いままでの回答は、望遠鏡の拡大機能装置を述べていましたが、宇宙にある何かで、目に見えないが、その存在が分かるというのは、別の方法があります。
簡単に言えば、物理学的な法則上、色々な観察事実からして、そういうものがないとおかしいという理論的予測に基づいて、存在が予測され、あるいは、存在しないとおかしいので、見えないし、実体を確認していないが、物理法則の歪みの原因として存在するとされるものです。科学の歴史で、このように理論的に予測され、後にその存在が確かめられたものは多数あります。
天文学の分野だと、まず、小惑星というものが、太陽系の惑星の、太陽からの距離と質量の関係を示す或る仮説式から、その存在が予測されたことがあります。望遠鏡の性能が向上し、天の観察が緻密になると、予言通りの天体が、小惑星として発見されたのがその例です。また、天王星、海王星、冥王星は、まだ望遠鏡で観察できなかった時、太陽系の惑星の運動を調べると、何か、重量ある天体が存在して、その重力作用があると考えないと説明できない、惑星運動の軌道誤差から、逆に、この方向に、これぐらいの質量の未知の惑星があるだろうという理論予測に基づいて探すと発見されたものです。(また、恒星で連星系を造る場合、一方の小さい星は暗すぎて見えず、観察されないことがありますが、重力運動からして、存在すると分かることがあります)。
またブラックホールは、目に見えませんが、ブラックホールが存在しないと、恒星の運動が説明がつかないことから理論的予測されています。銀河中心の巨大ブラックホールも、目で見える訳ではありませんが、銀河の中心部の密度や、恒星の運動からすると、中心に驚くべき質量のブラックホールがあると確認されたことです。あるいは「ダークマター」という物質は見つかっていませんが、宇宙の重力的バランスを説明しようとすると、このような隠れた物質が存在するはずだということで、理論的に予言されているものです。その候補は幾つか考えられていますが、現在はまだ分かっていません。
お礼
ありがとうございます。装置を使う以外に、理論的に知ることもできるんですね。大変興味深いです。