物体が抵抗のある物質の中を移動するとき、抵抗が生じて(抵抗のある物体の中を物質が移動するとき振動が生じます)、そのエネルギーから『音』が発生します。この音は、物質の中を移動する物体の速度が速くなるにつれて、次々と連続して生み出されるため、音が高くなります(音は波なので、波と次の波の間隔が狭いとエネルギーが高い(振動回数が多い)、つまり高い音として聞こえます)。
これは、救急車が自分に対して近づくとき(音源が自分に近づく=波の間隔が狭くなる=高く聞こえる)と遠ざかるとき(音源が自分から遠ざかる=波の間隔が広くなる=低く聞こえる)に音の高さの違いを感じるドップラー効果で体験できます。
このとき、音の波よりも物体が早く動くと、波は生み出されたときすでに速度の限界にあるため、次の波が生み出されたときもその物体の表面にとどまっており、次の波との間隔は0になってしまいます。この、連続で生み出された音の波の『壁』が衝撃波と言うようです。
衝撃波は生み出した物体の表面を伝って速度に応じた角度で斜め後方に放出されます。元は音なので、衝撃波を生み出す物体の速度が速ければ速いほど、衝撃波は後方に放出されます(音の速度が限界なので)。つまり、衝撃波が出る角度が小さくなります。その分、エネルギーがより増えます。
そして、衝撃波を生み出す物体が早すぎると、衝撃波が発生する角度が小さくなりすぎて、その物体自身に衝撃波を浴びせてしまいます。強度が不十分ならその物体自身が壊れてしまいます。強度が十分でも、衝撃波が当たったところはエネルギーを一部吸収して熱となり、熱が十分に高くなれば解けてしまうということになるようです。
宇宙から帰還するスペースシャトルがあのような形なのは、衝撃波が自分自身に当たっても、そのエネルギーができるだけ反射され、吸収しにくいように設計されているからだそうです。また、船体に耐熱素材を使って吸収してしまった熱にも耐えられるようようにしてあるそうです。
もちろん、音速を超えた速度で大気圏に突入すると、衝撃波は発生します。
古い映画ですが、『ライト・スタッフ』という映画がありますが、この冒頭で音速を超えたいパイロットたちの奮闘が描かれています。また、『アポロ13』という映画のラストでは、突入角度が深すぎると、宇宙船が燃え尽きてしまうという心配が出てくるのですが、これは速度が速くなりすぎるため、衝撃波の出す熱に船体が耐えられないということですね。ほかにも、隕石の映画とかあったような気がするのですが、観ていないので申し訳ないです。
お礼
視覚的に説明していただけたのでだんだんわかってきました。どうもありがとうございました。