで考えてみます。 地球-月系の回転には相互の共通重心の周りの回転(公転)と、地球、月それぞれの重心周りの回転(地球の自転・月の自転)があります。 もし、仮に、地球と月がお互いに同じ面だけを永久に向け合って公転しているとします。 すると、地球上の各地点はどこも地球-月の共通重心を中心として公転しています。このときには回転中心から外向きに遠心力が働くことになり、地点により回転中心からの距離は異なりますから地点ごとの遠心力は一定ではありません。質問者さんのご指摘のとおりです。 しかし、その場合は地球の面は宇宙空間に対しては公転と同じ周期で回転していますから自転をしていることになります。 では、地球の自転の影響を取り除いたらどうなるでしょうか。 地球はある面を宇宙空間の一定方向に向けたままで、なおかつ地球-月の共通重心を中心として公転することになります。 この場合の「地球-月の共通重心を中心として公転」している場所というのは、地球の重心だけとなります。 それ以外の地球上の各地点はそれぞれの地点ごとに地球の重心の公転と同じ半径で並進的に回転します。但し回転の中心はすべて別々です。 遠心力というのは運動物体系が外力を受けて等速直進運動から逸れるときに慣性力のために運動系内に生ずる見かけの力ですから、地球上の各地点にはそれぞれの地点ごとに定まっている回転中心から外向きの遠心力が働いているように見えます。 各地点は並進的に運動しているのでそれぞれの遠心力は大きさも方向もすべて同じになります。 このことをとらえて「地点によらず遠心力は一定である」と表現しているのでしょう。 ところで、もう一度、地球と月がお互いに同じ面だけを永久に向け合って公転している系に戻って考えてみましょう。このときは地球は自転しているのでした。 そうすると公転による力としてどの地点にも「一定の遠心力」が働き、さらに自転による力として地球の中心から外向きで大きさ一定の遠心力が働きます。 但しこの力の向きはベクトルとしてはまちまちですから公転による「一定の遠心力」とは強め合うところと弱め合うところが生じます。 そして結果として「地球と月の共通重心から外向きで場所によって異なる遠心力」が現れることになります。 一応、それらの「場所によって異なる遠心力」のベクトル和をとれば、地球の重心に働く(地球を質点とみなしたときの)遠心力と同じになりますし、地球の自転を除外したときの「一定の遠心力」の和とも等しくなります。 しかし、潮汐の発生の理由について考える場合は地球の自転は本質的に不要ですので、公転に付随して地球の自転を含めた考えかたは採用しないほうが無難です。 (ついでにいうと一日周期の地球の自転の方が作る現象は潮汐そのものではなくて、満潮・干潮のポイントが地球を巡るために起こる潮汐の時間的変化の方です。) そういうわけで潮汐は「場所によって異なる月の引力と、場所によらず一定の公転の遠心力との和が、その地点の地表面に対してなす大きさと角度が場所によって異なる」ために起こるとするのがよいでしょう。 なお、蛇足かもしれませんが一般には地球上の各地点ごとにみれば月の引力と公転の遠心力とは釣り合っているとは言えません。 力の釣り合いに関してならば「引力と遠心力と剛体の内部応力が釣り合う」と考えなければならないのです。 質問者さんの疑問である >・遠心力の定義を考えると、座標として地球と月を結ぶ線を考えるべきである。この座標から見ると、月の反対側で遠心力が大きくなる。(少なくともこのような座標を取ってはいけない理由がわかりません。) >・リンク先で説明されている力が働いていることはわかるが、その力は遠心力ではなく別の呼び方をすべきである。 についていうと、 (1)地球の公転と自転を分離して考えるべきである (2)「地球と月を結ぶ線」という単一の座標系ではなくて、回転中心が異なるのに合わせた無数の座標系を想定する必要がある ということでよいでしょう。そうすれば、遠心力と呼んでもよいのではないでしょうか。
補足
ご回答ありがとうございます。 おっしゃられていることの大体は理解しているつもりです。 ただ、5段落目の「遠心力というのは・・」の説明について疑問に思っています。 たとえば、東にスタートするジェットコースターに乗って常に顔を東に向けている場合、急カーブで曲がっても、遠心力は感じず、まっすぐ行こうとしているのにレールによって曲げられた、と感じるのではないでしょうか。 これに対し、進行方向、すなわち車両の向きに向いている場合にはカーブで遠心力を感じて外向きに振られているように感じると思うのです。 このように座標系によって遠心力を感じたり感じなかったりすると理解(誤解?)しています。 地球と月の回転座標系に乗ってしまうと、必然的に、公転に付随して地球の自転?を含めた考えかたを採用することになると思うのですが。
