- 締切済み
破傷風の心配が…
調理師の仕事をしています。 29歳です。 昨日仕事でほうれん草を切っていたら誤って親指を切ってしまいました。 爪を切り落としてはいませんが、結構深めに切ってしまっています。 仕事中ということもあり、焦ってささっと洗い、止血しました。 今日職場の人に私は切った時破傷風のワクチン打たれたよ。よく流水で洗った?と言われ… ジャガイモをむいてて泥がついてたからかなー、と言っていましたが、それを聞いて不安になってきました。 ほうれん草は洗ってあり、泥や土はそんなについてなかったと思います。 止血して2時間くらいたってからよく流水で流したのですが、最初にあまり洗わなかったので不安です。 明日は日曜で仕事もあるので難しいのですが、病院に行って念のためワクチンを打ってもらえるでしょうか? 3日ほど経っても意味はありますか? どちらにしろよく土は触りますし、ワクチンは10年程で切れるからまた打った方がいい、と書いてあったので打ちに行こうとは思うのですが… 破傷風の心配などしてなかったのですが、急に不安になってしまいました。
専門家の回答 ( 1 )
- 専門家ココカラファイン 薬剤師(@cocokarafine) 薬剤師
こんにちは。野菜の調理中の傷は大変気になりますね。 ご存知のように破傷風菌は土中に広く存在しており、小さな傷でも接触すると感染します。 野外で転んですりむいた…とか、野外に放置してある錆びた釘を踏んでけがをした…というのは感染リスクが高くなります。 このため土遊びなどを始める前の乳児期にワクチンを接種しておくのですが、質問者様が仰るようにワクチンの効果は10年ほどで落ちてきます。 (現代でも破傷風の患者は増加傾向で、2000年時点で年間92人にのぼっています) 破傷風の感染が報告されるのはワクチンの効果が落ちる30歳以上の成人が95%ほどを占めています。 質問者様も年齢が近いこともありワクチンの効果が失われていても不思議ではありません。 しかし、ほうれん草が洗ってあったことや見た目にも泥や土が少なかったようなので、感染の危険性は低いと思いますがゼロではありません。 潜伏期間は3日~21日と幅がありますが、とにかく診察を受けて検査をしましょう。 病院に行く意味はありますし、心配なのであれば行くべきです。 職業柄、土と刃物が共存していることを考えると、検査して感染がなければワクチン接種をすることをお勧めいたします。 感染していた場合は治療が必要になりますが、破傷風は感染しても免疫を獲得しにくいため、治療後にワクチン接種をすることになるでしょう。 余談ですが、破傷風菌は「嫌気性菌」と呼ばれるタイプで酸素に触れると簡単に死んでしまうため空気がないところを好みます。 空気に触れる可能性がある土中では「芽胞(がほう)」という鎧のようなもので身を守っています。 破傷風は芽胞に包まれた状態で感染することが多いのですが、芽胞の形態では増殖することができないため負傷した際に素早く洗浄することが感染を防ぐ大きなカギになります。 消毒ではなく洗浄にこだわるのは、芽胞は熱や乾燥、薬剤に対しても非常に堅牢で消毒液では無力化できないからです。必ず流水で洗いましょう。 また、破傷風菌がこのような性質を持つため、傷の洗浄が不十分な状態で密封療法を行うと芽胞の周りから空気がなくなるため増殖を開始して危険です。 ※小さい子どもの場合はワクチンの効果が続いているので破傷風についてはそこまで危険ではありませんが、破傷風以外の雑菌による化膿を防ぐためにもしっかり洗浄する必要があります。 ご参考になりましたら幸いです。お大事になさってください。
ココカラファイン 薬剤師(@cocokarafine) プロフィール
ドラッグストア・調剤薬局を全国約1300店舗展開しているココカラファインのWEB担当薬剤師です。 健康、美容についての気軽な相談相手として「お友達以上お医者さん未満」のような存在を目指してます。 ...
もっと見る