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「カッコーの巣の上で」を解説して下さい
1975年のアカデミー作品賞であるこの映画を、昨夜観ました。 名作・秀作と言われる作品は色々観てきましたが、この作品だけはどう評価していいのか迷ってしまいます。以下、私の感想及び疑問点です。 1.「感動的なラストシーン」と評されているみたいですが、どうみても「感動的」とは思えません。逆に観る側を、ある種の絶望感に陥れるといった感じがします。確かに印象的ではありますが。チーフが脱走に成功したことで多少救われますが。チーフがマックの命を奪ったことは、やはり「尊厳死」という観点で解釈すべきなのでしょうか。 2.原題は「ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST」です。CUCKOO'S NESTは精神病院を現しているとのことですが、原題に忠実に訳すなら、「巣の上で」というのは少々意味が違わないでしょうか。OVERとONを混同している気がします。ここでの「OVER」は明らかに「乗り越えて、克服して」という意味では。この作品の邦題は原題に忠実に訳そうとしたと思いますが、それならば「カッコーの巣を越えて」が正しいのでは。何も予備知識がない人が、このタイトルを目にしたら、その内容との乖離に「何じゃこのタイトルは」と感じないでしょうか。私もその一人ですが。 長くなりましたが、深い印象を残す作品であることには間違いないと思います。 ただテーマと舞台が「重過ぎる」ために解釈に迷います。映画に詳しい方、ご回答願います。
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こんばんは。 映画超大好き小父さんです。 同映画は、当時とても話題になったもので、今でも名作の一つに数えられています。私も同感です。 映画の感想は、敢えて一言「細かいことはともかく、全体で評価して“秀作”だった」ということに尽きます。あまりごちゃごちゃ考えても、監督・脚本・製作者が意図したメッセージをこちらがとう捉えるか、という問題に過ぎない気がします。高評価の作品にありがちな「細かい点」を指摘するのは私の信念と異なります。(回答でないかな?ごめんなさいね) ただ、折角のご質問ですので(当然すでにサイトはご覧になっていらっしゃるとは思うのですが)、いくつか感想が沢山載っているサイトをご紹介しましょう。 http://jtnews.pobox.ne.jp/movie/database/treview/re1226.html http://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=1226 http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=4572#UserComment ご参考まで。
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- ucok
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テレビかビデオで見たのがだいぶ前なので、かなりうろ覚えなのですが、感動した記憶だけはあります。感動と言っても、涙涙という感じではなかったかもしれませんが。 まず、75年というと、ベトナム戦争が終わるか終わらないかという時代で、「小さな反対分子が体制に打ち勝つ」ことが美徳とされていましたので、そういう意味での感動だったのではないかと思います。しかも、その「小さな反対分子」は人間臭ければ臭いほどウケがよく、「体制」は冷徹であればあるほどそれらしく、反対分子は足掻くが完全には勝てず、まだまだ先に不安が残っているのが、人間として生きた証にこそ意義がある、というのが定番だったのではないでしょうか。要するに「おいおい、人として生きるって、そういうことじゃないんじゃないの?」とみんなが思っていて、そう思っていた人たちが、苦しい時代を経て徐々に勝ちつつあったんだけど、壁はまだ厚い、という時代だったんだと思います。「『狼たちの午後』と一騎打ち」という回答を拝見して、ますます、なるほどなと思いましたね。感動というよりは「共感」なのかな。 この時代より前の『イージー・ライダー』や『真夜中のカウボーイ』では反対分子が体制に負けてしまう哀しさが感動というか共感を呼んでいましたね。 邦題については、それを言ったらキリがない、とだけ記しておきましょう。まあ、響きがいいと、つけた人は思ったんじゃないでしょうか。巣の上にもいたんだし。 ちなみに、「重過ぎる」とのことですが、オバサンにしてみれば最近の映画がどうも軽すぎます(笑)。
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時代背景のご説明には、なるほど、と思いました。 ありがとうございました。
- ismael
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あんまり面白い映画ではなかったというのがリアルタイムでこの作品を見た私の感想です。 アカデミー賞受賞作=名作という公式が成り立たないのはもう常識だと思います。 邦題に関しては、そんなに細かい事気にしない方が精神衛生上良いですよとしか言いようがないです。 余談ですが、昨夜NHK BSの番組に戸田奈津子が出演していましたが、字幕担当者もあんな程度のレベルです(『十戒』がシネマスコープだって)。 レンタル店に有るかどうか解りませんがサミュエル・フラーBOXに入っている傑作『ショック集団』と見比べるとこの作品の弱さが良くわかります。
お礼
ご回答ありがとうございました。
- isoiso0423
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見てからかなり経っているので細かいところは憶えていないことも多いのですが、一言でいうと「人間の自由と尊厳のドラマ」ってことになるのでしょうけど、60年代末のベトナム戦争の激化、それに反対する若い世代たち、またそれを許さない体制、などなどアメリカの社会背景をかなり反映してる作品です。といっても精神病院が舞台なので、直接的にベトナムや反体制的なことが描かれているわけではありませんけど。 原作は「郭公の巣」というタイトルで出版されましたがのちのち「カッコーの巣の上で」に変わりました。直訳すると「一羽がカッコーの巣を飛び立った」となり、これはチーフを指しているわけですが、この一羽はマーフィーともだぶります。「死」で体制社会から抜け出したと解釈してもいいかと思います。ちなみに出典はマザーグースの詩の一説だそうです。 またカッコーは、不思議な生態の鳥で実は巣を持っていません。自分の子供を他の鳥の巣に産みます。でカッコーの方が先に生まれ、本来の巣にいる鳥の卵は木から落として殺してしまい、親鳥はそれを知らず”子殺しであるカッコー”を育てることになるそうです。とうぜん原作者はこの生態を意識してタイトルを付けたのだと思います。 ボク自身も「こうです。ああです。こういう意味です」と断言できないところも多いので、上記のような諸々のことを踏まえつつ、しばらくしてからもう一度ご覧になってはどうでしょうか? 公開時のアカデミー賞ではアルパチーノの主演の「狼たちの午後」と一騎打ちの末、大半の賞をこちらがさらってしまいました。個人的には「狼たちの午後」の方が好きだったんですけど。
お礼
ご回答ありがとうございます。 カッコーの生態は知りませんでした。 また何年か経ったら観てみようと思います。
お礼
サイトのご紹介ありがとうございました。 大変参考になり、頭の中のモヤモヤが晴れた 気がしています。