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青いバラを作るのが難しいのはなぜですか?
青いバラを作るのは難しいそうです。 下記URLによれば青いバラを作ったそうですが、青色に見えません。 http://www.suntory.co.jp/company/research/blue-rose/ ところで青というのは自然によく見られる色で、花の色でも珍しくありません。 どうしてバラに関しては、青が出ないのでしょうか? また金魚でも青を出すのは難しいと聞いた記憶があります。 どなたかよろしくお願いします。
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ごきげんよう。 花の色は色素分子だけでなく、発色を助ける分子や金属イオン、それに特有の構造を作り出す細胞内の環境(pHなど)が適切な条件になって、初めて私達が目にする色を作り出しています。 バラが青くならないことに関する、今のところ判明している主な要因は、 ■青色を発色する色素「アントシアニン」の中の発色団「デルフィニジン」が含まれていない ■花弁の細胞の水素イオン濃度(pH)が4以下と酸性 ■赤や黄の色素が混じっていると青くはならない 赤から紫、青色までのほとんどの花の色は、「アントシアニン」と呼ばれる色素によって発色しています。花の色を決める要因にはいくつかありますが、その重要な一つに、色素の発色団の化学構造があります。発色団は自然界に数種しかなく、「ベラルゴニジン」「シアニジン」「デルフィニジン」の3つが代表的なものです。それぞれ、主として赤色、紫色、青色の花色を担います。ほとんどの青色の花色素の発色団はデルフィニジンですが、バラはデルフィニジンを作りだす酵素遺伝子を持っていません。 花の色は、花弁細胞の水素イオン濃度(pH)にも大きく影響を受けます。アントシアニンは酸性で赤色、中性で紫色、アルカリ性で青色に変化します。さらに、マグネシウム、鉄、アルミニウムといった金属イオンが発色団と錯体形成しても青くなります。バラの花弁細胞のpHは4以下と酸性なのです。 現在でも全容解明とまではいきませんが、デルフィニジンの構造をはじめ、青色の花のメカニズムがだいぶ研究され、さまざまな条件をクリアして青色となることが分かってきました。詳細は以下のURLをどうぞ。 http://www.horcul.com/search/html/jyousetu/blue/ http://www.bioportal.jp/columns/13/13blue-rose.html 青い色を持つ花は自然界では小数派であり、その仕組みも一様ではありません。またアジサイのように、同じ植物でも植えられている土壌の違い(pHやアルミニウム成分の量)によって、花の色が変わる例もあります。完全に「青いバラ」を実現するにはもう少しかかりそうです。 ちなみに金魚の場合も、青色を発色する遺伝子がないのだそうです。 「グッピーの場合、赤と黄色の色素を抑制することで青を発色させている。 金魚も黄色抜け、赤抜けの突然変異個体を選んで、 複色性の金魚と交配すれば、青(=メラニン)色素だけが残せるはず。」 という考えを読んだのですが、 赤系因子と黄色系因子が『全部』やられている動物を探して…というのは、 発色に関係する因子が多すぎるので大変なのではないかということです。
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- Tacosan
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後半だけ: もともと脊椎動物は青色の色素を持たず, 青く見えるのは光の加減であると聞いたことがあります.
- bullfrog
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バラの花びらの細胞は、比較的酸性なのだそうです。それに対して、花の青色色素はアルカリ性であればあるほどきれいな青になります。そのため、バラの細胞内をアルカリ性にしなければ、美しい青にはなりません。 サントリーのバラは青色色素が多いそうなので、今後細胞内をアルカリ性にすることができれば、美しい青色を実現できるでしょう。
- methyl
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バラはもともと青い色素を持っていないため、バラ同士の掛け合わせなどでは青を作り出すことができないためです。 サントリーの開発した青いバラはパンジーの青色を呈色する遺伝子を導入しています。確かになかなか微妙な色合いですが、一応安定な株を作れたことと、完璧な物を目指して他のグループに先に発表されてしまうのを回避するためなどが原因でしょうね.
- mio_design
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遺伝子的な問題でしょう。青色を出すための青色色素の遺伝子をバラ自身が持っていないので、どんなに掛け合わせても青色は再現できないということです。ブルーローズと言えば、不可能の代名詞ですから。 青色の花は交配を行う虫などが青い花を見る事ができるからです。動けない植物は動物や昆虫によって交配を行います。その目印として花を咲かせています。バラは青色の花を咲かせる必要がなかったのでしょう。 サントリーが成功したのは、バイオテクノロジーを使って、青色の色素を持つ花から青色の色素を取り出しバラに組み込んで、青の色素をバラに発現させる事に成功した世界初のバラという事です。ただし、自然界には存在しない生物です。人間の技術で自然界の法則を無視して作ったものなので、現在でも、自然界とは隔離された管理されたエリア内で栽培しているにすぎません。どんな影響を自然界に与えるか想像できないからです。