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蛍光について
最近になって蛍光の勉強を始めたんですが、分からないことばかりです。。 吸収波長に比べて、蛍光が長波長側に移動するのはなぜなんですか? なぜフランク・コンドンの原理が生まれたの? と疑問ばかりです。 よい参考書があれば紹介して欲しいんですが。。。
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>吸収波長に比べて、蛍光が長波長側に移動するのはなぜなんですか? 長波長の光程エネルギーが小さいことはわかりますね?つまり、質問は、「吸収する光のエネルギーよりも発光する光のエネルギーの方が小さいのはなぜか?」と言い換えられます。その失われたエネルギーは分子の振動エネルギーに変換されています。つまり、熱エネルギーです。この過程を無放射遷移と呼びます。 具体的には、分子に吸収された光エネルギーの一部が、励起子た分子の熱運動や溶媒分子との衝突によって、急速に(=発光して基底状態に戻る前に)失われるからです。 >なぜフランク・コンドンの原理が生まれたの? 質問の意図がわかりかねるのですが、この原理を思いつくに至った経緯が知りたいのでしょうか?それとも、この原理自体がわからないのでしょか? 原理の説明だとすると、光の吸収過程に要する時間(凡そ10^(-15)秒オーダー)スケールでは重い原子(厳密には原子核)の空間座標は変化しないと考えられるからです。 >よい参考書があれば紹介して欲しいんですが 蛍光測定(発光スペクトル)に関しては、絶版書ばっかりでなかなか良い本が手に入らないのですが、今容易に手に入る日本語の手ごろな値段の書籍を一冊上げておきますと、 ・日本分光学会 測定法シリーズ3 蛍光測定 生物科学への応用 木下一彦・御橋廣眞 編 学会出版センター 3900円 生物科学への応用と書いてありますが、蛍光の原理から測定方法まで詳しく書いてあるので、どちらかというと化学の学生向きだと思います。 尚、書名の「蛍光」の「蛍」の字は実際の書籍では旧字体になっています。
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最近専門家から経験者に格下げになりました。ってまだ現職だけど、量子屋さんじゃ無いモンね。 >>吸収波長に比べて、蛍光が長波長側に移動するのはなぜなんですか? 「エネルギー保存則のためです」(爆)は置いといて。 フランクコンドン効果と関連しますが、通常(っていうか必ずかも)電子基底-振動基底状態から電子励起-振動基底状態への遷移は「forbidden」なので吸光では電子励起状態の振動励起状態へと遷移が起きます。するとエネルギーは基底-基底よりもたくさん必要です。だから吸収はどうしても短波長側になります。 一方蛍光の場合、全く同じで電子励起-振動基底から電子基底-振動基底状態への遷移が[forbidden]なので、発光は電子基底-振動励起状態へ起こるしかないのです。 するとエネルギー差は小さくなりますから長波長側にずれることになります。 吸光と発光は時として仮想的な「基底-基底」励起/発光エネルギーを中心として左右対称(横軸は何だ?というつっこみは入れないこと)に見えたりしますが、それは振動構造が電子基底と電子励起の状態で似たようなところに振動励起レベルがあるという「偶然(かよ)」の産物です。 >>なぜフランク・コンドンの原理が生まれたの? 電子基底状態と電子遷移状態とは分子構造が違います。また考え方としては最近はいざ知らず昔は核の振動まで遷移中に考える必要は無い、考えたってどうせ「解けないし」なので、ボルン-オッペンハイマー近似から来たと考えるのはいかがでしょう。 最近は「原理」からはずれた面白い現象があるようですね。楽しいな。 なお既に参考書の例示があるようなので、講義録だけ添付しました。
お礼
ありがとうございました^^ お互い頑張りましょう!!
お礼
すばやい回答感謝してます^^ 頑張ります!!