国公立大学で大学院生の指導をしておりました。アメリカ在住でこちらで働いております。医学系の場合、まずは数式抜きにきちんとした適応と結果の解釈が第一目標になるのではないでしょうか。
1.まずは独立した他群間の差の検定であることはご理解しているでしょうか?
分からない場合は、解説本に当たった方がよろしいかと思います。私は4Steps エクセル統計(オーエムエス出版)が分かりやすいかと思います。Mac,Windows上のエクセルでいろいろと検定できるソフトも付いております。
例題:ヒト、ウサギ、ウシの酵素Aの活性に差があるかどうか調べなさい。
回答:One-factor ANOVAを使用して、「差はない」を棄却することか出来るかどうかを調べます。
回答は「ヒト、ウサギ、ウシの間に差はある」「ヒト、ウサギ、ウシの間に差はない」のどちらかになります。ここで差がない、となると終了です。群間に差がある、となると次の検定が必要です。ファクターによってはTwo-factor ANOVAを使用しますが、ここでは割愛します。
2.上記でお分かりのように、疾患のANOVAはそれに続く群間比較のFisher's PLSDかTurkeyを使う必要があると思います。
これは「ヒト」「ウサギ」「ウシ」のそれぞれの間で差があるかどうかを調べるものです。
「ヒト」VS「ウサギ」
「ヒト」VS「ウシ」
「ウサギ」VS「ウシ」
の検討をするものです。簡単に言うとp値がそれぞれ出てきます。
たいていの医学系の論文ははこれが必要になると思いますが、Student's t-test, Mann-Whitney's U testを各群で繰り返し使って検定している「悪い間違った検定」がはびこっています。間違っていることすら知らないことも多いようです。
3.私も独学で統計をやりました。ひとつは本を読むことです。入門書としては、ブルーバックスの生物学の考える技術、現代統計学小事典ぐらいから入って、その先には、医学生物学統計の本で、かならずANOVAやFisher's PLSDかTurkey法という用語が入っているものを選びましょう。ANOVAやFisher's PLSDかTurkey法はいささか統計学的にも「マニアな」雰囲気がありますから。StatView多変量解析入門と言う本もありますが、現在手元にないので(日本においてきました)内容は失念いたしました。済みません。
あとは、類似の論文をチェックすることです。それによって要求されるレヴェルなどがいろいろと分かると思います。
では。
お礼
juns777さんこんばんは、丁寧なご回答をありがとうございます! お礼が大変遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。 具体的な例を示していただいたので、イメージしやすく、とても分かりやすかったです。 差があるかを検定してからP値を出すのですね…「有意差があるかを調べる」としか把握していなかったので、もっと詳しく調べていこうと思います。 研究室にあった統計の本などを参考にしつつ勉強して、こちらで質問した当初よりも大分基礎が分かってきました。 けれどまだまだ勉強不足ですし、これから実際に統計を進めていく上できっと疑問な点が出てくることもあると思いますので、その折には、是非ともまたご教授いただければ幸いです。