No.1です。
>さまざまな物理的性質をもつ空間
真空の物理的性質は、空間の各点に属性があると考えればいいと思います。電磁場、重力ポテンシャル、これらを含むエネルギー密度などです。
たとえば、地表から物体を持ち上げるにはエネルギーが必要です。このとき消費されたエネルギーはどこへ行ったのでしょうか?物体や地球の構造・組成そのものは変化していませんので、その中にエネルギーが蓄えられているわけではありません。このエネルギーは、地球と物体の間の真空に蓄えられています。
引き合っている磁石と磁石を引き離すときも同様です。
乾電池に豆電球をつなぐと点灯します。乾電池から豆電球にはエネルギーが移動しているのですが、そのエネルギーは電線の中ではなく、電線の周りの真空を流れています。
>真空とは何もない空間ではありませんか?
物質は無くても、性質はあるということです。もう少しいえば、物質の性質は、真空の性質と深い関係があります。たとえば、鉄のかたまりを手で触るとき、手は鉄の中にもぐりこめないので、そこに物があると感じます。なぜ、手は鉄の中にもぐりこめないのでしょうか?それは、手を構成している素粒子と、鉄を構成している素粒子の間の電気的な反発です。この電気的な反発を伝えているのは真空です。物質がある、と感じられること自体が、真空の性質です。
>電磁場の変化が波動として伝わるということが
マクスウェルの方程式から示せるのですが、ここでは簡略化して示します。
地上から鉛直上方向に伝わる電磁波を考えます。空間座標は、鉛直上方向x、東方向をy、北方向をzとします。時間をtとします。電場Eはy方向、磁場Hはz方向とします。
電場、磁場は、水平方向には均一とします。
∂は偏微分の記号で、ある変数を固定して別の変数で微分することを表わします。
たとえば、Hはxとtの両方に依存しますが、∂H/∂xは、tを固定してxで微分することを意味します。
アンペール・マクスウェルの法則により、電場の時間変化と磁場の空間変化は比例します。
∂H/∂x = -ε。∂E/∂t
ファラデーの電磁誘導の法則により、電場の空間変化と磁場の時間変化は比例します。
∂E/∂x = -μ。∂H/∂t
定数のε。は真空の誘電率、μ。は真空の透磁率と呼ばれています。
上の式をxで微分し、下の式をtで微分すると(xとtの微分の順序は交換できます)、
∂^2H/∂x^2 = -ε。∂^2E/(∂t ∂x)
∂^2E/(∂t ∂x) = -μ。∂^2H/∂t^2
下の式を上の式に代入すると、
∂^2H/∂x^2 = ε。μ。∂^2H/∂t^2 [ア]
式[ア]は波動を表わすのですが、簡単に確かめてみます。
H = A sin 2π(ft - x/λ) [イ]
これは、x方向に伝わる振動数f, 波長λ, 振幅A の波動の式です。これを[ア]に代入します。
[イ]を、tを固定してxで2回微分:
∂^2H/∂x^2 = -A ((2π)^2 /λ^2)sin 2π(ft - x/λ)
[イ]を、xを固定してtで2回微分:
∂^2H/∂t^2 = -A ((2π)^2 f^2)sin 2π(ft - x/λ)
これらを[ア]に代入しますと、
ε。μ。= 1/(fλ)^2
が成立するとき、[ア]が成立することがわかります。
fλは波の速さですので(No.1参照)、
fλ=1/√(ε。μ。)
すなわち、[ア]は上の式で表される速さで伝わる波を表わします。ε。,μ。の値を入れると、fλは光速として知られている値に一致します。これは、光が電磁波である有力な証拠とされたものです。
上の計算でもわかるように、中学生ではちょっと無理です。高校生で、三角関数の微分計算を学んだ人なら、なんとか理解できるでしょう。
よくわからないときは補足してください。
本格的に知りたい場合は、電磁気学の入門書を読めば、詳しく説明されています。
補足
真空は何もない空間ではなく、さまざまな物理的性質をもつ空間です。電磁場は、真空が持っている性質です。電磁場の変化は波動として伝わりますが、これが電磁波です。 ということですが、さまざまな物理的性質をもつ空間というところが分かりません。 また、電磁場は真空の持つ性質であるということですが、真空とは何もない空間ではありませんか? 電磁場の変化が波動として伝わるということが、いま一良く理解できません。 分かりやすい説明はないでしょうか?