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イランとアメリカが仲が悪い理由は何でしょうか?また
イランとアメリカが仲が悪い理由は何でしょうか?また、その背景も教えてください。
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他の方々回答されている様に、1979年にイランで発生したイスラム革命が発端です。ただ、現在の最悪な関係は、トランプの一方的な核合意破棄と経済制裁、イランが敵対するイスラエルとサウジアラビアへのあからさまな擁護、支援でしょう。1979年の革命まではアメリカとイランのパーレビー国王(パフラヴィー皇帝)の下の政権とは蜜月状態でした。それまでのイランは原油の輸出により財政は潤っていたのですが、オイルショック以降経済に陰りが出ると、それでも贅沢な浪費を続ける王族と特権階級と国民の格差が拡大し、国民生活は困窮を極める様になりました。その元凶として革命政府がアメリカを名指ししたのは、イスラム教による支配を安定させ、ガタガタになった経済の問題をアメリカに押し付けることで国を運営するキャンペーンだったとも考えられています。アメリカはパーレビー国王のイラン脱出を助け、病気だった国王をアメリカの病院で手厚く入院治療しましたが、それがまたイラン国民の反米感情に火をつけ、アメリカ大使館を占拠し、大使館員を人質にとると同時に引き換えにパーレビー国王の送還を要求しました。このあたりの経緯はアカデミー作品賞を受賞したArgoに当時のイランの忠実な描写とともに描かれているので、興味があれば見ると良いと思います。 革命まではイランはアメリカの同盟国イスラエルと悪い関係ではなかったのですが、革命後イスラエルと団交し敵対関係が助長されていきます。その過程でイランの核開発疑惑が出てきます。アメリカからイランへの経済制裁強化が課され、911以降にはジョージ・W・ブッシュが演説の中でイランをイラク、北朝鮮とともに悪の枢軸国として名指し非難しました。これは恐らく父親のジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の因縁でイラクのフセインを叩くための前段階であるとともにイランへの牽制とキリスト教対イスラム教の対立でないことを示すために北朝鮮を加えたものでしょうが、結果イラクに侵攻してフセイン政権を倒すと、イラクにイランが盟主を自認するイスラム教シーア派優勢の政権ができてしまい、スンニ派の盟主でアメリカの同盟国・サウジアラビアとアラブ連盟対、イランを盟主とするシーア派宗派対立を深めることになってしまいました。中東情勢は非常に複雑で、イランが中東各国のシーア派武装勢力を支援している一方で、サウジアラビアはアメリカの同盟国と言いながらアルカイダやISなどのテロ組織を支援していると言われています。日本ではおなじみではないですが、アメリカでは911をサウジアラビア政府が支援したとしたとする、サウジアラビアを被告とした裁判が現在でも進行中です。シリアではアサド政権と対立したと言われるISのイラクでの活動を実はアサド政権が助けていたり、反アサド政府勢力の中にはアルカイダ系テロ組織ヌメア戦線があり、アメリカはこの組織にも意図せず武器の支援をしたとも言われています。こう言う複雑な状況にも関わらず、アメリカは中東の国々を善と悪に近視眼的に色分けし、混乱を煽るだけでなく中東の宗派、民族間の憎悪の連鎖の原因を作っています。そして2005年にイランに反米強硬派のアフマディネジャド大統領の政権が生まれると、アメリカ批判は痛烈を極め両国の敵対的緊張は頂点に達しました。ただアフマディネジャド政権が倒れ、穏健派のロウハニが大統領になると、一気に緊張緩和が進み2015年にはオバマ大統領と有志の国を含めて歴史的な核合意が行われました。本来であればこれを機に一気に関係改善するべきだったし、世界中がそうなると思いました。ところがトランプが大統領は一方的にその合意を破棄しました。イランが合意に違反していないことを認めた上での破棄なのでとても正当化できるものではないのですが、恐らく巷で言われている様に、オバマ大統領が達成した成果の一つ一つ覆していくと言う個人的な心の狭さからくるパフォーマンスの一つだと言うのが正しいと思います。と言うのも合意の破棄は大統領になってまだ外交、中東情勢を把握していないうちに唐突に言い出したもので、一方トランプの中東政策は現実を知るに連れて変化していますから。結果としてイランの最高指導者ハメネイ師はトランプに対する信用を完全に無くしていて、トランプが今になって対話をしたいと言い出しても受け入れる気配すらないと言う状況になっています。 アメリカは今回のサウジアラビアの石油施設への攻撃・破壊がイランの責任としているし、実際イランが全く関係ないと言うことはないと思います。ただ、イランが支援し、ドローンを供給している武装勢力はイエメンやイラク、シリアだけでなく、サウジアラビア国内にすらシーア派反政府勢力がいます。また、サウジアラビアを攻撃して、サウジ-イラン、アメリカ-イランの関係が悪化すると喜ぶ人たちはテロ組織、武装組織だけでなくイスラエル、ロシアやアメリカ国内の右派など、たくさんいます。もともとアメリカが中心となってぐちゃぐちゃにして来た中東情勢なので、簡単にイランの直接関与を非難する前に慎重な対応が必要と思います。
