戦前は,天皇崇拝,家父長制を基盤とした「家制度」が家族をある枠にはめ込んでいて,この頃は拡大家族が多かったです.この家制度は戦後には民法により廃止されました.絶対に家族が介護しなければならないというわけでもなく,祖父母は夫婦だけで暮らすことも多く,在宅の高齢者看護の問題や老人ホーム生活をする祖父母の方々もいます.女性が働きつづけることもあって,女性で一人暮らしもいます.また,女性の社会進出や子どもにかかる費用の増加(教育費など)などもあって兄弟や姉妹の数も減り,一人っ子の子どもも多くなりました.両親が共働きであれば,家に帰ると誰もいないという日々を送る子どももいるかもしれません.または親が離婚してしまい,両親が揃わず片親と子どもの家庭もあります.現代の家族形態は個人のプライベートが保護され,個人の権利が尊重されているという感じもあって,核家族や単独世帯が多いのかもしれません。そこにメリットはありますが,人間関係の希薄や家族機能の衰退といった問題が深刻化している気がします.