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回路設計の質問
回路設計に携わるものです。初心者のため参考書片手に設計をしております。LCRの定数値をどうするのかで悩むことが多いです。参考書には回路の組み方については載せてあるのですが、定数を指定している場合は少ないです。私にとってL,Cはノイズ取り用に、抵抗についてはプルアップ, プルダウン, オペアンプの増幅度調整用に使うことが多いです。定数の選定はどのようにすればよいのか、またL,Cの定数選定が不適切であった場合にどのようになるのかお答えいただきたく思います。
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こんにちは。 文面からは期待されている回答のレベルがわからないのですが、次のような事項は参考になるでしょうか。 結論から申し上げれば、「経験とノウハウの世界に近いので、雑誌や工作集等で類似の回路を見て定め、あとは試行錯誤・・・」 ご質問のようなノイズ除去用のコンデンサや誤動作防止用のプルアップ抵抗は、いずれも明確に定数が算出できるものではありませんね。もともとノイズ論はそれだけで本が書けるくらいの難問。そうなれば、かえって値を定めにくいのは当然。 そこで、「少々まじめな初心者」には次のようなプロセスになります。 ○ 単純な上限値や下限値を求める。 例えばTTLの入力段に入れるプルアップ抵抗は、その前段の回路のドライブ能力(出力)から、最小値を算出できますね。前段の回路の電流吸出しが最大100mAしかなければ、LO電圧にするため仮に3V低下する必要があるとすれば30オーム以下にはできないですね。実際の回路はもっと複雑ですが、それらをまじめに加味しても100オームくらいになります。 一方、プルアップ抵抗は、ノイズさえなければ「ないほうがいい」抵抗なので、上限で数Mオームくらいを想定できるでしょう。 あれ・・・100オームから数メガオームまで幅が・・・真ん中にするにしても真ん中ってどのくらい? ○ で・・やっぱり実験と経験 結局、ここからはノウハウの積み重ねでしょう。ノイズが怖くてプルアップ抵抗を小さくして回路の至るところで100mAを流すよう(負荷としては重負荷)では消費電力ばかり大きくなり、前段の回路の信頼性も低下しますし、プルアップ抵抗を大きくすると、「誤動作ばかりになり、作ったあとで抵抗をひとまわり小さいものに交換するハメ」(誤動作が抵抗値にあることを見つけるだけでも大変ですが)になりますね。で、結局このような失敗を繰り返して最適な値を見出すというところ。 ○ で・・手っ取り早く雑誌などからちゃっかり借用 でも、いつも何度も交換するわけにいかないので、先人たちの値を借用します。類似の用途の回路を探し出すのもまあ仕事のうち(趣味ならそれ自体で楽しいですが)。ただし、最近は、「工作実例」型の電子回路に関する出版物が極端に少なくなったので、結構苦労しますね。 ○ でも結局、実験と経験 ところが先人たちもいつも最良の値を見出しているわけではありません。貴方の装置がノイズの大きい工場向けや蛍光灯の近くに置くようなものであれば、先人たちの回路でも誤動作する結果になり、さらに値を変更し、「あなたの希望する環境だけの値」を見出す必要があります。 なお、オペアンプの帰還抵抗等の定数なら、予定する増幅度等に対して比較的明確に定数が決まりますので、とりあえず1つの抵抗を入手しやすい「5キロオーム」くらいにおいて、何はともあれ計算してみる必要がありますでしょう。その結果、他の抵抗を入手しにくい数十メガオームにする結果となったなら、最初の抵抗の値を数百オームにおいて再計算してみる価値があります。 また、トランジスタ回路の本の多くでは、負荷抵抗やバイアス抵抗など個別の各抵抗の計算方法が示されているものの、値の目安がひとつも示されておらず、最初のひとつの抵抗の値の選定で悩むことも多いです。 この場合も私は「負荷抵抗」(多くはコレクタ抵抗)を(他の例を参考に)テキトーに決め、その動作範囲からバイアス抵抗を決めたり次の段のドライブ能力を検証したりして、不都合があるとまた別の値をテキトーに決めてやり直したりしています。 さらに、L,Cの値も悩ましく、LCR回路の特性を微分方程式などを用いてきちんと解ければ相当高レベルといえますが、これも試行錯誤! 一般的にこれらはノイズや不要信号の除去特性と、高速信号追従性との狭間で悩むことになり、例えばノイズ除去用のコンデンサ(C)は、小さすぎるとノイズが十分除去できず、大きすぎると追従性悪い(高速の信号や高音が通りにくく(周波数特性の悪化)なったり、信号伝搬がわずかながら遅れる(位相特性の悪化))ことになります。 さてさて、いささか長くなり、低レベルな回答かもしれませんがご参考になりますでしょうか。 お役に立てれば幸いです。
お礼
回答ありがとうございます。参考になりました。