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ステンレス加工後の残留応力の残りやすさについて
- SUS304などのステンレスで加工後の残留応力の残りやすさについて、化学成分の影響や関係について教えてください。
- ステンレス(SUS304)の加工後、残留応力がどのように残るか、それに化学成分が関与しているかについて詳しく教えてください。
- ステンレス(SUS304)の加工後、残留応力の残りやすさは化学成分によって影響を受けることがあります。Cの含有量が多いほど残留応力が残りやすくなる場合があります。詳細について教えてください。
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1.一般論になりなす (1) C Cは,塑性加工中で生成する加工誘起マルテンサイト中に固溶し,加工硬化を増大させる作用がある。しかし多量に含有されると,冷間での加工による耐時効割れ性が劣化するため,上限を0.04%とする。 (2) Si Siは,加工中において,加工誘起マルテンサイトが多く生成し靱性を高める効果がある。しかし,含有量が増加すると変形抵抗が増大するようになる。このため過剰のSiの添加は好ましくないことから,その上限を2.0%。 (3)Mn Mnは,オーステナイト生成元素であり,オーステナイト相中では加工硬化を抑制し,逆に加工誘起マルテンサイトが生成する場合には加工硬化を促進する作用があるため,有用な元素である。しかし,多量に含有された場合には鋼の清浄度が低下し耐食性が劣化するため上限を3.0%。 (4)Ni Niはオーステナイト系ステンレス鋼には必須の元素であり,オーステナイト相の安定度を確保するうえで下限を6.0%とする。また上限は12.0%とする。 (5)Cr Crは耐食性の点から16.7%以上にすることが望ましい。しかし,多量に含有されると変形抵抗が増大して,悪影響を及ぼすため,その上限を20%とする。 (6)Mo Moは,多量に含有するとフランジ部の素材流入変形抵抗が増大して,悪影響を及ぼすため上限を0.5%とする。 (7)Cu Cuはオーステナイト生成元素であり,オーステナイト相を軟質化し,フランジ部の素材流入変形抵抗を低下。しかし,多量に含有する場合には熱間加工性を劣化させるので上限を3.0%とする。 (8)N NはCと同様に時効割れ性に有害に作用する元素である。 2.結論 すなわち、L材(ローカーボン材)を使うことが、耐時効割れ性、残留応力対策から望まし材料ということになる。
お礼
ありがとうございます。 すごく勉強になります。