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- nannkaiporks
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ざっくり言うと、イスラエルに地理的に近いからです。 イスラエル近辺に武力を持つ国は存在して欲しく無いだけです。 その理由だけで、湾岸戦争は起こされましたし、フセイン暗殺も同じ理由。 カダフィーは引退同然なので攻撃はされませんでした。 全てがイスラエルを守るためです。 イスラエルとは何者なのか。 世界を破滅させるための重要な国です。 破滅とは、世界の金持ちが牛耳る社会主義世界・世界統一国家樹立のための国です。 地理的に言えば、あの地こそ破滅のためのハルマゲドンを起こせる地だということですよ。 だからパレスチナが邪魔なわけです。 映画、トゥームレイダー1を見ればイメージが分かりやすいですよ。
補足
トゥームレイダー1 見たことありますがそういう観点から見てなかったので再度機会があれば見てみたいと思います。 大変ありがとうございました。
- dragon-man
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パーレビ国王率いるイランは長らくアメリカの友好国でしたが、ホメイニら宗教家達が起こした1979年のイラン革命でパーレビ国王はアメリカに亡命し、今の宗教色の強いイスラム国家イランになりました。ホメイニら新政権はパーレビを支えたアメリカを敵視し、アメリカ大使館を封鎖して大使館員を人質にしました。またホメイニらの新イランはアメリカの友好国であるイスラエルをユダヤ人国家として敵視し、イスラエル攻撃のために核兵器開発に乗り出しました。以来アメリカとイランは互いに不倶戴天の敵対国になっています。ちなみにイランの核開発には北朝鮮の核開発技術が流れていて、この点でもアメリカはイランを許すことが出来なくなっています。
補足
なぜアメリカはイランなどには厳しいのに北朝鮮には甘いのでしょうか? 世界中があの国に厳しい態度に出ないのはなぜなんでしょうね?
- KappNets
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イランの敵は大きくイスラエルとサウジです。 イスラエルは本来中東諸国全体の敵であるべきなのですが、意外とそうなっていません。中東諸国の中でイランの敵を自認しているのがイランです。核兵器、ミサイル、他を開発して中東中の反イスラエル集団(ゲリラ集団)や反サウジ集団に配っています。 イスラム諸国の中ではイランとサウジは宗教対立しています。対立の中身は宗教的なもので我々東洋人にはあまり興味のない内容ですが、実際には政治対立になっていて、大変なのです。両国はほとんど戦争一歩手前の状態にあります。 イランは王族を追い出して革命政権です。米国が王族(#)とは対立かと思いきや、政治的理由でイランと仲良くしています。王族が支配するサウジは米国と仲良く振舞っています。米国の軍備はイランには流れず、サウジに流れています。敵の敵は味方という状況です。イランは北朝鮮とも仲良く、米国の軍事情報はインターネット技術で盗んでいるようです。(#)日本で言えば江戸幕府みたいなもの。 米国がイランと仲が良かった時期もあります。ちょっとしたボタンの掛け違いもあったようです。イランが自国の王族を追い出した時に米国はその王族と仲が良かったとか、いろいろと事情があるようですが、現状では強硬な反イスラエル主義が米国の中東政策とは相容れないのですね。 日本は表向き親米ですが、反イスラエルで頑張っているイランの方が一般の日本人には親近感があるでしょうね。
- cse_ri2
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1979年、イランでイラン革命が起きました。 それまでの王朝を廃し、シーア派のイスラム法学者が政権を握るというこの革命は、他に例を見ないものでしたが、それまでのパフラビィー朝を支援していたアメリカは、このイラン革命を敵視します。 参考「イラン革命」 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/イラン革命 その結果、同じく隣国イランで起きたイラン革命を危険視するイラクのフセイン大統領をアメリカが支援して、イラン・イラク戦争へと発展します。 その後、アメリカとイラクが敵対し、湾岸戦争からイラク戦争へと進みますが、アメリカとイランの関係は微妙なままでした。 どこかで手打ちができれば良かったのですが、イランの核兵器開発疑惑もあり、手打ちができないまま、今に至ります。 まあ、イランのサウジ攻撃はたぶん本当でしょうし、このまま戦争ですかね。 最初のイラン革命の頃は、旧ソ連とも距離を置いていたのですが、たぶん今はロシアと中国のバックアップもあるでしょうし。 ただ、イランは手強いですよ。 あそこの軍事情勢は詳しくないですが、対イラン戦争のシミュレーションでアメリカが負ける記事も見た記憶があります。
補足
めちゃめちゃややこしいですね。 何度か読み直して理解したいと思います。 お詳しく説明いただきありがとうございました。