以下のとおりお答えします。
>年代別で見て、読書率が高いのはどの層ですか?
⇒読書率が高いのは、どちらかと言えば、高年齢層だと思います。といっても、それは読者の側の違いというよりはむしろ、「選択できるメディアの数的な違い」に由来するものと考えられます。早い話が、「高年齢層(私もその一人)にとって、情報源はほとんど紙媒体しかなかった」ので、それで本を読む機会が多かった、ということに他ならないのだと思います。
>読書をしてるかしていないかで、語彙力はどのように変化していますか?
⇒外部から情報を得ようとする場合、映像による場合に必要とされるのはもっぱら視力で、それだけで足りるような観さえありますが、読書によって情報を得ようとする場合は、文の意味を解釈し、それをもとにして映像を頭の中に描かなければなりません。つまり、脳ミソをフルに活動させないと情報を得られず、楽しめないのです。このようにして、読書という作業は、その都度その都度ごとに語や文の意味解釈を要求するので、その結果、語彙数や想像力が鍛えられて豊かになっていくのだと思います。
>また、本を読むことでどう語彙力が上がりますか?
⇒本を読むとき我々は必ず「追体験」をします。つまり、登場人物に感情移入し、場合によっては、主人公になり代わって共感したり感動したり、時に怒ったりします。そういう、いわば知的営為の都度に、文中の語彙のもつ語義や語法、文意、筋の流れなどを有機的に連結させるという操作を(ほとんど無意識に)します。このような知的操作によって、語彙力が増強していくものと考えられます。