> 水素は電気分解で作るならば電気自動車のほうが合理的かなと思います。
> なにか水素特有の有利な条件んがあるのでしょうか。
一番大きな違いは燃料補給に要する時間と、1回の燃料補給で走れる航続距離や動力の出力量ですね。
電気自動車は蓄電池に充電するという方式そのものに根本的欠陥があります。
電気自動車は送電網に接続して車載の蓄電池に充電しますが、この充電に非常識なほどの時間がかかる。(燃料補給に普通充電で6時間、急速充電でも30分以上なんて考えられます?)
それに対して水素燃料車の燃料補給にかかる時間はガソリン車と同等か或いは更に短い。
これだけでも決定的な差です。
更に蓄電池性能が未だ低いので重量当たりの蓄電量が少なく、そのため電気自動車は燃料補給なしに長距離を走行できず、動力の高出力化をしにくい。(コストや重量の為にその限度に抑えているとも言える)
航続距離について、蓄電池使用の電気自動車は(同重量の)燃料電池や水素タンク使用の水素自動車に比べて短い(蓄電量少ない)。
電気自動車の馬力不足の傾向(蓄電量少ない)をも考えればトラック・バス等の長距離走行する大型営業車に経済的に採用するのは性能的に困難。
乗用車のスポーツライクな爆発的運転感覚を楽しむには電気自動車には不足感が出やすい。
水素エンジン車や燃料電池使用の電気モーター車、即ちどちらも水素自動車のことですが、水素生産と水素販売網が整備されれば圧倒的に水素自動車の方が有利です。
また、発電所で発電された電力は、電気のままでは保存できませんからね。
即座に何かに使わないと送電網が破壊されます。
電気自動車はこの送電網に接続して充電しますが、水素燃料はこの電気を蓄電池によらず水素として大量に保存でき、送電網から分離でき、それを自動車とは別体にどこにでも運搬できます。
水素を発電所の余剰電力で製造すれば、余剰電力を有限な揚水発電所や蓄電施設以外にも使用できる有力な無限手段となり、送電網経営者から見ればまさにバラ色の技術ですわ。
発電計画なんて立てずともどの発電所も能力の限りに昼夜問わず精一杯発電して、電力が余ったら水素製造に回して、できた水素は高値で売れる。
風力や太陽光などの天候に左右される発電方式にも水素生産は向きます。発電量が変動してもそれに合わせて水素生産すれば良く、再生可能エネルギーを100%生かせる。
(本来ならば水素は再生可能エネルギーから生産するのが筋で、さすれば水素エネルギーそれ自体が再生可能なクリーンどころか環境向上に寄与する最優良な再生可能エネルギーになります。水から生産され燃えれば水になる。)
参考までに、この関係の車種は以下の4通りあって、
【1】電気自動車
車体外部から電力を適宜補給し、車載の「蓄電池」に充電した電気で走行する。
【2】ハイブリッドカー
内燃機関と電気モーターを搭載し、ガソリンを外部から供給して内燃機関で走行するが、内燃機関等による発電又はブレーキング力などから蓄電池に充電し電気モーターでも走行できる。
【3】燃料電池車(水素自動車とも言う)
車体外部から供給する水素を車載の「燃料電池」に蓄え化学反応させることにより発生する電力で電気モーターを駆動する。
【4】水素自動車
水素を水素タンクに貯蔵し、これを水素エンジンに供給して走行する。
水素生産と水素販売網が確立されれば一番良いのは4です。
お礼
水素供給の設備が完備されれば最良の方式になるということですね。