60年代後半~80年代前半の日本のSF短編小説で「JCIA」ってのありませんでしたか?
誰が書いたのかも、どの短編集に収録されているのかも、また、小説のタイトルさえも正確には覚えていないのですが、小松左京、筒井康隆、平井和正、半村良あたりの日本のSF作家が60年代後半~80年代前半に書いたスラップスティック・コメディ系の短編小説だと思います。20年以上前に読んだ話なのでウロ覚えな部分もあるかとは思いますが、あらすじは大体次の通りでした。
日本には「JCIA」という一般国民には存在が知られていない秘密の諜報機関があり、そこに所属するスパイのひとりが組織の存在を公にしたい誘惑に駆られる。そこでとあるSF作家に近づき、飲み屋か何かで組織のことを打ち明け、それをネタに小説を書くよう勧める。「デタラメ」な小説を書くことで知られるそのSF作家なら、JCIAのことを小説にしても誰も本気にはしないだろうし、一方、自分は組織のことを告白することによって最悪感(?)がいくらかでも薄まるという寸法である。話を聞いたSF作家はその男が本物のスパイなのかどうか迷うが、男はスパイでなければやって退けられないようなこと(自宅の書斎の上の原稿用紙に何か書き置きを残した)をして自分が本物のスパイであることを証明する……。
なんてことのない話なんですが、妙に頭に残っていて、この20年、思い出しては探し続けています。そして探しても見つからなければ見つからないほど、読みたいと思う欲求は強まるばかりなのです。
ちなみにネットで検索すると平井和正の「人狼戦線-アダルト・ウルフガイ・シリーズ(4)」の中に「JCIA」って章がありますが、コレは違います。
どなたか70年代前後の日本SF小説に詳しい方で上記のような話をご存知の方いらっしゃいませんでしょうか? ストーリーを思い出すたび、まさに「小骨が咽にひっかかった」感じになって気持ちが悪いのです。
宜しくお願いいたします。
お礼
ありがとうございます。「ウルフランド」の一編だったんですね。盲点でした。角川文庫の『ウルフランド』に収録されているようなので、「あいつと私」読んでみます。