塩素がイオンになるときには塩化物イオンCl-になるのが普通です。これが希ガスの電子配置を持ち安定だからです。
しかし、HClOがイオンに分かれるとき、形式的にHO-とCl+に分かれます。その理由は酸素の電気陰性度が大きいために酸素上に負電荷が生じた方が全体として安定になるからです。
ここで生じたCl+は、価電子数が6であり、電子が不足しています。したがって、NH2ClのNが持っている孤立電子対にくっついて、アンモニウムイオンのような形になります。
すなわち、Cl+ + NH2Cl → NH2Cl2+になるわけです。
これから、次に陽イオンがとれる場合には、不安定なCl+ではなくH+がとれることになり、ジクロラミン(NHCl2)を生じます。
こうして生じたジクロラミンがクロラミンや水と反応して窒素を生じることになります。
おそらくは、次の段階としては水とジクロラミンの反応が起こり、それがクロラミンと反応しているのだと思われますが、実際問題として、どのように進んでいるかを詳細に説明することは難しいと思います。
流れとしては下式のようになると思います。
NH2Cl + HClO → NHCl2 + H2O
NHCl2 + NH2Cl → N2 + 3HCl
なお、2番目の反応に関しては、
NHCl2 + H2O → NHCl(OH) + HCl
NHCl(OH) → HNO + HCl
HNO + NH2Cl → N2 + HCl + H2O
のように進んでいるのではないかと想像しますが、確認は出来ていません。
ポイントとしては、形式的にCl+が生じることと、ジクロラミンの加水分解が含まれているのであろうということだと思います。
お礼
ありがとうございました!すごく分かりやすいです!