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化学反応式の謎
化学反応式でこのようなものがありますよね。 (1)2KI+Cl2→2KCl+I2 ふと思ったのですが、 (2)2KCl+I2→2KI+Cl2 って反応もあってもいいと思うのですが、 (1)も(2)もある時は、矢印が両方向にありますよね。 この(1)の反応式は右方向にしか矢印はありませんから、反応は一方の方向だけですよね。 なぜ、(2)の反応は起こらないのでしょうか。 金属等ではイオン化傾向の違いがありますが、この場合はどういう兼ね合いで反応しているのでしょうか。仕組みを教えてください。
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>>金属等ではイオン化傾向の違いがありますが、この場合はどういう兼ね合いで反応しているのでしょうか。仕組みを教えてください。 1.まず定性的に「イオン化傾向」と同じ考え方でライナス・ポーリング先生が考えた「電気陰性度」があります。ここに示すのはもっとも最初のバージョンで、LiからFまでが0.5ずつ変わる「覚え易いヤツ」(最終版やマリケンのヤツは覚えにくい)、兵庫県立大学URL: http://www.shse.u-hyogo.ac.jp/kumagai/eac/chem/lec6-2.html Clは3.0、Iは2.5、水素が2.1、炭素が2.5ですからClの方が陰性で陰イオンとして安定。 2.他方、定量的な値として電気化学的にAgXの還元反応では、(理科年表、標準電極電位) AgI + e- → Ag + I- -0.152V (vs.HSE) AgCl + e- → Ag + Cl- +0.222V (〃) で熱力学的にCl-の方がI-より安定だと言えます。(値が大きいほど還元されやすい≡電子を受け取りやすい≡酸化能力が高い) KIやKClはK+とI-あるいはCl-の溶液なので(固体vs気体でも反応は起こる)I-とCl-ではCl-がエネルギー的に有利。 3.基本的にはこの反応は可逆です。しかしKI水溶液中でI-とI2は実際はI3(1-)[時にI(2n+1)(1-)と言う化け物に]なって非常に安定です。そのため(1)の反応で塩素を定量出来ます。(なお最近Brでも直線分子やイオンが頻繁に見つかるようになった) 一方「開放系」ではヨウ素I2より塩素Cl2の「分圧」が高く、系から「逃れ出る」ためヨウ素が多いと(2)の反応が進んで、塩素を追い出してしまいます。 「閉鎖系」であれば、両方の反応が同時に同じ量起こる「平衡状態」となります。
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- p3t6j79fye
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高校の無機化学の授業でハロゲンの反応性の強さというのを習うと思います。先生に聞いてみてはいかがでしょう。
- zairyouya
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(1)式の平衡定数を計算したところ logK(1)=10385(1/T) - 5.0714 (Tはケルビン)となり 1710Kで平衡定数K(1)が1になります。つまりこの温度以上で(2)の方向の反応が安定な状態となります。つまりどちらの反応式を書いても何も問題はありません。ただ平衡していると考えるならイコールを用いるほうがいい気がします。どの反応式が正しいと考えるよりとりあえず式を考え、平衡定数を考えあ、こっちの化合物のほうが安定なんだと考えたほうがとっつき安いですよ。長々すんません。
- tammf
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どうやら陰イオンにもイオン化傾向があるようで、その順番からしますと、IよりもClのほうがイオン化しやすいようです。陽イオンは学校で習った記憶があるのですが、確かに陰イオンは習った記憶がないです。