はじめまして。ほとんど前の方々の仰る通りです。証拠とひとことに言っても、「私が殺しました」という自白、殺人現場に残された指紋、殺人の瞬間を撮影した写真または証人の証言、などなどいろいろな証拠があります。その中で状況証拠というのは、一応は犯罪を推定させる状況を形成している証拠を言います。ですから、殺人現場に残された指紋や遺留品などは状況証拠にあたりますが、その証拠だけでは犯人を特定するにはちょっと弱すぎます。だって私達の指紋や持ち物等は犯罪以外の理由でもあちらこちらに残っている可能性があるからです。
例えばある殺人事件現場に、太郎君のナイフが血まみれになって落ちていて、太郎君の指紋がべたべた付いていたとしても、実はそれは太郎君が事件の数日前に盗まれたものかも知れませんね。やはりもっと動機とかアリバイとか証人といった決定的な証拠がなければ、なかなか太郎君を犯人だとすることは出来ないのです。テレビドラマの刑事が「状況証拠だけで逮捕するのは難しいなあ」というのはこの意味です。
つまり、決定的な動かぬ証拠を直接証拠といい、一応犯罪に何らかの関与が推定できるが、状況から推定できるだけに過ぎない証拠を状況証拠と呼んでいるようです。