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生コン工場で気になること
各地の生コン工場(セメント粉の貯蔵所)のサイロでよく「ポドリス」とか「ペドリス」とかいう標識をしたタンクを見かけますが、あの中身は何でしょうか?何だか液体のように見えるのですが・・・ どういう意味でしょうか? どなたか教えていただけませんか?
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コンクリートは、セメント、水、粗骨材(砂利)、細骨材(砂)を混ぜて作るんですが、その他に硬化速度を速くしたり、逆に遅くしたり、空気の細かい粒子を多く含ませるようにして流動化して施工しやすいようにしたり、強度低下の原因になる余分な水を減らしたりするため等々いろいろなものを少しづづ混ぜます。 これらの混ぜ物のうち比較的分量が多くその容量自体がコンクリートの配合設計に考慮されるものを混和材、容量が少なくて設計上容量を無視できるものを混和剤と言います。 ご質問の名前はポゾリスではないでしょうか?ポドリスというのもあるのかも知れませんが、ポゾリスは商品名(非常にメジャーな存在でむしろ業界ではポゾリスの方が通用しやすいかも)で、材料の正式名称としてはポゾランと言い混和材の一つで、セメントの10%~30%ぐらいの割合で混ぜるものです。 ポゾランを混ぜる目的としては、 1.コンクリートのワーカビリチー(Workability)を改善し、単位水量を減少させる。 わかりやすく言うと、水を加えるほどコンクリートは柔らかくなって施工はしやすくなるんですが強度が落ちます。そこでポゾランを加えると同じ柔らかさでも加えないときよりも水の量を減らすことができ、結果強度も改善されることになります。 2.水和熱によるコンクリートの温度上昇を抑え収縮が小さくなる。 コンクリートは硬化するときに発熱するんですが、この熱が冷めるときにコンクリート自体に収縮力が働き、ひび割れが生じます。ポゾランを加えることによりこの熱の発生を抑えることができます。 3.長期材令強度が増大する。 コンクリートは一般的に施工後28日後の強度を測ることによってその強度的品質を判定しますが、強度そのものは数ヶ月、場合によっては数年間にわたって強度は増加しつづけます。ポゾランを加えることによってこの長期的な強度の増加が期待できます。 4.水密性や化学的侵食による抵抗性が強くなる。 よりキメの細かい化学的にも結合力の強いコンクリートができます。 ポゾランの正体ですが、天然のものもあるようですが人工的に造られたものが一般的で高炉スラグとフライアッシュが一般的に使われています。 高炉スラグというのは、製鉄所の高炉で鉄鉱石やら石炭、石灰石などを一緒に燃やして鉄鉱石を溶かしたときに出る不純物の一部で、まあ言ってみれば燃えカスみたいなものでしょうか。 フライアッシュというのは、火力発電所などの石炭の微粉末を燃やすようなボイラーから出る排気ガスに含まれる塵を集めたものです。 いずれも主成分はシリカ(SiO2)とアルミナ(Al2O3)で、他にもカルシウムやマグネシウム、マンガンなどの化合物も含まれているみたいです。 最近は石炭火力発電所が減っているらしくて、フライアッシュの入手がだんだん困難になってきているらしいです。鉄鋼需要の落ち込みもあるでしょうから高炉スラグも国内産が少なくなってくるんでしょうかねえ・・・ 久しぶりにコンクリート標準示方書や学生時代の専門書を読み返してしまいました(笑)
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- tomochan25
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すみません。補足します。 ポゾリスというのはポゾリス物産という会社名なんですが、調べたら「ポゾリス」という商品名に型番を付けていろいろな混和剤(材)を発売しています。 ご指摘のサイロは「液体のように見える」ということなので、混和材ではなくて混和剤だと思います。一番可能性が高いのは「AE減水剤」ではないかと推測されます。 これを混ぜることによって、空気の細かい粒がコンクリート内に混入され、ボールベアリングのような役目をするので、ワーカビリチーが改善され、すなわち流動性が増し、その結果使わないときよりも水の量を減らすことができ、強度が増します。また、収縮時にこの細かい空気の粒の部分がクッションの役目をするのでひび割れにも強くなるという効果もあります。 ちなみに、コンクリートを練り混ぜるときに自然に空気は入ってしまうのですが、この空気はAE減水剤による空気の粒よりもはるかに大きくて硬化後に空洞となってコンクリートの強度低下の大きな原因となります。 説明不足ですみませんでした。
「ペドリス」は見つかりません、「ポドリス」ではなく「ポトリス」のようですね・・・? ◎http://www.jci-net.or.jp/frm/info/theme03/log_0302.html ([8] 夢の生コン) 混和剤に関しては、以下の参考URLサイトは参考になりますでしょうか? 「コンクリート用混和材料の常識」 このページで「目次:第02回」等が参考になります。 さらに以下の成書は如何でしょうか(内容未確認!)? ============================== コンクリート混和剤の開発技術/シーエムシー/1998.9 コンクリート混和剤の開発と最新技術/友沢史紀∥〔ほか執筆…/シーエムシー/1995.9 ============================= これら以外にコンクリート関連のハンドブックもあったと思います。 ご参考まで。
お礼
少々専門的でしたが何とか理解できました。ありがとうございました。
お礼
丁寧に回答していただき、ありがとうございました。参考になりました。