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無限って何ですか?(大学レベルでお願いします)
「無限」、考えれば考えるほど深遠な存在ですね。 僕もわからなくなっていました。 数学の得意な方にお聞きしたいです。 (大学レベルの)数学的な認識として(本来は論理記号などで記述したいが、面倒なので日本語で記述して)、 自然数1、2、3、・・・の先にあるのがω(オメガ) 実数(=数直線)の右の端にあるのが+∞ 複素平面の端にあるのが、∞ 座標平面の一定方向の端にあるのが、射影座標でいう無限遠点 という解釈でいいでしょうか? もちろん、いろいろな解釈があるとは思いますが、大学レベルの数学的な解釈をいろいろ教えていただきたいです。
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No.1さんのおっしゃるとおり 直接扱うことはまずないですね #超準解析はちょっと違いますが, #勉強したことないのでパスします 一口に「無限」といっても扱う文脈で微妙に違います. 集合論的な解釈だと カントール・デデキント流に 「部分と全体が1対1に対応つけられる集合を 無限集合という」という定義です 解析的な解釈だとコーシー流のε-δ論法です 残りは幾何的な解釈になるのかな >自然数1、2、3、・・・の先にあるのがω(オメガ) 先にあるというか・・・ωというのは 一種の符牒みたいなものです. わざわざωと書いて∞風に扱うことは ほとんどありません. >実数(=数直線)の右の端にあるのが+∞ >複素平面の端にあるのが、∞ >座標平面の一定方向の端にあるのが、射影座標でいう無限遠点 これらは幾何的には同じような扱いです 実数全体の集合Rを考えると 1点コンパクト化というのがあります. RにR外の「点∞」というのを追加した集合 S=R∪{∞}を考えます. これは円周S^1と同相になってコンパクトです. #開集合{x | X>M} を 一点∞の近傍とみなす #位相をSにいれると「射影」で同相とできます Sははっきりいっちゃえば一次元実射影空間RP^1です. #RP^1= {(x,y)}/~,(x,y)~(λx',λy') #λは実数(0ではない) 複素平面Cの場合は「端」ではないです 平面を丸めていって, どうしても穴が開いてしまう一点が無限遠点∞で これも一点コンパクト化の一例です Cに∞を追加した集合C∪{∞}は 今度は球面S^2です これは複素構造を無視すれば 「実二次元平面」も全く同じように S^2になります. これは一次元複素射影空間CP^1でもあります. 実平面に「無限遠直線」を追加したのが 二次元実射影空間RP^2です これもコンパクト化ですけど,一点ではなくて 直線を追加してます. #これは位相的には難しい・・メビウスの帯にそって #閉円板をくっつけた形といわれます. #トポロジーの基本的な本に図解があるでしょう ずらずら書きましたが,幾何的に見た場合, 「普通の方」を一枚のカバー, 「∞を含む方」をもう一方のカバーと考えて #正確には開被覆といいますし, #二次元実射影平面の無限遠直線は #一枚では覆えません. それぞれをRやCやR^2などと同一視します. そして,R,C,R^2なので,それぞれの カバーには座標がついてることが重要です. カバー同士の共通部分では 共通部分の点はそれぞれのカバーについている 座標を使って表現できますが, カバーが違えば座標軸の変換規則で 座標が変わります. 幾何的には,こういう風にカバーごとに 「わける」ことで 「無限大の点」というを避けるようになっており, 「空間をカバーで覆ってカバーごとに考える」のが 多様体と呼ばれる幾何の基本的な対象です. #幾何で絵がかけないのは結構しんどい・・・
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- yoikagari
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kabaokabaがおっしゃていた、「超準解析」に関するページへのリンクをはっておきます。
- 麻野 なぎ(@AsanoNagi)
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現代の数学では、無限に関することについては直接扱わない傾向があります。というのも、多くの場合、無限を直接扱うと矛盾が出てきてしまうからです。 例えば、「無限集合」は、「要素の数が無限大の集合」ではなくて、「その集合のすべての要素と、1対1対応できるような真部分集合が存在する集合」ですし、「無限次元線形空間」は、「任意のnに対して、n個のベクトルの一次結合では表現できないベクトルが存在する」空間です。 x→∞ のときに、f(x) → a となるのは、任意のδを持ってきたときに、N より大きなすべての x に対して、f(x) が、a のまわり、δの範囲に入るってしまうようなNが決められるということです。 つまり、「無限」という点が存在するのではなく、「無限に近づける」とか、「無限に存在する」という状態だけが定義されているわけですね。 この意味では、「無限遠点」は、少々毛色が異なります。
補足
丁寧なご返答に感謝いたします。 解析的な解釈だとコーシー流のε-δ論法です 残りは幾何的な解釈、コンパクト化 ということですが、それらは同じものだと思うのです。 x→αのときf(x)→β という極限の概念は、 任意のβ近傍に対して、あるα近傍が存在して、β近傍のfによる逆像は、α近傍に含まれる と位相的に定式化されると思いますが、それはコンパクト化された実数においては、αやβが∞でもいいと思います。 ε-δ論法では、x→αということと、x→∞ということは、少し違って定式化されていましたが、実数をコンパクト化することで、同等に扱えると思うのです。 幾何的な解釈ではまた、点列の極限を用いる方法もありますが、ところで、 集合の列の極限という概念があります。 それは、 順序集合として、上極限や下極限などの考えを用いて、定式化されます。 それらの、位相空間の点列の極限の概念と、 順序集合としての集合列の極限という概念には、なにかつながりがあるのでしょうか?