- shiara
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事実を整理すると、次のようになります。 (1)遠心力とは、回転座標系から見たときに現れる見掛けの力である。 (2)遠心力は、回転中心からの距離に比例して大きくなる。 (3)回転座標系では、コリオリの力も働く。 したがって、遠心力が距離によらず一定と言っている人がいれば、それは間違いです。これとは別のケースとして、鉛直方向に自由落下している物体を考えると、その物体から見れば、働いている力は地球からの万有引力と慣性力(回転していないので遠心力とは言いません)であり、その慣性力は、地球との距離には依存しません。 このような1方向の運動であれば話は簡単ですが、地球の周りを回転している宇宙船を考える場合は複雑です。回転座標系から見ると、宇宙船の重心では力は働きません。引力と遠心力が釣り合っているからです。重心から少し外側に物体を置いてみましょう。引力は距離の2乗に反比例して弱くなり、遠心力は距離に比例して強くなりますので、その物体には、遠心力が少し強く働きます。そうすると、その物体は外側に向かって動き出します。物体が動けば、コリオリ力が働きます。最初は回転方向とは反対向きの周方向の力が働きますが、周方向にも動くようになると、遠心力とは反対方向にコリオリ力が働きます。その動きは複雑です。この運動をもたらす力を潮汐力と言うならば、潮汐力は、万有引力と遠心力とコリオリ力の合わさったもの、ということになります。普通、潮汐力を説明するときは、鉛直方向の運動のみを考えますから、コリオリの力は説明には出てきません。遠心力という概念を使って説明する場合は、回転座標系での力という物をよく理解していなければなりません。
補足
丁寧なご説明をいただきありがとうございました。 潮汐力の説明でコリオリ力が出てこないのは、潮汐力は衛星の歪など回転座標系に対して静止した状態を論じるときが多いからなのですね。 いただいたご説明で間違いのないものと思いますが、今回の議論はQNo.2208452の回答とは矛盾したものとなっておりますので、しばらく反論を待ちたいと思います。
- shiara
- ベストアンサー率33% (85/251)
No2です。「物体が止まっている場合に働いている力」ですが、回転座標系から見た場合に止まっているということですから、慣性系から見れば、宇宙船の角速度と同じ角速度で地球を回っている、ということです。宇宙船よりも地球から離れた軌道を、宇宙船と同じ角速度で回るのは、何らかの力が働かない限り、不可能です。軌道を安定して回るためには、角速度は遅くなければなりませんから、普通ですと地球の引力を振り切って、宇宙へ飛び出すはずです。そうならないようにするためには、地球に向かって加速するようなロケット噴射が必要でしょう。宇宙船は、重心の周りを回転するようになると思いますので、回転を止めるロケット噴射が必要です。 「潮の干満の場合にもコリオリ力を考えなければいけないのでしょうか」の問いについてですが、コリオリの力は、加速度系から見た場合に現れる力です。コリオリ力を考えなければならないのは、そのような座標系を考えた場合だけです。潮汐力は、万有引力と慣性力の和によって語られることが多いと思いますが、慣性力を導入した時点で、それは加速度系から見ていることを意味します。したがって、どのような加速度系から見ているのかを明確にしなければなりません。鉛直方向に自由落下しているエレベータに現れる潮汐力では、万有引力と鉛直方向の慣性力だけの和です。この場合には、コリオリの力は現れません。また、当然のことですが、慣性系から潮汐力を考えるならば、遠心力などの慣性力はまったく現れません。単純に、地球と月の引力の和で示されるだけです。
補足
補足説明ありがとうございます。 舌足らずで申し訳ありません。座標系としては宇宙船や月が静止して見える回転座標系を考えています。補足の字数が長くなりすぎたので適当に端折ってわかりにくいことを書いてしまいましたが、おっしゃっておられる通りかと思います。 結局のところ、QNo.2208452の良回答や回答のリンク先 http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/~dptech/tusin/99/no88/info88.html#kita は間違っているという理解でよろしいのでしょうか?
