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領収書を先に発行する行為
同じ内容の質問がありましたが、もう少し突っ込んだ回答を頂きたく。 ●質問されていた内容:「代金の回収は問題なくできると思うのですが、代金をもらう前に“領収書を先に発行する行為”は、法律上なにか問題があるでしょうか?」 ●それに対する回答:法律上問題はない。ただトラブルがおきる原因となりうるので、確認書などを交わすほうがよいのでは? ●今回の質問:領収書を発行する立場からではなく、領収書の発行を依頼するほうではどうなのでしょうか?「先に領収書の発行を依頼する」という行為には、ある程度法的な根拠があるということを聞きました。 いわく、「そもそも手形は、受取側が、支払側へ出向いて受取らなければならないのに、その手間を省くために、手形を送付するのだから、支払側が受取側に対して、領収書を先に発行するよう依頼してもかまわない。」 ということで、質問は下記3点です。 (1)「受取側が、支払側へ出向いて手形を受取らなければならない」というのは正しいのでしょうか。 (2)また、正しいとすればそれはどのような法律を根拠とするものなのでしょうか?単なる商売上の習慣なのでしょうか? (3)このことは手形のみならず、現金、小切手でも同様なのでしょうか? 「財務・会計・経理」で上記の質問をしたところ、「手形法」では記載事項として振出人の住所があり、手形を振り出す場所は通常振出人つまり支払側の会社住所で行うことになるのでその拡大解釈ではないか?という回答を頂きました。 私は法律にはまったく疎いのですが、債権債務という観点から、他に理由があるのではと思い、このカテゴリーに質問させていただきます。 よろしくお願いします。
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質問者が選んだベストアンサー
私の感覚・捉え方と質問者が先に聞かれた所での考え方が全く相反するので、私自身も現実を理解したいと考えています。法律条文に優先する商慣習が浸透しており、そちらを判断基準にされる立場の方に相談されたのではないかという気がしますので、ここで法律的な見地から回答することでかえって混乱するかも知れません。 民法484条及び商法516条には弁済の場所として、特定物引渡しにおいては契約時点でその物の所在地、他の場合は債権者の住所が原則とされています。通常は債権者が取立てをするのでなく、債務者が債権者の所へ出向いて弁済することが予定されています。但し、当事者間でこれと異なる取り決めをすることも可能ですし、商慣習があればそれに従うことになります。 商慣習としては、5・10日単位での集金行為、営業マンによる納入先への様子伺い=債務者の営業状態の把握、定例的な商品の納入に併せて月1回の相手方事務所への顔出しといった要素を含めて、債務者の住所で手形・小切手を受け取ることが一般化したのではないか、と考えます。 支払う側の合理化で銀行振込みとなる場合の送金手数料、手形を書留送付する際の郵送料を代金額面から差し引くことは、この商慣習が前提になった上で、受取側の手間を省いたこと、支払う側としては額面以上の負担をしたくないこと等から許容されていると思います。この点でも民法485条で弁済の費用を債務者負担とする条文と実務との乖離がありますが、商習慣自体が、合理化・効率化・経費節約といった観点から後になって修正されてきたという気がします。 領収書については、民法486条に弁済者の側から受取書を請求をすることができる、との規定があります。ここから考えれば先に領収書を要求する根拠はなく、精々手形交付時に備えて領収書の準備をお願いするくらいが限度ではないでしょうか? 常識的に考えても、現実の支払がない段階で領収書が切られることは想定しがたく、最低でも手形受取時に領収書との同時交換になるという気がします。便宜や相手方への信頼といった要素で領収書を先行させて、後日の払った・払っていないの係争になった場合には領収書発行側は保護されないのでは、という気がしますが、代金支払を受けていないで発行した領収書は無効とできるような商慣習が実在するのでしょうか?
