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偏光レンズの仕組み
HITACHIの蛍光分光光度計を使って粒子による散乱光を測定しています。 古い機械なので、参考のURLを載せることができず申し訳ないのですが、この機械に「偏光レンズ」というのがついています。 これをつけるとノイズが減ったり、色々なことが起きるのですが、物理苦手の悲しさで何故、そうなるのか原理が全然わかりません。 難しい本を読んでも分からないので、偏光レンズの仕組みについて、どなたか平易に教えてくださらないでしょうか。 やっている実験は、ある粒子の懸濁液をセルにいれ、光源はキセノンランプ、光源から90°の角度で検出する機械です。 EXCITATION 600nm EMISSION 600nm です。 これはメインの質問ではないのですが、BAND PASSという設定項目があって、これも良く分からないのでdefaultの数値のままにしています。 これももし分かる方がいらっしゃればお願いします。
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励起波長と蛍光波長が同じでは、蛍光測定にはなりませんね。 > EXCITATION 600nm > EMISSION 600nm この設定が正しいとすると、使っておられるのが「分光蛍光光度計」 であっても、測定されているのは「蛍光」ではなくて、90°配置 (照明光の進行方向に対し90°の方向)での「側方散乱光」の測定ですね! 分光蛍光光度計の試料室の光学系が90°配置であることをこの実験に 利用したというのはホントに賢いですね! それと、HITACHIの分光蛍光光度計でオプション設定されているのは、 「偏光レンズ」ではなくて「偏光フィルタ」ではないでしょうか? ご存じのように光は横波なので、下記URLにあるように、振動面の直交 する2つの光波は別々のものとして考えます。 http://www.ksolympus.co.jp/series/srs_08.html このように「直線偏光」は特定の方向のみに振動する、ある意味、 非常に純粋な光ですが、色んな方向に振動するたくさんの直線偏光を 寄せ集めたような状態が「自然偏光」とか「ランダム偏光」とか「非偏光」 とか呼ばれる光です。身の回りにあるもので代表は「太陽光」などです。 では、キセノンランプの光はどうでしょう? (自分で考えて/調べてみましょう) 今、おやりになっている実験の「エッセンス」は、 照明光 → 微粒子 → 90°方向で見た偏光状態 ですね。答えをお教えするのは学習の妨げになると思いますので、 ヒントだけ。これって実は「ごく身近に見られる自然現象」の正しく "シミュレーション"になっている訳ですね! 手抜きの勧めは良くないのですが、自分で考えるのに行き詰まったら、 Web検索で「粒子+散乱光+偏光」などのキーワードで検索するときっと 出てくるでしょう。 なお「BANDPASS」ですが、これは分光光度計で波長選択をするときの 「波長純度」のことです。例えば「EXCITATION 600nm」で「BANDPASS 10nm」に設定すると、実際に試料に照射される光は「595~605nm」の 光になります。「そんなの限りなく0に近い方がイイじゃん」と思われる かも知れませんが、現実的には"BANDPASS=光量"なので、必要以上 に小さくすると光量が減ってノイズだらけの実験になってしまいます。 かといって大きすぎると、波長純度が粗すぎて、分光する意味が無く なってしまうこともありますので、"頃合い"が重要です。
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- paddler
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> ヒントだけ。これって実は「ごく身近に見られる自然現象」の正しく > "シミュレーション"になっている訳ですね! この実験にはもう一つの側面がありますね。ひょっとしたら、その方が 本来の「実験の目的」でしょうか? それは、(ご存じと思いますが)「蛍光分析」をするときに試料からの 「強すぎる散乱光」は往々にして「微弱な蛍光測定」の妨げになります。 この実験はひょっとして、どのようにしたら(=偏光フィルタをどのように 使えば)この妨害となる散乱光を減らせるか?ってことなのでしょうか?
蛍光分光光度計についても、そのような実験・測定についても、全く知りませんが、 ご質問文を拝見して、たぶんこういうことだろうなあと推測は出来そうなので回答します。 蛍光というのは、おそらくXeランプで照射された原子が励起されて、それが基底状態になるときの光のことですよね。 そんでもって、 光源とほぼ同じ場所に検出器を置いちゃうと、セル(セルってなんでしょ?)か若しくは測定系のどこからかの反射光のノイズを、もろにくらっちゃうんで、90度にしてるんでしょう。たぶん。 かと言って、90度を超えても、今度は反射じゃなくて直射のノイズが増えるので、 やっぱり90度にしているのでしょう。たぶん。 そして、検出器を90度に配置しても、励起光(蛍光)だけじゃなくて、ある程度は反射で入ってくる分のノイズがあるのでしょう。たぶん。 以上で推察した状況から、 「邪魔なもの(ノイズ)は反射光」 だと思われます。 一般に、反射した光って、ある程度偏光になってるんですよ。 例えば、海釣りをする人とかで「偏光レンズ」の眼鏡(サングラス)を持ってる人、結構いるはずです。 これは、太陽光が海に反射してきて眩しいとき、反射光をカットする目的で使います。 実際、ネットで「偏光レンズ」っていうキーワードで検索すると、そういう系統のが結構引っかかるはず。 その装置についている「偏光レンズ」というのは、偏光サングラスの偏光レンズとほとんど同じだと推察します。 つまり! 「蛍光だけを測定したいので、Xeランプの光が単純に反射した光(ノイズ)はカットしたい。それは偏光レンズである程度カットできる」 と勝手に推測しましたが、いかがでしょう? <おまけ> 偏光レンズや偏光板を、液晶テレビ、モニタの前でくるくる回すと楽しいことが起こりますよ。
お礼
早速の回答ありがとうございます! 偏光サングラスと同じ原理なのですね。 その方向で、勉強してみます。
お礼
実験の趣旨も非常によく分かって下さり、的確なアドバイスをありがとうございました! 私の実験は、散乱光の測定の方が目的で、機械の本来の使用目的であろう蛍光測定には用いていません。 研究室に散乱光の測定機械がなかったので、このようにした次第です。 「身近に見られる自然現象」が何かについて、これから調べてみます。 BAND PASSもこれまで検討していなかったのですが、検出感度がよくノイズが少ない値を探してみます。 ありがとうございました。