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重傷者を救助?軽症者を救助?
ロングロードホームなどのアメリカ映画を見てると、部隊が壊滅の危機に陥っても必死に衛生兵が重傷者に人工呼吸等をしています。 一方空母いぶきという漫画では、早期に戦線復帰できるよう重傷者をあとまわしにし軽傷者から救助しています。 通常軍隊としてどちらが正しい姿なのでしょうか?陸戦と船乗りで違いでもあるのでしょうか?
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細かいシチュエーションが分からないのですが、「トリアージ」という概念が軍事医療・緊急医療の世界では存在します。 つまり助かる人、助からない人を選別し、助からない人には治療を施さない、という、医療レベルのダメージコントロールです。 今まさに船が沈もうとしている、という緊急事態では、助かる助からないではなく「戦えるかどうか」を基準にトリアージする事はおかしくはないかと。 軍隊としてどちらが「正しい」かと言えば、空母いぶきの方です。 ただ軍隊というのは激烈な仲間意識で構成されているので、身内をそんなにアッサリとトリアージできるかと言えばそうでもありません。 助からない味方を助けようとして死んだ軍人は枚挙にいとまがなく、下記のような事例もあります。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%82%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%81%AE%E6%88%A6%E9%97%98 『近づきつつある民兵たちから負傷したブラックホークのパイロット(マイケル・デュラント准尉)を守るために地上に降下した。』 そう考えると、「衛生兵が重傷者に人工呼吸等をしています」という描写も、軍隊として『正しくはない』が『正確である』かもしれません。
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- kon555
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>>現実として現場は見捨てない ちょうどいい余談、あるいは与太話の類をひとつ。 実は軍人の訓練において最も大きなハードルは「人を撃てる様にする」部分だそうです。 人間は本能的に同属の殺害を忌避するので、殺すと分かっていて引き金を引くのは大変大きなストレスです。実は「殺すか、自分が殺されるか」というシチュエーションなった時、かなりの割合が「殺される」を選ぶのだとか。 当然、この心理的ブレーキが外れいてて躊躇なく人が殺せる人間もいるのですが、それはそれで物騒で軍隊にはむきません。 では軍隊はどうするかと言うと、こう言うのです「お前が殺すべき奴を見逃せば、そいつがお前の隣の奴を殺す」 要は強烈な仲間意識、身内意識によって心理的ブレーキを突破するのですね。自分が殺される事は許容できても、仲間が殺される事を許容できない。そんな人間こそ軍人にふさわしいのです。 だからこそ『見捨てるべきときにも見捨てられない』という事態が発生する、軍隊という存在が抱えるジレンマです。 非常に興味深い戦場の心理学と言えます。
お礼
御回答ありがとうございました。
- eroero4649
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軍隊という組織の性質上、負傷した仲間を見捨てるということはあり得ません。なぜならいつ自分もそうなるか分からないからです。もし命令で負傷した仲間を見捨てるとなったら士気が崩壊すると思います。負傷したら見捨てられるなら、絶対に負傷してはいけなくなるわけで、だとするとなるべく戦わないほうがいいということになりますね。 映画「ブラックホークダウン」の元ネタは93年のソマリア内戦のときの史実の出来事です。このとき、墜落したブラックホークのパイロットが負傷していることが分かったので、2名の勇敢な兵士が救出に向かうことを申し出ました。それはあまりに危険な任務だったので一度は上官は却下したのですが、「仲間は絶対に見捨てない」という本人たちの強い希望により上官は救出に向かうことを許可しました。 しかし結局その2名の兵士は戦死、パイロットは捕虜になり後に釈放されて帰還しました。戦死した兵士のうちのひとりは激高して興奮した民兵派によって遺体がジープにくくられて市中を引き回されるという扱いをされました。この映像が撮影されていて世界中に公開されたのが、アメリカ軍のソマリア撤退の大きな理由になりました。なお、救出に向かった2名の兵士はその勇敢な行為を讃えてアメリカ軍で最高位の勲章である名誉勲章が与えられました。 アメリカ軍はそれこそ今でもアフガニスタンに派兵していることもあり年がら年中戦争をしているので、戦場の心理というものの経験者には事欠きません。だからそこはリアリティがありますし、リアルに描かないと「こんなんじゃねえよ」と経験者からそっぽを向かれます。 その点、かわぐちかいじ先生はちょっとそこらへんの心理描写が甘いところがあると思います。「沈黙の艦隊」でも「ジパング」でもそうだったんですが、普通極限の状況に置かれるっていうのはとてつもないストレスで、ずっとそういう状況に置かれると戦争神経症になるんです。だけどかわぐち先生の作品で、特に主人公側が度重なる精神的ストレスでミスをするっていう描写が私が知る限り全くないんですよ。 でも実際の戦争というのはお互いに判断ミスをすることの連続なんですね。「戦争の霧」っていうのですが、敵がどこにどれだけいるなんてのは分からない。昔の戦争を経験している世代の人は「五分五分と思える状況はこちらが7割有利。こちらが不利だと思う状況で五分五分だ。こちらが負けているから撤退しようと思った瞬間に敵が撤退を始めたなんてよくあること」なんていいます。 かわぐち先生が意図的にそのような描写を省いているのか、そのような描写を苦手としているのかは分かりません。ただ昔の「沈黙の艦隊」と比べても年々やたらと勇ましくなっている傾向にあるような気がします。 重傷者より軽傷者の救出を優先するというのは、戦争だろうが災害だろうがあり得ないと思います。だってだとしたら、戦争で死にたくないなら軽く負傷するのが一番だとなるじゃないですか。死を恐れずに勇猛に戦ったやつが見捨てられて、後ろで軽傷を負ったやつが助かるなんて、そんな命令を下す上官は「勇戦中に壮烈な戦死をされ」て頂くに限りますね。
お礼
指揮官としては見捨てる命を下す状況はあるが、現実として現場は見捨てないしその現場の意向を指揮官も無視しきれないといった感じですね。 かわぐちかいじ作品では、沈黙の艦隊では海江田艦長が超人であるということですませてましたが、私もいぶきにいたってはどうにも侵略してる中国兵がまるで機械の様に無機質に感じられることがあります。 御回答ありがとうございました。
- nagata2017
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フィクションの中のことですから 実際に同じことがあるかというと NOです 最初のほうは衛生兵ですからどんなときにも自分のできることをする という姿勢を描写したもの。 後の方は 軍隊としてというより 人としての感情を優先したという描写です。 質問は通常の軍隊ではどうなのか ソンミ村虐殺事件で実行した中尉は上司の命令に従ったという主張で無罪。 軍規に従う行動が最善とされるでしょう。
お礼
御回答ありがとうございました。
お礼
御回答ありがとうございます。 指揮官としては見捨てる命を下す状況はあるが、現実として現場は見捨てないしその現場の意向を指揮官も無視しきれないといった感じですね。