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VVVFインバータ
VVVFインバータ車に乗っていて気づくのですが、加速するときになぜあんな甲高い音がするんですか?以前の車両は純粋なモーター音だったと思うんですが・・・
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●直流モーターと交流の誘導モーター 昔の電車は直流直巻モーター使っていました。 直流モーターは、制御が比較的簡単で、始動時に 大きなトルクを出すことができるのですが、 モーター内部にブラシと呼ばれる回転に応じたスイッチ があり必要です。このブラシがあるために、直流モーターは 大きく重くなりがちで、メンテナンス上も問題がありました。 そこでもっと簡単な構造の誘導モーターが使われているのが 最近の電車です。誘導モーターで電車を動かすには、交流、 しかも速度に応じて周波数が変化する交流が必要なのです。 昔の技術ではできなかったのですが、最近の電子技術の 向上で、これが可能になりました。これがVVVF(可変電圧 可変周波数)制御です。 ●VVVF制御とPWM制御 さて、VVVF制御では、電車の速度に応じて、交流の 波を作ります。遅いときは波長の長い波、速度が上がると 波長の短い波をモーターに送ります。 しかし、実際はきれいな波を送っているのではなく、 スイッチを細かくON/OFFをしながら作っています。 5回のうち1回だけONにすれば、見かけ上5分の1の電圧 が得られ、3回のうち1回だけONにすれば3分の1の電圧 が得られます。 これらを組み合わせて、一定の波形を作っています。 これをPWM制御(パルス幅制御)と言います。 (参考URLの下の方、PWM制御の図をご覧ください) ●音の原因 インバータ電車が登場した頃の制御器は、スイッチの オンオフを行う速度が比較的低いものでした。 スイッチの速度が速ければ、あまり問題はないのですが、 速度が低いと、回転に応じてスイッチのパターンを 変える必要がありました。 たとえば、速度が上がるにつれ 21回 → 15回 → 11回 → 9回 → 5回 というような具合です。 このパターンの変化が、あたかもギアチェンジをしているかの ような音の原因です。 さて、最近のインバータ機器はスイッチング性能が向上し、 昔ほど違和感のある音がしなくなりましたね。
お礼
こんなに詳しく教えていただき、ありがとうございました。鉄道の知識がまた増えたのでうれしいです。