- ベストアンサー
世界大戦と作曲家
第一次大戦間に書かれた曲で有名なものを教えてほしいのです。そしてそれが大戦とどう意識的にかかわっているか知りたいです。また、大戦間に書かれたにもかかわらず、特に大戦を意識していないものというのも知りたいです。作曲家によって大戦は意味するものが違ったのでしょうね。 思いつくところでは、レスピーギ「ローマの噴水」は1914から16年ですが全く大戦と関係ないと思います。ラヴェルの「クープランの墓」は戦後の作曲だったと思いますが、曲の表題に「誰々への思い出に」というのがついていて、大戦を強く意識しているようです。ドビュッシーの晩年のソナタも「フランスの」というのを強く意識した大戦が生んだ作品なのではないでしょうか。ホルストの「惑星」は第一曲の「火星」が大戦を意識したのかしないのかわかりませんが、全体的には関係のない作品だと思います。 これらのように、意識するしないが作曲家の大戦とのかかわりで違ってきていると思うのです。そういう実例を挙げていただけるとうれしいです。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
こんにちは。 大戦以外にも,ロシア革命などの社会情勢の変化,あるいは,音楽そのものが大きな転機を迎えていた時期とも重なりますので,大戦だけを切り離して考えるのは大変に難しいと思います。 が,この時代の作曲家に好きな人が多いこともあり,興味が湧いたので少し調べてみました。 <多少の関係のありそうな曲> ・ラヴェル「左手のための協奏曲」とプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第4番《左手のための》」は,大戦で右手を失ったピアニストのための曲ですが,ただ,曲の内容そのものは大戦とはあまり関係がなさそうです。(プロコフィエフの方はちょっと自信なしですが) ・イベール「寄港地」は海軍従軍時代に立ち寄った場所の印象をもとに書かれた曲のようですが,これも内容は大戦と関係がなさそうです。 <関係があるかも知れないと個人的に思う曲> 当時の東欧の政情不安は作曲家の作風に影響しているとは思います。 ・コダーイ 無伴奏チェロソナタ ・バルトーク ルーマニア民俗舞曲 ・ヤナーチェク 交響詩「タラス・ブーリバ」 などが当時の作品の中で代表的なものだと思います。 <関係のなさそうな当時の有名曲> ・ホルスト(イギリス)「惑星」 実際には「火星」の作曲は開戦前で,実際の戦争の描写ではなく,作曲家のイマジネーションから産み出されたものです。 ・シベリウス(フィンランド)「交響曲第五番」 大戦中の曲ですが,それとは関係なく,本人の生誕50年を記念して作られました。 ・ファリャ(スペイン)「スペインの庭の夜」「恋は魔術師」「三角帽子」 ・サティ(フランス)「パラード」「スポーツと気晴らし」 ・ラフマニノフ(ロシア)「晩祷」(関係ないとは言えないかもしれませんが) ・プロコフィエフ(ロシア)「交響曲第一番(古典交響曲)」「スキタイ組曲」 スキタイ組曲はかなり荒っぽい作風ですが,これは春の祭典からの影響と考えられているようです。ちなみに,春の祭典は開戦の前年ですね。 ドイツ・オーストリア系では,ヒンデミット,R・シュトラウス,新ウィーン楽派の人々などの創作期に重なりますが,大戦中は作品の数が少ないようです。これも,影響のうちと言えるかもしれません。 以下,私の勝手な想像ですが,今でこそイラク戦争の惨状を戦場から遠い地で嘆くこともできますが,当時まだテレビもラジオもなく,戦争の様子をリアルタイムで実感を持って知る事ができる状況ではなかった事が,戦争に影響された作品が意外と少ない原因のひとつかもしれません。
その他の回答 (3)
- geneticist12
- ベストアンサー率67% (701/1045)
No. 2です >第2次世界大戦がらみの曲はあまりないですねえ 「第一次世界大戦」の間違いです。 第2次世界大戦がらみの曲は多いのに、、、ということを言おうとしていたら、混線しました。 クープランの墓の各曲の表題に付記されているのは、第一次大戦でなくなったラヴェルの6人の友人たちだそうです。
お礼
あそうなんですか。第2次は多いんですね。それも私の無知で分かりませんでした。 ラヴェルは実際兵役についていたことがあるので、そのときの知り合いということかもしれません。
- geneticist12
- ベストアンサー率67% (701/1045)
ヴィラ・ロボスの 交響曲第3番「戦争」、第4番「勝利」、第5番「平和」 の3連作。演奏機会がまれなようで、音源も容易に見つかりません。私自身、未聴です。 第2次世界大戦がらみの曲はあまりないですねえ。それ以前は、俗世間の醜いごたごたは、音楽の美しく高尚な世界に持ち込むべきではないと考えられていたのじゃないでしょうか。
お礼
そんな曲もあるのですね。3曲も交響曲であるのですか。凄い力の入れようです。やはり、第2次になるとまた少なくなるのですね。
- BWV1012
- ベストアンサー率38% (133/347)
ニールセン作曲 交響曲第4番「不滅」 第1次世界大戦と同時に書き進められた曲で、平和への祈り・戦争の苦悩そして「不滅」という言葉に託されたニールセンの熱い想いが込められています。 特にこの曲一番の聴き所であるクライマックスで鳴り響く二人のティンパニー奏者による強烈な音には、警告音や人間の不安な状態、恐怖を覚える音など戦争のすさまじさが表現されており、その後に希望や夢、将来を願う要素も描かれているとのことです。 ニールセンはデンマークの作曲家で、彼の作品の中でもこの曲が一番有名です。
お礼
そんな曲があるのですね。 聞いたことはありますが、デンマークの人なのですか。デンマークはあまり大戦にかかわっていないと思いました。あまり、実体験的でない曲かもしれないです。
お礼
大変詳しいレポートありがとうございました。大きな歴史的出来事だったわりに、あまり作曲には反映されていない感じを受けたのですが、ご指摘の要因も納得いきますね。特にマスコミの発達がまだだったこと、せいぜい新聞の活字でしか戦場の様子は分からなかったことが大きいと思います。実際出征している作曲家でないと、なかなかリアルには感じられないでしょう。 ラヴェルの左手は内容的にどうも大戦のにおいが私はしてしまいます。東欧の作曲家作品は未聴です。 国が結構関係しているのではないでしょうか。 シベリウス(フィンランド)はあまり大戦に関係しない国でした。 ファリャ(スペイン)スペインは中立です。 サティ(フランス)戦争一色の社会情勢にあえて背を向けている皮肉さがあるのではないでしょうか。 ラフマニノフ(ロシア)ロシアは大変な戦禍に見舞われましたけどね。 ドイツオーストリア系の作品が少ないということが影響なのかもしれないですね。