自動車用半導体だけ生産が回復しない理由

質問

お世話になります。
ニュース時事・経済分野初心者です。　

半導体不足が騒がれて久しいですが、PCや家電用の半導体はすでに解消、特にPC用グラフィックボード(GPU)等はすでに供給過多で値段が爆下がり、減産してるとか。
供給不足で騒がれたプレイステーション5も店頭ではすでに買えるようです。　

さて一方、自動車用はというと、専門家によると2024頃まで解消されない、なんて声も聞かれます。

これはなぜなのでしょうか。

産業用半導体はPC用などと違い、プロセスが違い、どちらかというとレガシーな技術に相当することも分かってはいますが、詳しい方に話を伺いたいです。

よろしくお願い致します。

回答No.3

Higurashi777 · ベストアンサー

他回答者様の回答も理由の一つとしてあげられますが、もう一つの大きな理由が「車載製品は要求される品質レベルが高いから」になります。
耐振動性や耐温度性等の性能がいわゆる民生品よりも厳しいレベルで要求されます。
これが「同じ製品で民生用と車載用がある」となると、同一ラインで製造を行い「車載品質をクリアしたものは車載品として売り、車載品質をクリアできなかったものは民生品に転用して売る」ということが可能になるので比較的早めに供給が再開されるのですが、「車載専用品」となるとそもそもの総数が少ないこと、並びに歩留まり（ウエハー１枚あたりから取れる出荷可能な製品の総数）が低いこともあり、半導体製造メーカーとしては「同じ時間ラインを動かした場合に儲けが大きくなる方（＝発注量が多く、しかも歩留まりが高い方）」を優先して製造しますので、どうしても車載専用品の生産は後回しになります。
同様なことは医療機器の業界でも発生しています。
（医療機器は車載よりも品質レベルが厳しいため）

早くこの状態が解消してくれるといいのですけれどね。

以上、ご参考まで。

お礼

医療機器でも発生してるのですか。なるほど。
他の産業用機器はどうなっているのか知りたかったので、私にとっては知りたい情報でした。
ありがとうございます。

回答No.2

kabosu2022

結論から言うと、リモート機器の旺盛な半導体需要への対応が優先され今必要なところの受注を受けたからです。
儲からないと企業は成り立ちません。

2020年から新型コロナウイルスが急速に広まり、その影響を受けて自動車に関する需要が縮小することが予測され、これを見越して供給を少なくしていました。
しかし予想より早く需要に関しては回復が見られ、その結果、供給が間に合わなくなったのです。
半導体産業は垂直統合型のIDM（自社内で回路設計から製造工場、販売までの全ての設備を持つ垂直統合型のデバイスメーカーのこと。）から、分業型としてファブレスやファウンドリなどに分かれるケースが増えました。
（半導体業界では、設計はファブレス企業、生産はファウンドリ企業という形で分業するのが一般的です。）
自動車向けの半導体メーカーに関してはIDMが多数派です。
ファウンドリに余裕があればそれでも問題ないのですが、現状、ファウンドリは台湾や韓国、中国などの東アジアに偏っています。
数社のファウンドリに世界のメーカーが依存してしまっている状態であり、すでに稼働率が高いことからも生産能力に余裕がありません。またリードタイムが長いことからスピーディに増産へと対応することも難しいのです。

お礼

なるほど、自動車産業が後回しにされてるってことですね。参考になりました。ありがとうございます。

日本国内に半導体メーカーを合弁で作るなんて話も聞きました。数年後には解消されればよいのですが。

申し訳ないのですが、ベストアンサーは他の方にさせていただきます。
図々しいかもしれませんが、また質問するようなことがあれば、よろしくお願いします。

回答No.1

kzr260v2

以下、詳しいと思われる方が記事を公開されています。
https://biz-journal.jp/2022/08/post_312551.html

要約すると、「車部品の下請けと同様に考えて、少ない数を早く納品しろ、みたいな態度を自動車メーカーが取った可能性が高いため」といった背景があるようです。

半導体製造業界は、いわば石油業界のような社会を支える業界です。無茶ぶりだったようです。また自動車業界を大切にしなくても、ほかで儲けがでてしまうのも理由だと思います。

解決するひとつの方法としては、自動車メーカーが共同で、半導体製造の会社を立ち上げ、そこから半導体を供給してもらうことが考えられます。自動車メーカーの要求どおり少ない数を生産しますが、赤字分は各自動車メーカーが肩代わりする、といった契約にします。(実現する可能性は低そうですね。自動車業界だけでなく、宇宙業界向けなども含めてビジネスすると良いかも？)

自動車用半導体は、レガシーなものというより「事故予防のため要求される水準が高いのに、数が少なく、値下げも要求される厄介なもの」のようです。
以上、参考にならなかったらごめんなさい。

お礼

解決方法まで書いていただきありがとうございます。
確かに自動車メーカーはサプライヤーに対して殿様商売である、というのは聞いたことがあります。
大変参考になりました。

申し訳ないのですが、ベストアンサーは別の方にさせていただきます。この度はありがとうございました。