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SCM420の焼準について
- SCM420の焼準を880℃空冷で行ったが、指定硬度を下回ってしまった。
- 硬度を上げるためにはどうすればいいのか。
- 焼ならしに硬度範囲はあるのか、また、サイズや温度の調節方法はあるのか。
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過去質問から見て熱処理が業務のようですね。「金属熱処理技能士受験テキスト 熱処理技術入門」と「特殊鋼ガイド第4編熱処理」は手元に置いて欲しいものです。 「指定硬度を下回ってしまいました」 原因と対策は既回答の通り。 焼入ではないのに、どうして質量効果があるのか。 焼ならしと焼きなましは、いずれも高温相(オーステナイト)を低温相(フェライト+パーライト)に変化させるという意味では同じ処理。しかし冷却速度により得られる低温相組織の粗さが異なる。冷却が遅いほど組織は粗くなり、硬さは低くなる。焼ならしの中であっても、物の大きさが異なる時には同じことが言える。大きさ(→冷却速度)だけではなく成分も影響する。 「焼ならしに硬度範囲はあるのでしょうか」 現在も過去もJISには規定されていないと思う。各鋼種について焼ならし硬さ範囲を示している説明もあるが、多分古いJISの参考資料に基づいている。 但し客先(依頼元)が指定してきたら、もちろん有効。慣れた熱処理屋なら、寸法を見て最初から扇冷で対応する。 「回答(1)追記の焼戻脆性との関係」 焼戻脆性は、マルテンサイト組織を焼戻する時の現象。焼ならし、焼なましではマルテンサイトは関与していないので、全く考えなくて良い。 「φ200×15のサイズ」 この寸法では冷却速度は厚さ15mmが支配している。重ねずにバラバラにし、下面からも空冷されるようになっていれば問題はないはず。 「温度で調節できないものでしょうか」 できません(構造用鋼では)。 回答(2)追記「SCM420焼ならし硬度範囲262~341(HB)」 これは浸炭を想定した焼入低温焼戻硬さ(芯部の)。焼入焼戻硬さは古いJISには規定されていた。「262~352」とする資料の方が新しいと思われる。なお規格は25mm丸材での特性値である。 回答(1)の参考資料。 249Hv(237HB)は少しマルテンサイトやベイナイトが生成している硬さ。極わずか生成した程度で173Hv(165HB)。手元のSCM420のCCTもほぼ同様。 つまり170HBはもともと難しいと思われる。 φ200×15を一枚だけ離し、丁寧に完全な静止空冷して硬さを確認する(脱炭にも注意して確実に正しい値を)。その結果により規格の見直しを要請する。
やはり、冷却速度が遅いが原因で、体積の割りに表面積が小さい形状が原因でしょう。 確認は、熱電対温度計等で確認できます。 小生は設計ですが、熱電対温度計やプッシュプルゲージを持って仕事をしておりました。 対策は、エンジン同様で、空冷の効果を上げるために、ファン(扇風機)を使用や、 フィン(アルミの洗濯バサミ等)を付けるです。 フィン(アルミの洗濯バサミ等)を付けるは、 設計DR、製造DR、等々で、今後は廻りの部品との一体化等で、フィン効果がある形状を 検討してみてくださいと、設計に情報を入れる材料として下さいが本意です。
JIS B6911 : 1999鉄鋼の焼ならし及び焼なまし加工・・・規格中に有り 焼ならし HNR;表 6 表面硬さのばらつきの許容値・・・が規定されている ちなみに回答(1)に満足度を付けた。資料が日本にもあればいいのにねぇ~。 >但し客先(依頼元)が指定してきたら、もちろん有効。 指定硬度に対する、「表面硬さのばらつきの許容値」と私は解釈しました。 焼ならしの硬度範囲「古いJISの参考資料に基づいている」現在は存在しない。 (SCM420 焼ならし 硬度) で、ちなみに検索してみると・・・何と一発 HITしたが、旧JISのものだろう。 https://www.ikmetal.co.jp/product/pdf/99-137.pdf 「SCM420焼ならし 硬度範囲 262~341」っとあるが、まぁ、参考だろうけど 最新のJISでは誤解を招く恐れという理由などで全て削除されてしまいました。 回答(4)氏へ 追記をありがとうございます。 物凄くSIMPLEで明快な回答に技術の専門家として何時も感心させられます。 私も一流から其の道?の専門家と言われるような技術者になりたいものです。
大物ですか? 冷えにくくて焼鈍になってしまったから。 なので扇風機で吹いて冷えやすくすること。やりなおしは効きます。 データはCCT曲線 SCM420ズバリが無いので僅かに合金成分が多い鋼種の例。 20CrMo5 CCT http://www.metalravne.com/steelselector/steels/ECMO100.html 縦軸に温度、横軸に時間。冷却を0.08℃/secなど一定にしたとき得られる硬さが□囲みの硬さHv 200℃まで1000秒で冷却したとき249Hv 実際は何分か経過して表面温度を測って遅い速いを知る程度。 高温焼戻(調質)では焼戻脆性が生じる300~450℃を避ける為、水冷で早く通過する操作を行う。 焼準では不要と思うが、専門家が居られるので見解願いたいところです。 回答(3) 対策は、エンジン同様で、空冷の効果を上げるために、ファン(扇風機)を使用や、 フィン(アルミの洗濯バサミ等)を付けるです。 ハイカイ鼻つまみ者が本回答の[扇風機]をぬすみとったが付け足した[エンジン][フィン・洗濯バサミ]はデタラメ!! コイツのデタラメ回答は私も再三暴いたが、さらに専門家による発掘作業 http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?&tid=298048&event=QE0004 その例示の質問はコイツが言い足りないと立てた喧嘩口調が丸っぽデタラメで弁解不能 http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?&tid=231178&event=QE0004 私の過去回答へも補足 http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?&tid=289430&event=QE0004 [タコ足イカ足羅列、肝心の答無]・・・・語り草(笑) http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?&tid=272305&event=QE0004 期待した専門家・回答(4)のとおりスノコにおいて風通しを良くする程度で冷える形状です。 焼戻脆性は無関係と仰せつかって感謝。 ハイカイ 温度計は熱電対より使いやすい放射温度計が万を切る(焼入まで測れるのものでは数倍) それと赤熱温度なら目視でも大凡は判ります。 http://www.daiichis.com/heattreatment/heat_color.html 暗くして赤色が消えたら600~550℃。その時間を測れば目途が付く。 フィン(アルミの洗濯バサミ等)を付ける・・・・バイクでは空気流通を却って妨げ逆効果と証明済。本件もその可能性大。