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マルチをしても良い野菜、悪い野菜
- マルチを利用することで野菜の栽培が楽になるため、さまざまな野菜でマルチ栽培を行えます。
- ただし、土寄せが必須となる野菜や密植が難しい野菜には向いていません。
- マルチ栽培をする際には、野菜の種類ごとに適切な対策を行うことが重要です。
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野菜の種類によってマルチ自体を「していけない」わけでなく、種類(材質)と目的が適切であるならばどの野菜に使っても構わないと思います。 マルチングというのが正式名称で、これは作物の根元の表の土を何らかで覆うという意味があります。 花とか観葉植物の様な観賞目的植物だと植えている土が見える事を避ける為に化粧土や樹皮を大まかに砕いたバークチップなどで隠す事がこれにあたります。 畑で野菜に使う場合のマルチングの元々の理由は、土が雨に当たった時に泥が跳ね野菜に付き、それが原因でウドンコ病など土壌菌由来の病気に罹ってしまうのを防ぐ事や、乾燥地や水はけが良すぎる土地で晴れが続いて土が乾燥しやすくなるのを少しでも防ぎ根元周りのマルチングの下の土が適度に湿っているのを保つ目的が主で、水通りが普通よりも良い事が第一条件。日本の畑では昔は稲わらや麦の収穫後の茎などを使う事が多かったです。それが手に入らない場合はススキやヨシの枯れた物を適度に切って敷いたので、使い古しの葦簀なども使えます。 農業が発達していくうちに外国からビニールマルチを利用しての栽培技術が伝わりました。これは外国の大規模栽培でほぼ大型農機具による作業なので(主に土の保温と雑草繁殖を防ぐ)機械でビニールマルチを畑に張る様になりましたが、元々広大な土地が望める外国の大規模な畑は水はけの良い畑が多く(水はけの悪い土地はそもそも畑を作らず牧畜に使う)機械作業が楽な様に畝は作らず平らな土へ張るので水がマルチングのせいで不足になる事はなく(作物の列の間へ流れ染みた水分が地中に移行)日本での使用法とは少し違っていると感じます。北海道での農業もアメリカ式が導入されているので外国との広さの規模が違うだけで機械での農作業はほぼ同じ。 黒いビニールマルチが日本では一般的ですが、実際には透明な製品があったり、葉裏にも日光が反射して当たる様にと(生育が良くなるのとアブラムシ除け目的を兼ねる)シルバーの色合いの物もあります。ただ、最近では品種改良で使わなくても良く育つ品種ができたり、使用後の回収が大変・回収する廃ビニールの処理が環境に良くないとビニールマルチ自体大規模栽培では使わなくなったりも。北海道の私が住む地域の農家はカボチャの苗の植え付けに一部の農家が使う事がある程度で、他の野菜でははほとんど使っておりません。 ビニールマルチの製品も、目的によっては材質や形状の種類はいろいろです。黒以外の色のものや回収しないで大型機械で漉き込めば土壌内で分解するもの、部分部分に穴や細かい切れ目が入っていて降ってきた雨がビニールマルチの下へ簡単に浸透していくものなど・・・。それを農家は使用目的に合わせて使い分けているのですが(農資材屋さんに置いてますが一巻きを切り売りで小売りがされているかどうかはその店によります)ホームセンターなどで家庭菜園向きに売られているビニールマルチはほぼ黒い物で横幅サイズもほぼ同じで選択肢があまりありません・・・。 「いろんな材質や用途用やサイズが店に売っていない=ビニールマルチなら多用途で使える」という誤解を招いて広まってしまっていると感じます・・・。 どの野菜に使うか使わないかはそれぞれの地域の気候や地形・土質によって違うので一概には「マルチが使える(使ってよい)種類・使えない(悪い)種類」と言うのは決められません。特に都道府県ごとの地域によっては決められなく、寒い地域の春に使い黒マルチで熱を吸収させ昼間の地温を溜めておいて朝方の遅霜被害を防ぐなどの用途もあります。 こう考えておいた方が簡単です。まずマルチというのは必ずしも使わなくては成らないものでは無い(栽培途中の追肥を兼ねた中耕が数回必要な野菜も多いので)。次にどんな野菜を作りたいのか。その野菜の好む環境をまずは調べ自分の畑の土質と水持ち・水はけ具合で栽培できるか。収穫までにはどんな作業が伴うのか。 それを踏まえてビニールマルチで栽培環境の改善や作業の軽減が可能なのかを判断し、中耕や追肥が数度必要な種類の場合は何度もビニールマルチをめくっては作業し終わればまた元に戻す作業が伴いますし、水やりも軽減どころか日本の様な畝を立てて野菜を植える農業の場合はマルチの穴を開けた根元付近を狙って、水やりの如雨露の蓮口やホースのシャワー部の水流の勢いを弱め、一穴からゆっくりと充分な量の水を与えなくてはなりません。つまりビニールマルチを敷いてしまうと水やり作業が面倒で時間も結構かかってしまうわけで・・・。水やり頻度は減るどころか野菜の種類や土の性質によっては雨任せの時よりも作業は面倒に。ビニールマルチが無ければ雨が降って土が充分湿るはずがビニールマルチが敷いてあるために根元の穴部分しか湿らない(畝があるのでビニールに当たった雨は人が歩く畝外に流れそれより下へ染み込んでいって畝の土には移行しない)、そのためにビニールマルチ不使用の所なら晴れ間が何日も続いて土が乾くなら水を与えれば良いのが、ビニールマルチを張った畑だと雨が降った後でも土には水分が足りてない事があるので確認が必要。足りない分の水を与えなければなりません・・・。水道代もビニールマルチを張る事により余計に高くつく事に成り、大きなタンクで雨水をためてポンプでホースに送り出し水やりに使うのでも初期費用と今度は電気代も伴うわけで・・・。 ビニールマルチをすれば野菜が良く出来るとは限らず、今回の別質問でのジャガイモの様に必要無かったり逆効果なのに使ってしまう事も。まずは作りたい野菜を考えたらまずはその種類には必要なのか「候補になる野菜の種類が出て来てから」「本当に目的に使えるか・目的に合った種類やサイズが購入できるか」「水やりに伴う手間と時間、経費や水道代や電気代の方にどのくらいかかるのか」を考えてから決めると良いでしょう。 野菜によっては苗が根付くまで乾燥に弱い物があります。乾燥気味の土を好むので生育途中でビニールマルチは必要無くなる物も、こういう物にはビニールマルチを使うよりも、根付くまで苗全体を覆う一株用のプラスチック製フラコンケース(苗帽子)や株周りに支柱を四本挿しビニール袋(底を切った肥料袋など)を張った苗用行灯などを使った方が湿度が適度に保て温度もある程度保てます。ただし気温が上がりすぎると蒸れてしまい萎れるなど逆効果なので一定期間使ったら撤去します。 ビニール製マルチは万能では無く、使い方によってはデメリットもあります。必要と判断し使う場合はそれを解消できる様に作られた物や(ところどころに小さい穴や細かい切れ目のあるものなど)再利用や不要時の処分も簡単な稲わらなどの天然素材のもの(穴を掘って埋めたり自家製の堆肥材料などに使えば分解します)を使うなどすれば、特に天然素材は覆った部分の雑草も防げ土が硬くならないので野菜の種類によっては中耕が必要なくなる場合も。追肥もマルチをめくって下に撒いてすぐに戻せるので手間が省けます。
お礼
また詳しくご教示くださり、ありがとうございます。 目的による使用、ということですね。