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電気絶縁のための沿面距離は標高に依存するのか?
- 電気絶縁性確保のためには、必要な沿面距離があります。
- 標高が高いほど、必要な沿面距離は大きくなる傾向があります。
- このため、電気絶縁のためには、標高に応じた沿面距離を考慮する必要があります。
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ご質問者さんのご指摘のとおり、電気絶縁に必要な空間距離は、標高(気圧)に応じで変化します。放電開始は、パッシェンの法則にしたがうので、常圧付近では、気圧が高い(=分子密度が高い)方が電圧が高くなる性質があります。家庭用の電気機器では、使用できる標高 を規定することはありませんが、高圧を扱う機器では、標準条件は標高1000m以下と規定するような場合が多いです。(標高の規定は、絶縁だけではなく、対流による放熱性能にも影響を与えます。) https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%83%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87 では、本論の沿面距離と気圧の関係は、パッシェンの法則のような単純な関係は無く、絶縁物の材質、表面の汚染度に強く影響を受けます。 IEC 60664-1(JIS C 60664-1 低電圧電力システム内装置用絶縁協調-第1部:基本原則,要求事項及び試験)の規定では、最小沿面距離の決定に対して、標高(気圧)を配慮する必要はないようです。 https://www.ilme.jp/wp-content/uploads/2020/11/20201124%E7%A9%BA%E9%96%93%E8%B7%9D%E9%9B%A2%E3%81%A8%E5%BB%B6%E9%9D%A2%E8%B7%9D%E9%9B%A2.pdf ただし、他の規格において、最小沿面距離の決定に対して、標高(気圧)を配慮する必要がないと言い切ることはできないと思います。 例えば、JIS C 62271-200(定格電圧1kVを超え52kV以下の金属閉鎖形スイッチギヤ及びコントロールギヤ )では、標高が1000mを超える場合に、耐電圧試験を行う電圧に対して標高補正係数を掛けるように要求していますから、空間距離を増加させることと並行して、沿面距離にも影響を与える場合があるかもしれません。
お礼