色々と難しい用語が並びますので、私自身もちょっとうまく説明できるか・・・。
1)ナトリウム冷却
No.1の方が説明してくださっています。
2)高速炉
通常、原子炉では、核分裂により、中性子が放出され、その放出された中性子が、別のウランに衝突して、また核分裂を起こす・・・って反応が起きています。
放出された中性子には、熱中性子と、高速中性子の2種類があります。で、核分裂に適したのは、熱中性子の為、高速中性子をちょうど良く減速させ、熱中性子に変えるのを「減速材」と言います。
減速材には、軽水、重水、黒鉛などがあります。
減速材を用いないと、高速中性子にて、核分裂を起こさせつつ、ウランをプルトニウムに変えます。また、プルトニウムは、ウランと同様に、燃料として用いることが出来ます。
その為、「高速増殖炉」と言います。「もんじゅ」ですね。
理屈としては、使用量以上の燃料を作れるので「夢の原子炉」ですが、まだ、「夢の」原子炉です。
「ナトリウム冷却高速炉」=
ナトリウムを冷却材に用いた、高速中性子を用いた、原子炉
= 「もんじゅ」と同じですね。
3)冷却材の種類
冷却材には、色々な種類があります。
・一般的な水(軽水)
・重水
・ガス冷却(Co2、ヘリウム)
・溶融金属(ナトリウム、鉛など)
いかに原子炉が発生したエネルギを、タービンに効率よく伝達させるか、構造の簡単化などで、次世代の研究がされています。
現在、一般的なのは、加圧水型軽水炉、沸騰水型軽水炉です。
4)チェルノブイリ原発
チェルノブイリ原発は、減速材に黒鉛を用い、冷却材に軽水を用いた、黒鉛減速沸騰水型原子炉です。
これは、旧ソビエトの独特の形式で、炉心が不安定になりやすい上に、作業員のミスが重なり、事故が起きたといわれています。
別に、黒鉛減速炉が悪いのではありません。
5)次世代開発の理由
ひとつは、化石燃料の枯渇が予想される為、次世代のエネルギー確保の為。
しかも、出来るだけ安全に、効率よくする為。
何しろ、日本は、資源のほとんどを海外に依存していますから。止められたら最後。
あとは、基礎物理学、原子物理学の研究を継続する為。
こういった研究は、一度止めてしまうと、継続していた人達に追いつくのが困難です。
その為、継続する必要があります。
あとは、大企業と、官僚、政治家の、暗闇のお金の世界ですかね・・・。
補足
大変、ためになるご教示、本当に有難うございます。 追加で恐縮ですが、6種類の炉の開発を進めることについて先進国間で合意したということでした。いったいどういう組織体制で開発が進められるんでしょうか。また、どのように開発管理、意見調整がされていくんでしょうか。記事の詳細を忘れてしまったのですが、IAEAとかがとりまとめてるんでしょうか。今のタイミングでのニュースとしての価値がどの程度のものなのか、日本の原子力行政との関連性はどうなっているのかとかが、どうもよく分かりません。できればご教示いただけると大変有難いです。よろしくお願いいたします。