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軍隊が運営する軍需産業のメリットとデメリット
- 軍隊が運営する軍需産業とは、国営企業に属するものなのか?
- 軍隊が運営する軍需産業と民間の軍需産業とのメリットとデメリットは何か?
- 中国人民解放軍が運営する軍需産業などの企業についての情報は以下のリンクを参照してください。
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質問者が選んだベストアンサー
中国人民軍(PLA)のビジネスは特殊で、日本で言えば自衛隊が予算不足を補うために副業しているような物。いわゆる国営企業とは性質が違います。軍需企業と書かれていますが、軍需企業は一般に軍に兵器を売って利潤を得る企業なので、軍が直接運営したところで自分でお金を払わなければならないので利益にもならず軍の外にお金が流れるのを防ぐ経費削減程度の話にしかならないでしょう。 それから中国は1990年代から国家が運営するいわゆる国営企業を廃止し、国家が所有権(株主みたいなもの)を持っていても経営には直接携わらない国有企業に切り替えているので、中国に星の数ほどもある国有企業とPLAのビジネスは性質が異なる物があります。本来はあり得ない形態と思いますが、元々は1980年代に鄧小平が軍事予算をカットしたところから穴埋めのために始まった物が1992年に公式に認められて現在に至っている物。ただ想像に硬くないのですが、自由化が進む中国の中でPLAの予算の穴埋めどころか国有、民営の企業と競争して軍の予算に回すだけの利潤をあげることは簡単では無く、結局汚職と腐敗の温床になっていきます。経営の不透明さも含めて批判が多く、習近平政権の下で軍が運営する企業の解体が進められています。そう言う前提の元でお答えすると、 1. PLAのビジネスの中には軍事関連のところはあるものの、あくまでも利潤を求めるもので、PLAに兵器を提供する企業はPLAとは別の国有企業がメイン。軍需企業が国営化されることと、PLAビジネスの問題は直接関係ないと思うので、この質問自体どう言う切り口でお答えするべきか迷います。例えば、もし在日米軍が基地の運営費不足を補うためにビジネスをはじめたとします。それが兵器開発・製造に関わるものだとしたら絶対に許されないでしょう。軍事機密や安全保障体制に関わることを中央政府の管轄が及ばないところでやらせるはずが無い。じゃあ、兵器にか関わらない一般ビジネスだったらどうかと言うと、実はアメリカ軍にはそのような部隊があります。いわゆる調達部門なのですが、アメリカは世界各地に治外法権の駐屯地をもち、そこにに居住する兵士や家族のために家電製品や雑貨、食品を一括購入して販売するための部隊。メーカーから見れば一般の量販店と同じようなところがあり、価格交渉もして利潤もあげます。国営企業でも国有企業でも無くあくまでも世界に展開するアメリカ軍にサービスを提供するのが目的で、PLAのように利潤を稼ぐことを目的とした部署ではありません。許されるともおもいませんがその部署が軍の外に対してビジネスをしたとしても、国営、国有企業とはみなされないでしょう。 2. そもそも民間企業でも厳しい競争の中で自助努力で利潤をあげて、さらなる競争と成長のために投資をしています。その貴重な利潤を軍のために使っていたら企業としての競争力を保つことは難しいでしょう。そうなれば、軍の権力や力を利用して競争相手を排除するでしょうから汚職や腐敗が出てくるのは当たり前と思います。中国でもそのようになっていて、だからPLAのビジネスを解体する動きがかかっているわけです。あくまでもPLA独特の話と考えた方が良さそうです。 PLAは元はと言えば中国共産党革命に参加して、国民党と戦った農民たちがベースで、いやしくも革命の継続を訴える中国共産党からしたら他の国の軍隊とは思想的にも別格の同志。だから行政府の中国国務院には属しておらず、習近平が首席を務める中央軍事委員会の監督下にあります。逆に言えば、外交、行政を司る国務院と並列にあって、度々PLAが中国の国家の政策や指導と同期した動きをしていないのでは無いかと疑われています。それを考えても、PLAビジネスのようなことが他の国で起こるとは思えません。