ご存知と思いますが、ギリシア語はヨーロッパの言語の中でももっとも古いもののひとつですから、ずっと後の時代にできた他の現代ヨーロッパの言語とはどれも直接に似ていません(というより、現代ヨーロッパの言語の中にギリシア語が入っているのです)。
「カリメラ(こんにちは)」「ヤーサス(元気ですか)」「エフハリスト(ありがとう)」などは「ボンジョルノ」や「メルシー」などと比べると、語の成り立ちからして全然違いますね。ただしトルコ語やイタリア語が「外来語」として多く入っています。
文法は、英語しか知らない人には難しいかもしれませんが、ドイツ語やイタリア語のような動詞の人称変化がある言語に慣れていれば、会話を身につけるのはそれほど大変ではないでしょう。英語で It's a Greek!「わけがわからない」という言い回しがありますが、これは古典語のはなし。現代語の語形変化はかなり単純になっています。
書店にありそうな入門書としては
「語学王 現代ギリシャ語」(三修社 CD付)
「こうすれば話せる現代ギリシア語」(朝日出版社 CD付)
「エクスプレス 現代ギリシア語」(白水社 カセット付)
などがおすすめです。どれも2000~3000円程度です。発音については「リズムがイタリア語に似ている」と言われることがあります。
ところでギリシア文字はお読みになれるのですか?これが最初の関門です。日本人が数学などで見るギリシャ文字の読みは古典ギリシア語や英語風の読み方ですが、現代語の読みは少し違います。これを楽しみながら練習できる本として
福田千津子「現代ギリシア語を書いてみよう読んでみよう」
を紹介しておきます。
辞書は、日本語で引けるものが今のところ一冊しかありません;
川原拓雄「新版 現代ギリシア語辞典」(リーベル出版 14000円←誤植ではない)
しかし英語などヨーロッパの言語が一つでも読めるのであれば、それぞれの言語で安くてよい辞書が手に入ります。一般の洋書店かギリシャ語書籍の専門店
〒170-8360 東京都豊島区東池袋3-1-3 ワールドインポートマート6F
ヘルソネス書房(cherson@olive.ocn.ne.jp)
へ問い合わせてみるとよいでしょう。
異国へ行くのにその土地の言語を身につけていこうという態度は、尊敬に値します。健闘を祈ります。