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SUM22φ5mm材のNC旋盤での外径加工のバラツキが大きい
- NC旋盤にてSUM22φ5mm材の小径加工において、外径加工φ4.0のバラツキが大きく工程能力が不安定になっています。
- 現在の加工条件は、刃具はVBGT110301R-F(PR930)を勝手を逆にしてあとびきとして使用し、切速は70m/min、取代は片肉0.2mmです。
- 京セラに限らず寸法安定化のための推奨のツールについて教えていただけませんでしょうか?
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こんにちわ。 情報までに 私の方では、主にサンドビックのコロカットとT-MAX Qを使用しておりますが、工具寿命も含めて良好ですよ。 一度、試されてみてはいかがでしょうか。
ついでにもう一回書き込みます。 なぜ精度安定が難しいのかを考えた場合、『材料の逃げ』『機械振動』が大きく影響されますよね? 材料の逃げを無くすには、突き出しを小さくするべきですよね? それと、切削抵抗が高いから材料が逃げるのです。そうすると、刃物はより切削抵抗の低いものを選ぶのが常識です。 下の方は01ブレーカーは難しいとの事ですが、精度安定が難しいのは、100分台の話でしょうから、01ブレーカーは最後の手段だと思います。仕上げシロは小さければ小さいほど、(限りはありますが)有効になってきます。 それと、コーティングは熱と磨耗に対して有効になりますが、切れ味は下がります。 サーメットが不利だともあるようですが、小径で周速もそこまであがらないのであれば、使えないと判断する方が難しいと思います。 切れ味の良い、取りしろ0.1mm以下でも刃が掛かる01ブレーカーをお試しあれ! それと、機械振動ですが、あなたのお使いの機械は、レベルがでていますか? レベルがどの程度確保されているのかを、オペレータが管理できていないのであれば、それこそ組織自体が出来ていないという感想を持ってしまいます。 SUM22 とはSS快削鋼でしょうから、サーメットでも十分です。 もしくは、三菱のVPコーティングに目を持っていかれるのもメリットが有るでしょう。MSブレーカなど、切れ味優先で、コーティング層も薄いので切れ味がいいのがVPコーティングのメリットです。
素材の突き出しがどの程度なのか判らず、また、加工条件以外が書かれていないので 可能性はたくさんあるのですが. まず、機械はスイス型いわゆる“ピーターマンタイプ”というヤツでしょうか? 2D(φ5で10mm)を超えたあたりからは素材の逃げが大きくなりますので、 ガイドブッシュがないと加工が非常に難しくなります. (ガイドブッシュ無しでもできない事はありませんが.) また、ガイドブッシュ機で加工する場合、素材外径が基準になりますから、 製品精度が素材外径精度に依存し、ガイドブッシュと素材とのクリアランス調整が肝になります. このあたりがきちんとしていないと、できあがってくるものも不安定になります. また、VB形1103型のチップをご使用との事ですが、 このクラスのチップは使い方を気をつけないよく動きます. ねじが小さいので、クランプ力があまりありません. 後挽き的にで突っ込みなんかをやりますと、刃先には意外と負荷が掛かってますので、 力の掛かり方が一方的なら、ひと度動き切ってしまえばあとは比較的安定しますが、 双方から交互に力が掛かる様な使い方をしますと、刃先があっち行ってはこっち行ってはにもなり兼ねません. 巻き付いた切り屑をかじっただけでもチップが動きます. チップが動いた場合の寸法変動は、長手方向は15μ程度と僅かな事が多いですが、 径方向は0.05mmを超える事もありあます. この辺りはクランプねじでも若干違う可能性があり、私はVB形よりもVC形を使う事が多いのですが、 例えば、個人的には住友のねじよりはNTKのねじの方が首下が長く安定する気がしており、 このサイズのねじに関しては、首下が短い場合は私はNTKのものに交換して使っています. なお、クランプねじは消耗品ですので、適宜新品に交換してやって下さい. 