アメリカも日本も、自国の国益を中心として動いています。
もちろん二国とも法治国家なので、法的な裏付けも必要ですが。
・アメリカ、ブッシュ政権の思惑
イラクに駐留している軍隊から脱走兵が続出しており、
脱走兵を増やさないためにも、脱走兵に対する処罰は
できるだけ厳格にしたい。
しかし外交上、イギリスのブレア政権と並んで、ブッシュ
大統領の外交を支える日本の小泉政権を無視することは
できず、外交上のジレンマに陥っている。
司法で厳正な裁きをと言いつつも、早急な身柄引渡しを
避けたり、司法取引の可能性を示唆しているのは、上記
の理由によるものと思われる。
・日本、小泉政権の思惑
国民的な関心の高い拉致被害者とその家族に対しては、
ないがしろにする対応を取ることは、国民の支持率への
依存度が高い小泉政権にとって、無視できない問題である。
義理人情的な発想により、国民の間に少なからずジェン
キンス氏の救済を望む声があり、ただちにアメリカに氏
の身柄を引き渡すことは、論外である。
だが、日本はアメリカとの間に犯罪人の身柄引渡し条約
を結んでいるため、正式にアメリカから身柄の引渡しを
求められれば、法的に断ることはできない。
幸いアメリカの側から、司法取引という落としどころを
提示されたので、できればこの線で解決したいと考えて
いるものと思われる。
質問者の方は、法による公正な裁きを求めているようです
が、国家の外交政策は国益の追求を中心として動くもので
あり、法的な対応については、二の次というが現実です。
独裁者の治める国家、もしくは一党独裁の国家においては、
この二の次の法的な対応さえ、まったく省みられないこと
もしばしばです。
法に基づく正義を求める気持ちはわかりますが、現実の国際
関係は力の均衡による弱肉強食の世界だという認識をもつ
ことが、大切です。
補足
失礼しました。 >罪を受けるべきです。→罪を受けるべきだと思いますでした。誤解を招いてすみません。自分はまだ社会について知識が浅いですが一言言わしてもらえばこのジェンキンスさんので日本とアメリカとの関係を悪くしてほしくないですね。