なぜ私人逮捕は「逮捕」ではなく「取り押さえ」なのか
※わざと法律カテゴリーではなく「アンケート」で質問します。
法律家の回答はご遠慮ください。
市民感覚的な常識からお答えください。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121116-00000008-jct-soci
陰謀説も出ているこの事件ですが、その真偽はとにかくとして、
現行犯逮捕した者は警視庁玉川署員になっています。
しかしどう考えても、この報道からして、
玉川署員は現場には居合わせてはいません。
いわゆる「私人逮捕」に当たる事例と思われます。
そうとは言え、マスコミ用語の「逮捕」は、
刑事訴訟法【⇒末尾参照】の「逮捕」とは
意味が違うものであるという記述は、
どこを探しても見当たりません。
マスコミ用語の「逮捕」は、刑訴法213条の「逮捕」ではなく、
司法警察職員が同214条によって、
「引き渡し」を受ける事を指しているとしか思えませんが、
様々なサイトで質問しても、誰も明言しようとはしません。
不思議で仕方がありません。
なぜ「逮捕」に二重の意味を持たせ、
どうして現実の社会実態と合わない
刑事訴訟法の文言が一向に改正されずに
放置されているのでしょうか。
不思議です。
皆様はなぜだと思いますか?
もう一つ疑問があります。
警備員や民営化後のJR車掌などの非司法警察職員でも、
犯人を取り押さえる際に、相手が武器を持っていたら、
安全のために取り上げるのが普通だと思います。
しかしこれも、押収権のない私人が行なった行為については、
法理論上は「一時的預かり」として扱い、
「取り上げ」としては扱いません。
これは武器を無理やり取り上げた私人の側を、
窃盗や強盗の罪に問われることから守る為の
意図的な施策なのでしょうか?
※まあ、実際に取り上げた側が逮捕されたら、
それこそ暴動が起きかねないのは事実だろうけど。
なお、健康保険組合も、企業のオフィスに同居し、
実質上は企業の内部組織のようなものであっても、
日本では「公法人」扱いです。
ホームページのURLドメイン名も「or.jp」です。
これは保険料の強制的な徴収に関与するなど、
公権力行使に類する業務を担っているためでしょうか?
(正確に言えば「類する」じゃなくて「そのもの」。
でも実際に組合が行使することなどまずない。)
健保組合は「公法人」とは言えども、
行政機関(公務員組織)ではないためなのか、
主務大臣の「認可」(※)の下で
強制力を行使することになっています。
「行政権は内閣に属する」という憲法の規定と
無理やり整合性を取ろうとしたようにも見えますが、
実際のところはどうなのでしょうか?
※認可(法律用語)・・・
行政庁が第三者の法律行為の効力を完成させる行為。
補充行為だが、これを欠くとその法律行為は原則無効。
法律家が、事実を捻じ曲げてまで、
「私人の強制力」を否定しなければいけないのは、
一体なぜなのでしょうか?
これでは恐ろしくて私人逮捕など出来ません。
自分達で理由を明言しない(あるいは出来ない)クセに、
「素人に法律は分かりやしない」などと言う
日本の法律家は独善的だとあなたは思いますか?
***
【刑事訴訟法】(抜粋)
第二百十三条 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。
第二百十四条 検察官、検察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。
第二百十五条 司法巡査は、現行犯人を受け取つたときは、速やかにこれを司法警察員に引致しなければならない。
○2 司法巡査は、犯人を受け取つた場合には、逮捕者の氏名、住居及び逮捕の事由を聴き取らなければならない。必要があるときは、逮捕者に対しともに官公署に行くことを求めることができる。