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鍵と錠の使い分け
「鍵を掛ける」、「鍵を開ける」と一般的には言いますが、「鍵」は「錠」をするための道具であり正しくは「錠を掛ける」、「錠を開ける」だと思うのですが、何故「鍵を掛ける」、「鍵を開ける」が一般的に使われるようになったのでしょうか?
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余り調べずに、手持ちの材料のみで回答しますが、指摘されていることはきわめて正論だと思います。 英語ですとlock the door(錠を掛ける)、 unlock the door(錠を開ける)ですから、この方が理に適っている訳ですよね。 ですが日本語にも「施錠する」「開錠する」という言葉があり、文書や堅い表現の時には「戸締りと施錠を怠りなく」と言ったりします。「錠を掛ける」「錠を開ける」という言い方も表現としてはありますし、がっちりとした頑丈な錠を倉庫の出入り口に掛ける場合など「錠を掛ける」のほうがぴったり来ると思います。 思うにこれは「錠」と「鍵」の歴史の問題だと思います。昔、例えば江戸時代の「錠」と「鍵」と言うとどんな物を思い浮かべますか? 私が最初に思い浮かべたのは牢屋の大きな黒金の「錠」です。余りに存在感があって囚人たちが目で追うことがあったとしても、「錠」に比べて「鍵」の存在は貧弱に思えるほどです。次に思い浮かべたのが城門です。閉門とともに鎖される閂は巨大な「錠」であると同時に巨大な「鍵」でした。人口の大半が「錠」や「鍵」を用いることに縁がなく、誰もが知る「錠」は大きく頑丈でお上や少数の富者が与かる物だったのではなかったかと想像します。「錠」>「鍵」。 現代はどうでしょうか? 「錠」の数は無数に増えた代わりに、スマートで美しくなり、掛け外しをするのではなく、戸口や金庫、部屋の一つ一つ、車、楽器、パソコン・・至る所に内蔵されその本体すら見えなくなり、見えるのは小さな鍵穴と、今や誰もがポケットに束にして持っている「鍵」だけになりました。そして、鍵穴に対して「鍵」は気儘な権力者です。役割を果たしている「本体」は隠された「錠」の機構だということを忘れて・・。「鍵」>「鍵穴」=「錠」(見せ掛けですが)。 結論。なぜ「鍵を掛ける」「鍵を開ける」になったのか? (1)「錠」の数が膨大になり誰もが扱うものになったために、内臓式となり、その姿が見えなくなったから。因って、機能の主体でありながら人々はその存在を忘れ「錠」を掛けていると言うことを意識し難くなった。 (2)人々が自分の手にすることのできる「鍵」にのみ、自らの主体的行為を感じるようになったから。「鍵」=「自分」。 (3)かつての「錠」はいったん閉ざされるとなかなか開かれなかったり、定刻にしか開閉されないものであったが、現代の「錠」は「鍵」の所有者によって何時でも気軽に開閉できることを求められる。「錠」を開閉するという、いかにも重い語感が嫌われ、軽い「鍵」一本で開閉する表現が利便性を求める生活感に馴染んだから。 質問者さんが述べられているように、本来は「鍵」で「錠」を「掛け」たり「開け」たりするわけですが、「錠」の存在が意識の外に追いやられるに連れ、「錠」がこの表現から抜け落ち、「鍵」を「掛け」たり「開け」たりするという表現になったのだと思います。多少誇張もありましたが、大勢としてこのような流れがあったのではないでしょうか?
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- matchboxtwenty
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こんばんは。 某国語辞典によると、 かぎ【鍵】(1)錠をあける金物。 (2)錠。 (3)解決のために必要な事がら。 とあります。 つまり(2)の意味もあるということから、「鍵」自体に「錠」の意味が含まれていることになります。 「鍵を掛ける」「鍵を開ける」という場合の「鍵」は「錠」のことだと思えば納得がいくと思います。
お礼
回答ありがとうございました
- marbin
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↓が参考になりそうです。 「鍵 (道具) - Wikipedia」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8C%A0
お礼
回答ありがとうございました
お礼
確かに「錠」は重苦しい響きがしますね 私もずっと「鍵掛けた?」「鍵開けて」と言ってきましたし、周りも人間もそう言うことが普通なのですが、ふと「錠」の存在に気が付きまして、こんな質問をしてみました とてもためになりました 素晴らしい回答ありがとうございました