女性に限らず一般庶民が気軽に旅行ができるようになったのは日本ではここ200年ほどのことです。
江戸時代後期には女性の旅も多くなりましたが、大部分は掛井を目に譲り渡した姑と言うのが多く、あとは嫁入り前の娘が集団で追い狭いlと言うのもありました。現役の主婦の場合は用事があればともかくなかなか気楽に旅に出るというわけにはいきませんでした。
このころにはすでに主要な街道には旅籠も完備されていましたから、今のように列車や車でと言うわけには行かず自分で歩くしかありませんが、まずまずのたびはできました。
裕福な家の女性の旅の場合は(というかきままに旅に出られるのはこういう階層の女性くらい)、下男を連れていますし、雨の場合は早めに宿場についたりして優雅な旅だったようです。
それ以前の時代には、よほどやむをえない事情がある場合を除いて一般の女性が旅に出ることはまずなく、夫や親の転勤についていく程度でした。