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痴漢でっち上げ女の口をガムテープを塞ぐのは合法か?
電車内で他の女性に暴力を振るった女を、 乗客の男性が取り押さえようとしたところ、 この女が「痴漢!」と叫んだそうです。 この事例のように、痴漢に仕立て上げられそうになった場合、 犯人の女の口をガムテープで塞いでも、 「虚偽告訴に対する正当防衛」が成立しますか? 万一、女が窒息して死亡しても、罪には問われせんか?
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- kuzuhan
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過剰防衛と判断される可能性は大いにあり、結果として殺めることになれば傷害致死などに問われる可能性は非常に高いといえます。 正当防衛が認められるためには「不正の侵害」「急迫性」「防衛の意思」「防衛行為の必要性」「相当性」の5つを満たしている必要があります。 不正の侵害:相手の行為に違法性があるか。「痴漢!」と叫ばれただけでは、そこに違法性を問えない可能性があります。実際に裁判してみないと何とも言えませんが、「痴漢!」と叫ぶことが直接的な犯罪行為と認められなければ、不正の侵害を満たせません。 急迫性:相手からの権利侵害行為が切迫した状況であるか。現在進行形で不法行為が進行しているかどうかで判断しますが、「黙れ」と言ったりすることは認められる(自身の正当性の主張)とはいえるものの、口をガムテープでふさぐ行為についてはそれをする必要があるほど差し迫っていないと認められなければ、急迫性を満たせません。 防衛の意思:客観的に見て一連の行為が防衛に値するかどうか。抑え込む側が男性ということを鑑みても、ガムテープを使ってという部分が「防衛」に値するかどうかが争点でしょう。少なくとも、虚偽告訴は「その場で」されていませんので、客観的評価の防衛の意思は満たせない可能性が十分あります。 (告訴とは、警察などの法的機関に犯罪行為等を申告し、犯人を処罰する意思を示すものであって、「その現場で叫んでいる」ことは告訴になりません) 防衛行為の必要性:防衛の意思に基づき、防衛のための行動が必要であったかどうか。そもそも、虚偽告訴という理由に対しては認められない公算が高く、そこに正当防衛を見出すことはできません。叫ばれただけなのに、口をガムテープでふさぐ必要性があったのかということにも通じますが、一般的には窒息の可能性を考えると、ガムテープで口を塞ぐのは問題のある行為とみなされるでしょう。 相当性:正当防衛を主張する行為が、必要最低限であったか。命を奪う可能性のあるガムテープによる口塞ぎが「口止めすること」の必要最低限の行為であったかどうかになりますが、防衛行為の必要性で述べた通り、窒息させてもいいという考え方は明らかな過剰防衛とみられ、相当性を満たせる可能性は低いでしょう。