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惑星探査機と地上との通信

惑星探査機と地上との通信について、 一般的議論でも、ボイジャー/はやぶさ/ガリレオ等の具体例でもよろしいですが、次のようなことに関しましてご教示いただきたればと思います。 ・遠い遠い探査機から届いた電波の電磁界強度は地上の雑音レベルよりはるかに下のような気がしてならないのですが(違いますでしょうか?)、それでどうやって通信できているんだろう?(これがそもそもの疑問です。) (以下はもし具体例がありましたら) ・電波は地上に届いたとき具体的にどの程度の電磁界強度? ・そしてその周波数帯の雑音電磁界強度はどの程度? ・信号雑音比からして、通信情報量は毎秒どのくらい?

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  • xcrOSgS2wY
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回答No.1

専門家ではありませんが、分かる範囲を。 まず探査機からの電波を雑音と弁別するための方策として、あまり話題になりませんが。法制度による制限があります。国際的な枠組みにより、宇宙探査機が使用している周波数帯は宇宙開発用として割り当てが制限されています。ですので、商用の強力な電波放射(ラジオ放送や通信等)が同じ周波数帯で行われることはありません。地味な制限ですが、これが他のどんなテクニックより効いているのではないかと、個人的には思っています。 この他アンテナの最適化(指向性による雑音の排除とアンテナゲインによる受信信号の強化)があり、また雑音の混入と受信信号の損失を最小限にするためのアンプ・シールド・機械的接続の最適化があるでしょう。地上の雑音は主に地上から発生するため、シールドが完全であれば、上空に向けたアンテナには散乱や(飛行機等による)反射によるものと人工衛星が発する雑音しか、人工の雑音は入らないことになります。 http://yarchive.net/space/spacecraft/voyager_datalink_numbers.html にボイジャー2が海王星付近にあるときの受信電力の計算がありますが、アンテナゲインを掛けても-170.88dBWだそうです。途方もなく小さい数字ですが、受信感度を制限する雑音密度も-200dBW以下と、これまた(普通の商用受信機と比較すれば)途方もなく低ノイズなので、21.6kbpsという高ビットレートでも検波可能なのでしょう。 なお、このページの中で「a very steep "wall" or threshold just below 3 dB」とあるのは、こういうことだと思われます。 ボイジャー2からの信号にはエラー訂正符号が使われています。エラー訂正符号を使用する目的は当然、受信したデータに含まれるエラーを訂正するためですが、受信したデータのビットエラー率がある程度より低くないと有効に働きません。その「ある程度」を超えるとエラーを訂正できる割合が急激に悪化します。 そのことをvery steep "wall"と表現し、その「ある程度」のビットエラー率になるのがEb/N0 ratioが3dBを切るあたりだと言っているのでしょう。

imoriimori
質問者

お礼

地上の汚い電磁界の影響をどう逃げるのだと思っていたのですが、なるほど。ありがとうございます。 「法制度による制限」これがあるとは。これは効きますよね。これがなければ高指向性の巨大アンテナで受信するといえども人工雑音も混入せざるを得ないでしょうが、人工雑音は概ね回避できているということですね。 ご紹介のURLでも雑音は宇宙雑音(というのかどうか)だけで計算してるようですし。 21.6kbpsというのは、漠然と想像していたのよりは高ビットレートです。SNRも10dBや20dBくらいはあるんじゃないかと想像していましたが、3dBをちょっと超える程度のSNRでやれるとは。エラー訂正ってずいぶん強靱なんですね。

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その他の回答 (1)

  • mmky
  • ベストアンサー率28% (681/2420)
回答No.2

デジタル信号列を複数回(n回)送信して、受信機側で加算すれば、信号(S)は、n*Sところが雑音(N)はランダムだから√(n*N)、これでS/N 比は√n 倍改善されるのですね。静止画なんかは、そのようにして送信するのですね。受信アンテナの直径は物理的にそんなに大きく出来ないので、等価指向性利得を上げるために、距離を離した複数アンテナのダイバーシィテイ方式で受信するのですね。

imoriimori
質問者

お礼

「√n 倍改善」は想像していましたが、だからきっと超超スローな通信だろうと思っていました。#1様のURLによると21.6kbpsだそうで、たいしたものです。 「距離を離した複数アンテナ」は、電波望遠鏡の方向分解能を上げる技術という理解をしていましたが、指向性が上がるのだからアンテナゲインを上げる技術でもあるというわけですね。なるほど。。

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