- shiara
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問題を単純にするために、地球の周りを円を描いて回る宇宙船を考えます。これですと、地球と宇宙船の共通重心と、地球の中心を同じと考えてもかまいません。 遠心力などの慣性力は、加速度系から見た場合のみ現れる力であり、慣性系から見れば存在しない力です。遠心力を考えるときは、加速度系から見ている、ということを忘れてはいけません。 さて、この宇宙船が回っている角速度と同じ角速度で、地球を中心として回転する座標系を考えます。この回転座標系から見ると、宇宙船は地球から一定の距離に静止しています。宇宙船に働いている力は、地球に引っ張ろうとする万有引力と、宇宙船に外向きに働く遠心力で、それが釣り合っているために、宇宙船は静止しています。では、それ以外の力は無いかと言うと、そうではありません。この回転座標系では、コリオリの力が働きます。コリオリの力は、この座標系で見て、動いている物体があると働く力です。いま、宇宙船の外側の軌道を回っている物体があるとします(これも円を描いているとします)。その物体が(地球の周りを)回転する角速度は、宇宙船が回転する角速度よりも小さくなければなりません。そうでなければ、軌道を保っていることはできないからです。そうすると、回転座標系から見て、その物体は動いていることになります。したがって、その物体にはコリオリの力が働きます。この物体に働く力は次のとおりです。万有引力は、距離が遠くなった分だけ弱くなり、遠心力は距離が遠くなった分だけ強くなり、さらにコリオリの力が(この場合は)内向きに働き、これらの力の和はゼロになります。結局、径方向での力はゼロとなり、一定の半径で動くことになります。これは、円軌道を描いていることから、当然のことと言えます。 それでは今度は、宇宙船の中にある物体に働く力を考えてみましょう。宇宙船の重心から外側(地球と反対側)にある物体には、外向きに潮汐力が働くことは分かっています。この潮汐力の正体は何なのでしょうか。地球から引っ張られる万有引力と、回転座標系から見ているので、遠心力が働いています。そして、その物体が動いていれば、コリオリの力が働きます。もしその物体が止まっているとしたらコリオリの力は働かないのですが、逆に、止まっているためには、何か力が働いている必要があります。 結局のところ、回転座標系を考える場合は、遠心力のほかに、コリオリの力も考えなければなりません。つまり、潮汐力は単純に遠心力だけ、とは言えません。これが質問者様の最初の問いに対する参考になるのではないかと思います。
補足
アドバイスありがとうございます。 まず、この内容とは関係ないのですが、質問で字数制限のために書けなかったことを追加させて下さい。 遠心力の定義で検索しますと、 www.k4.dion.ne.jp/~ypc.suta/newskiji/ensinryoku.pdf というページがありました。全部は理解できておりませんが、遠心力は座標変換によって生じるみかけの力であると述べられており、これは本アドバイスと同様の内容かと思いますが、このためにQNo.2208452の回答のリンク先の説明がおかしいと思った次第です。 さて、最後の方の、物体が止まっている場合に働いている力は、宇宙船の場合は歪によって生じる応力、月の場合には月のラグビーボール状への変形による軸方向の引力の増加と考えてよいのでしょうか? また、潮の干満の場合にもコリオリ力を考えなければいけないのでしょうか?
- sungrape
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No.2039とは?
お礼
ご指摘ありがとうございました
補足
どうもすみません、QNo.2208452です。 この質問の10ほど下の「満潮と干潮の 公転の遠心力の正解は?」です。その回答欄でこの疑問を聞こうとしたところ、すでに締め切られてしまっていたので、改めて質問した次第です。 Trendomicroから入ると(http://virus.okwave.jp/index.php3)、カテゴリー別の通し番号が入っており、この質問はNo.2049となっているのですが、教えてgoo(http://oshiete.goo.ne.jp/)だと逆順で最新が1番、大元のOKWeb(http://okwave.jp/)では番号はついていないのですね。知りませんでした。 大変失礼いたしました。
お礼
何度も詳しい回答をいただきましてありがとうございました。この回答に代表としてポイントをつけさせて下さい。
補足
なるほど、理解できたような気になりました。 共通重心を原点とした外部から見た座標系だと、遠心力を考えることなく簡単に理解できるということですね。 この場合にかかっている力は、相手からの引力と、潮汐力によって生じている歪や海水の盛り上がりなどによる応力や重力の増加分の合力となり、これが各点の回転への向心力となるわけですね。 そうすると、引力差と重力差等によってつりあい状態では外側ほど向心力が強く、潮汐力による盛り上がりが公転とともに回っていくことになり、一公転で一自転?となるわけですね。 ただ、回転運動---向心力 というのを習えばわかるかと思いますが、中学生以下にはちょっと説明しづらい内容かなとも思います。