すでに必要な情報は出ているのですが、「語源」の問題は、どこで止めるかというのも意味があります。
質問は、「エクセルシオール」は「どこの国の言葉」というもので、これに素直に答えると、それは「日本語」です、となります。どこの言葉から、この言葉が出て来たのですかという問いなら、それは英語で、恐らくアメリカから来たのではないかとなります。
英語の excelsior が、「エクセルシオール」のような発音をします。意味は、「木毛」「エクセルシオルの名の活字の大きさ」です。英語で、こういう意味です(しかし、「より高い」という意味でも使うようです)。
更に、この英語の言葉の語源はと尋ねると、それはラテン語の excelsior であるとなります。しかし、excelsior は、「エクセルシオール」とは読みません。イギリス式に読むと、「エクスセルシオル」あるいは、「エクスセルシャー」という風になります。近世中世の読みだと、「エクスチェルシオル」です、古典読みだと、「エクスケルシオル」です。
「どこの国の言葉」といえば、恐らくアメリカ。イギリスもそうかも知れないとなります。しかし、ローマ帝国の言葉とは言わないでしょう。
excelsior は、ラテン語では、excelsus, -a, -um という形容詞の比較級形です。excelsus は、単に「高い」ではなく、「卓越している」というような荘厳な意味があります。ラテン語で普通に「高い」は、altus と言います。女性の声の低い方のアルトは、この altus から来ているはずです。低いのに高いとは変ですが、男性の声に比べれば「高い」という意味でしょう。
余談: クリスマスも、まもなくです。クリスマスに歌う聖歌のなかに、「荒野のはてに」という歌があります。あそこで、長い長い、「グロオオオオオオリア……グロオオオオオリア」というのがあります。これは、ラテン語の歌詞で、Gloria in excelsis Deo ! のなかの Gloria の部分を長く歌っているのです。この歌詞は、聖書のなかの有名な言葉から取られています。
これは、普通、「天のいと高きところでは、神に榮光あれ!」と訳します。この「いと高きところ」が、excelsus というか、その中性形の名詞化された単語に当たります。この場合、in excelsis という形は、複数の奪格のはずです。つまり、「いと高きところ」は複数ある訳です。これは、元々の「新約聖書」のギリシア語で複数になっていたので、そのまま複数に訳したのです。……しかし、「よりいと高き州(国)」とは、何かなという気もします。