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新株予約権と第三者割当増資
たしか古い会社法には新株予約権はなかったはずです。今回のニッポン放送株争奪戦で一躍脚光を浴びましたが、実は3年ほど前、西友がウォルマートに対して発行したと記憶しています。私が会社法を学んでいた頃は、転換社債(CB)と新株引受権付社債(ワラント債)の二本立てでした。そこで質問なのですが、 (1)新株予約権はCBとワラント債が合体してできたものなのでしょうか?また仮にそうだとしたら、それはどういう理由と経緯でそうなったのでしょうか? (2)新株予約権の行使はあくまでもオプションであり、行使してもいいし、しなくてもいい、それはあくまで新株予約権を持っている者の自由だと考えているのですが、この認識は正しいでしょうか?ですから、フジテレビが新株予約権を持っていても、それを行使しないこともあり得る(現実問題は抜きにして)と思うのですが…。 (3)通常の新株の第三者割当による増資と新株予約権の発行とは異なるのでしょうか?仮に(2)の前提が正しいとすれば、前者は有無を言わさず増資分の新株を引受け、払込をしなければならないのに対し、後者はオプションの付与ということになるのでしょうか?それともこれは誤った認識なのでしょうか?もし誤っているとしたら、その違いはどこにあるのでしょうか?
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2002年4月に商法が改正され、転換社債(CB)と新株引受権付社債(WB、ワラント債)がなくなり、新株予約権付社債となり、新株予約権が単独で発行できるようになりました。 (1)ですが、 私は法律の専門家ではないので実務上の平易な表現になりますが、 CBとWBの違いは、権利部分が分離できるかどうか、という点だけでした。権利を分離する必要がない場合にはCBを発行し、分離する必要がある場合にはWBを発行していました。 細かい話になりますが、未上場企業の資本政策において、以前はWBを多用しておりました。オーナー(兼社長)の持株比率維持を目的として予め大量の株式を保有してもらいたいが、当座の資金がなく払い込みができない場合に、新株を安い価格で購入できる権利のみを付与しておいて、後で資金の都合がついたときに払い込んでもらう、というやり方を多くの企業にVC(ベンチャーキャピタル)が提案しました。 このとき、旧商法下では新株予約権のみの発行ができなかったため、一旦新株引受権付社債を発行し、権利と社債を分離して権利だけをオーナーに譲渡する(残った社債は即時償還していました)、というやり方を行っていたのです。 この手法は従業員個々に配るには面倒くさく、新たに制度ができたストックオプションも制度がややこしく、またCBとWBの実質的な違いが見られず実態に即した制度になっていないことがあったのではないかと考えられます。 (2)はお考えのとおりです。 行使するかしないかは権利を保有しているものが自由に決めることができます。 先のご回答にありましたように、ライブドアの持株数次第で権利を行使する株数が変わりますので、第三者割当増資にするよりも都合が良かったということです。 (3)は、発行会社の決議プロセスは同じです。 引受側にとってはご認識のとおり、払込額が確定するか、柔軟に変動可能かという違いがあります。また既存株主にとっても、1株の価値が薄まる度合いが第三者割当よりも少なくて済む可能性があります。 余談ですが、「権利」を買うという話なので、権利自体にも価格は存在しており、一般的には有償です。この価格はブラック=ショールズ・モデルと呼ばれる計算式で算出されます。 ただし、ストックオプションとして発行する場合にのみ無償で発行することが認められています。
その他の回答 (2)
新法しか知らないので旧法との違いわらないのですが、 新株予約権は従業員へのストックオプションとして発行されるケースが多いようです。それ以外にも金融商品との結合で資金調達に使われるそうですが。 新株予約権を有する人は、会社に対し請求し予め定められたお金を払い込むことで当然に株式を引受ける事になってます。 通常は期間を定めその間に権利行使出来るようになってます。 権利行使するかどうかは任意で、株価の変動を見ながらタイミングよく権利行使→市場で売却→利益を得る。 株価低迷で、権利行使できず権利行使期間満了で権利消滅と言うパターンもあるようです。 2は認識どうりだと思います 3は新株発行の目的は資金調達というところにありますが、新株予約権はストックオプションとして従業員達への報酬と言う意味合いもふくみます。 旧法ではストックオプションか社債発行の2パターンだったのが、いろんな制約を排除し発行形式の多様性をみとめ、資金調達を容易にするため改正されたと聞いています。
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早速のご回答、誠にありがとうございました。 また、偶然、今朝(3/10)の日経朝刊15面にも解説が載っていました。併せて読むことでさらに理解が深まりました。
- utama
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(1)新株予約件は、社債と違って、無償でも与えることができます。導入の主な目的は、いわゆるストックオプションを導入するためではないでしょうか。 CBが転換社債型新株予約権付社債、ワラント債が新株予約権付社債と名前が変わったのは、機能の似た部分の条文を整理したというだけで、特に合体したというわけではないと思います。 (2)、(3) はそのような認識で正しいと思います。 ニッポン放送の場合、ライブドアが途中であきらめれば、新株引き受けの必要がなくなりますから、予約権の方が都合がいいのでしょう。
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早速のご回答、誠にありがとうございました。 また、偶然、今朝(3/10)の日経朝刊15面にも解説が載っていました。併せて読むことでさらに理解が深まりました。
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