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キセル貝って生存上どこか優れた点がある
なぜか今年はキセル貝がたくさん採取できたのですが、この生物は見れば見るほど中途半端な感じがします。どこかにつかまっている姿勢は直立で目立ちますし、カタツムリのようには丈夫な殻でもありません。やはりナメクジのほうが合理的な感じがします。カタツムリやナメクジよりも少数派だと思いますが、何か特別な強みがあるのでしょうか。
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ふと「キセル貝の進化上の利点(生存戦略上で有利な形質)」を思い出しましたので補足情報を。とりあえず以下の参考リンク先に掲載されている『オオギセル (Megalophaedusa martensi)』の画像を御覧ください。 - "オオギセル - レッドデータブックまつやま2012": http://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/hozen/red/group8/2_22/ ちょっと参考画像としては小さいのでいまいち不明瞭かもしれませんが、「殻口(貝殻の開口部)」のところを良く見てみてください。何か小さな "突起" があるのが分かるでしょうか?これは通称で「殻口に生えた"歯"」と呼ばれるモノでして、同じ陸生種の貝類であるカタツムリの幾つかの種にも見られる特徴です。キセル貝の場合はほとんどの種に生えています。 こうやって開口部に「邪魔な突起物」を生やす事により、主にオサムシの様な陸生貝類を専門に狙って襲って来る肉食昆虫が殻の開口部から頭を中に突っ込んで来て、柔らかい本体部分に食い付いて来るのを邪魔して捕食される確率を下げる効果があると考えられています。陸生貝以外でも生存競争が厳しいと思われる熱帯海域に生息する海生巻貝にもよく見られる特徴の1つです。種類によっては本当にニカっと笑った人の歯みたいに、上下に何本も "歯" が生えている種類もあります。 - "キマダライガレイシの貝殻": https://owlswoods.cocolog-nifty.com/blog/2020/01/post-e033b1.html
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- iijijii
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> 数が少ないので鳥などの記憶に残らないという事はないでしょうか。 物忘れが激しいことを鶏頭とか言いますが、カラスとかはずごく賢いですよ。 https://www.excite.co.jp/news/article/Karapaia_52295076/
お礼
なる程ですね。
- 4017B
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質問者は非常にありがちな「進化論の誤謬」に陥っています。現生のキセル貝種を始めとして、ホモサピエンスも含めた全ての生物種は「優れた形質を獲得したから生き残ったのでは無く、偶発的な進化の産物によって獲得した形質が最適となる環境の中に置かれた種のみが現在まで生き残った」だけです。 つまりキセル貝はナメクジやカタツムリよりも何か生存に有利な形質を獲得した訳では無く、相対的には圧倒的に優れた形質を持っているナメクジやカタツムリがより良い生活環境を求めて広く他の場所へ進出して行った後に、陸生貝が生活し繁栄して行く上では余り良いとは言えないどちらかと言えば劣悪な環境に取り残された結果、現在でもニッチな環境下で細々と生き残っているのだと解釈すべきものです。 従って、仮にキセル貝よりも優れた何らかの競合生物種がキセル貝の生活環境に進出して来れば、あっという間にキセル貝は駆逐されて絶滅してしまうでしょうが…一般にほぼ全ての地球型生物種は須らく自身が持つ能力の最上限環境下へ常に進出し続けようとする傾向が強く働くため、現在のキセル貝が暮らす「余り良くない環境」にはキセル貝よりも優れた競合生物種が進出して来ないため、キセル貝達は細々と生き残っていられます。そして何か突然変異などで現生種よりも優れたキセル貝が生まれた場合、彼らはその地に安住せずにまだ見ぬ "遥かなる荒野" を目指すでしょう。かつてのナメクジやカタツムリの祖先達がそうであった様に。 また他にもありがちな「進化論の誤謬」として、子孫へ受け継がれて行く "優れた形質" というのは「生物種として有用な形質では無く、その生物種が繁殖する上で有利に働く形質しか遺伝しない」という事です。例えばホモサピエンスは中年期(40歳以上)になると実に様々な病気を発症し易くなり、これらの特質は明らかに生物種としては不利であり優れた遺伝的形質とは言えませんが、少なくとも数十万年間に渡り脈々と全てのホモサピエンス達に受け継がれ続けています。何故か?それは前述の通り「繁殖する上で有利に働く形質しか遺伝しない」からです。 つまりどういう事かと言うと、一般的なホモサピエンスの場合であれば雌雄は元より生息地も問わず、中年期を迎える前の30歳くらいまでに繁殖活動を概ね完了してしまうからです。その証拠にほぼ全てのホモサピエンスは30歳までは3日徹夜して10連勤しても大丈夫で、1日3食にカツ丼大盛り食ってもピンピンしていますが、これはそういった「少年期から青年期にかけて無茶な生活習慣を続けてもすぐにはヘバらない」という "優れた遺伝的形質" を獲得して子孫へ受け継がれているからです。 そうして互いに "優れた遺伝的形質" を獲得した同士の若い男女が出会い、繁殖行動に入って無事に2人か3人の子供を生み育てたとします。やがて親世代のホモサピエンスは40歳過ぎて衰え始め、関節は痛み高血圧となり内臓脂肪も溜まり始めますが~そういった「生物学的に悪い遺伝的形質」が判明したとしても後の祭り、もう既に繁殖行動は終えてしまっているため、これらの "生物学的に悪い遺伝的形質" は既に全ての子孫に受け継がれてしまった後なのです。こうしてぱっと見には明らかに「生物学的に悪い遺伝的形質」であったとしても、それが直接に「繁殖行動に不利に働かない形質」であれば何ら問題にされる事無く、着実に子孫へ受け継がれ続けるのです。 ですので質問者が仮に「生物として中途半端」と感じたとして、それが事実であったとしても、その形質が「キセル貝としての繁殖行動に不利に働く形質」で無ければ、特に問題無く子孫へ受け継がれ続けるのです。
お礼
なるほどと思われるご教示でした。勉強してみたいと思います。
- iijijii
- ベストアンサー率55% (576/1038)
捕食者にとっては殻ばっかりで身が少ないので魅力がない→まずい。 特異な形状をすることで鳥類や哺乳類などの学習能力が高い捕食者にまずさをアピールしているのでしょう。 捕食者にとってはカタツムリやナメクジの方が美味しい獲物です。
お礼
数が少ないので鳥などの記憶に残らないという事はないでしょうか。
〉何か特別な強みがあるのでしょうか ないのではないでしょうか だから「キセル」中途半端という名がついたのではないでしょうか キセル(中途半端)貝
お礼
その様な解釈が成立しそうな感じがします。
お礼
彼らなりに対策を講じているのですね。