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#2さんの回答ですが、これは手形や小切手などの指図債権書類をもとに、支払を求める場合のことではないでしょうか? すなわち、期限の到来した手形を呈示して現金支払いを受ける場合だと思います。
お礼
ありがとうございます。助かりました。
補足
「期限の到来した手形を呈示して現金支払いを受ける」ということは、現実には「銀行に取立てを依頼して当座に入金される。」ということで行われますので(私の理解は正しい?) あまり考えたことはなかったのですが、そういう法律があるのですね。
- toka
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これは、商法516条2項によります。 指図債権及び無記名債権の弁済は債務者の現時の営業所、若し営業所なきときはその住所に於て之を為すことを要す 債権者債務者の合意があれば、この限りではありませんが、原則はこうです。 手形・小切手も指図債権と言えるので同様です。
お礼
法律用語に慣れなくて、、難しくて理解するのが私にはできませんでした。お答えいただいたのに申し訳ありません。つまりはNo.3の回答者の方のおっしゃることなのですね?ありがとうございます。
民法の規定に「同時履行の抗弁権」と言うのがあります。 すなわち、支払と領収書の発行は同時であるべきと抗弁できるという意味です。 領収書発行を先に依頼する側としては、相手方にこのように抗弁されても文句は言えないということになります。 これは手形、小切手、現金の種類には関係ありません。 また、民法では支払は契約に明記されていない限りは持参払いとなっており、支払人が受取人のところに持って行くということが原則です。 現金でなく手形であっても、支払側が持参です。 そう言う意味では手形の郵送というのは、持参に準じるものとして当然なすべき行為であり、事前に請求書を要求することはあっても、領収書を先んじて要求する根拠にはなりません。 また、手形の振出地というのは、手形を渡す場所ではありません。あくまでも振り出した(発行した)場所です。
お礼
ありがとうございます。明快なお答えを頂きうれしく思います。支払が契約に明記されていない限り持参人払いというのは初めて知りました。勉強になりました。
お礼
ありがとうございます。分かりやすく教えていただき感謝しています。商習慣が必ずしも法律に則ったものではないという事実に若干驚いています。
補足
ありがとうございます。 法律用語になれないので私が通常使う言葉に変えさせてください。 A社(商品を売る、代金を受け取る)=債権者 お客様(商品を買う、代金を支払う)=債務者 法律上、弁済の場所は債権者の住所、その際の費用は債務者負担ということは、つまり、もし、手形で支払うなら、手形の受け渡し場所はA社のある場所で、もし、振込みをするなら振込み手数料はお客様負担ということになります。(ですよね?) これは全く商習慣とは逆で、通常、代金を直接受け取る場合、A社はお客様の会社まで赴き(集金)、振込の場合はほとんど手数料を差し引かれて振込(手数料A社負担)がされます。 私見ですが、合理化、効率化、経費節約ももちろんですが、力関係が大きく影響しているのではないかと思います。 お客様に買っていただく立場上、お客様の要望にこたえなくてはなりません。(もちろん程度ものですが、、)つまりお客様の力の方が上ということになります。 現実に「手形での支払いの場合は、先に領収書を送付してください。」という依頼は、まれですが、あります。そのほとんどは、いわゆる大会社です。 代金の受け渡しよりも先に領収書を送付するという行為は、常識的にいえば考えられないことですが、お客様の依頼で、なおかつ、領収書を送付しなければ手形が送られてこないという現実を考えると、そのお客様とは次回から取引がなくなるかもしれない、というリスクをおかなければ断ることができないのが実情です。 但し、代金回収ができなければ商売をする意味が全くありませんので、相手の会社が個人営業(経理=経営者であるような、、)であればお断りすることになるかと思います。 いままで領収書を送ったのに手形が送られてこないという例は幸いにもありません。(10数年経理をしていますが、)なので、代金支払を受けていないで発行した領収書は無効とにした、ということが商習慣としてあるかどうかは申し訳ありませんが、私には分かりません。 ただ、やはり不安は付きまといます。なので、防衛策として行っていることは、せめて、領収書は配達記録など、発送記録の残る手段を利用する。お客様の、「先に領収書を、、」という依頼は文書で頂く。ということぐらいです。 ちなみに手形を発行する立場であれば、領収書を先に発行してもらえれば事務処理(手形に対する領収書の到着確認、手形額面と領収書金額の突合せ、ファイリング等等、)を考えると非常に便利、ということになります。 要約すると、法律上の根拠はなく、お互いの合理化、効率化、経費節約はもちろん、商売上の力関係が影響している。なのでやむを得ない。ということだということになるのでしょうか。であれば、なにか理不尽な事を強いられているようで、腑に落ちないのですが、まあ、仕方ないのかもしれません。