分子を普通の光の下で「見る」ことはもちろんできません。以下のことが「見る」と言えるのであれば、水の分子は見えます。
エックス線というとても短い波長の光線を、小さな水の結晶(つまり氷)に当ててやると、エックス線がいろいろな方向に反射されます。結晶の向きと反射の方向、反射の強さなどを測定して、コンピュータで計算をさせてやると、分子がどのように並んでいるのかわかります。
測定には、きれいな氷の結晶(これを単結晶といいます)を用意して、0℃以下で測定しなければならないのでとても大変な作業でしょう。正確に測定できれば、酸素原子だけでなく水素原子も見えてH-O-Hがどのような角度で結合しているかもわかるはずです。
他の分子も同じです。大事なことはきれいな結晶ができうかどうかです。
ただし、エックス線で見えるのは、原子といっても正確には原子核の周りにある電子の分布です。原子核の部分を見るには、中性子線という光ではなく粒子の線を使います。