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脊髄損傷のリハビリテーション

脊髄損傷で両側の下肢が麻痺している方(受傷後何年も経ち、現在弛緩麻痺の状態)の下肢関節を他動的に動かすことは、リハビリテーションとしての意味はあるのでしょうか?私としては神経が切断された状態でも、筋肉や血管の活性化につながるのではないかと思うのですが、専門家の意見をお聞かせください。

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  • KAAZ
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回答No.1

全然自分で力が入らない下肢を他動的に動かす事の意義ですが―― ●靭帯・滑液包・軟骨等へのアプローチ 関節周囲が固くなる事を防ぎます。 ●筋・腱へのアプローチ 筋繊維の規則的配列が崩れて柔軟性が落ちること、あるいは筋が短縮してしまう(アクチンとミオシンの滑り込みが起き難くなる)のを防ぎます。 ●末梢循環へのアプローチ 血液やリンパ液の流れを促します。→床擦れも予防します。 ――と、まぁ、大別すれば上記のような感じでしょうか。 随意運動の神経と、血管拡張・収縮など不随意的コントロールの神経は別モノであり、ルートも若干異なっています。(他にも感覚神経の経路があります。) ですから、脊髄損傷によって 両方とも傷害を受けた場合 片方だけ受傷した場合 (その他、感覚神経だけの障害の場合) とでは、当然 当該患者様への他動運動の意味も異なってきます。 神経―筋促通手技(PNF概念など)を用い、「誘導介助による自動運動の促通」や「自己介助での自動運動の促通」をおこなうのでしたら、筋自体の賦活化に有効です。 しかし単に「他動運動」「自己他動運動」を反復するだけでは、「筋活動の活性化」効果は無く、先述した筋短縮を抑制したりする効果に止まります。(次第に筋繊維は減少していきます) 余談ですが、「筋肉の多い少ない」は、「筋繊維の多い少ない」に因ります。筋細胞自体の数は、基本的に変化しません。 以上、簡単ですがご参考まで

yama2005
質問者

お礼

分かりやすく、且つ詳しく説明していただきありがとうございました。 この質問をしたのは、以前に両下肢麻痺の脊髄損傷者の下肢への他動運動について、ご本人の満足度も高かったにもかわらず、PTの「意味が無い」の一言でこの他動運動が中止になってしまったことがあり、自分なりにどうして意味が無いのか知りたかった為です。KAAZ様の説明からすると、PTが意味が無いとしたのは筋活動の活性化の効果についてのことで、他の意義については完全に無視されてしまったと考えてよろしいのでしょうか。それとも、リハビリテーションの世界ではそれが常識なのでしょうか。

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