強く締め過ぎても動き易くなると聞きますが、シート面が磨耗したねじではきちんと締まりません. また、もしホルダが入手できるのであれば、VB/VC形の1103型よりは 形状はVCに限られますが1303型(VCGT130301)の方が安定する可能性はあります. あとは、Fブレーカーをお使いとの事ですが、このブレーカーは切れ味がそれなりに良く、 仕上げ面品位を重視する場合にはもってこいなものの、 勝手を適切に選択してやらないと切り屑の排出方向が問題になったり、切り屑が伸びてしまう事があります. 後挽き的に使うには、京セラなら同じ研ぎ付けでもYブレーカの様な平行ブレーカの方がブレーカは機能し易かったりします. ただ、今回の場合、切り込みが小さいのでYブレーカは機能するか判りませんが. 私は個人的にはV形で切り屑処理を重視する場合はサンドビックのUMブレーカをよく使います. なお、タンガロイの01ブレーカはVB形には設定が無い様です. もっとも、01ブレーカが有ったところで、これはサーメットが主なので、今回の様なケースでは採用し難いでしょう. これと似た様なブレーカ形状としては、より大きめの切り込みに対応した住友のFCブレーカというのがあります. 住友のポジV形はVCタイプになりますけれどね. 後挽きするには、可能なら後挽き専用のバイトを使った方が何かと楽ではあるのですが. また、PR930というチップ材質は、当初京セラがやたらと力を入れていた割には欠け易く減り易く、 比較的溶着も起こし易い様な感じなので、もし今回の件が構成刃先による寸法変動なのだとしたら、 材質を見直す必要もあると思います. 頃合のチップ形状があれば、その後に登場したPR925(現在のPR1025)の方が使い易い気がします. PR1025(PR925)は、コーティング的にはPR930と同じTiCN系なので、要は母材違いといったところなのでしょうが、 以前、極小内径に使った感じでは、割と欠け難く、溶着も起こし難いのか寸法も比較的安定してました. あとは他のメーカーといっても、被削材が硫黄快削という事で 現在主流のTiAlN系コーティングが苦手とする相手なので、選択肢は非常に少ないのですが、 もし試すとしたら、メジャーなところではNTKのZM3かVM1あたりですかね. 住友のACZ150も硫黄快削が相手ならそれなりに機能するんじゃないかと思いますけれども. 最後に一点気になったのは切削速度で、70m/分というのは見た目的には小さい数字ですが、 φ5だと4000回転超えます. それなりの装備があるなら問題は無いのですが、 一般論として主軸が4000回転を超えますと、振動も出易くなりますし、 突き出し量によっては素材が暴れる可能性がありますから気を付けて下さい. 加工時間は延びてしまいますが、回転を落とした方が精度が安定する事もあります.
タンガロイの01ブレーカー という仕上げ用の刃物がありますが、どちらにしても、仕上がり径がφ4でしたら、ポジ でないとしんどいですよね。。。。 弊社であれば、精度物であれば研磨仕上げにしますよ!
お礼
早速の回答ありがとうございます。 小生、加工設計するにあたり、 旋削チップは京セラ、住友、NTKが中心で タンガロイはドリルを何度か使用したぐらいです。 今回いい機会なので購入しテストしたいと思います。 04-05版のカタログを見てみると 使用したい形状での01ブレーカーでは コーティングJ740の設定のみでした。 硫黄快削鋼との相性はいかほどに??
お礼
たくさんの「目から鱗」情報ありがとうございました。 まず旋盤についてはガイドブッシュタイプで、 材料については研削材h7を使用していますので GBクリアランスは問題なしです。 ホルダについては小生もアンカーピンタイプで 痛い目にあっていましたのでスクリュータイプを選択していましたが ネジタイプでもメーカーや種類によってクランプ力の差異については 注視していませんでしたので非常に参考になりました。 ちなみに一方方向の加工ですのでひと動きあれば安定 すると思われますが「動かない」がBESTですね。 □10mmバイトを逆勝手で使用するのはGBからの 突出し量が大きくなるので良くないのですが 製品形状仕様から正規後挽きタイプが使用できず 仕方なくこのような使い方をしています。 材質についてはメーカにも確認しましたが硫黄快削鋼に PR930はミスマッチのようですね。PR1005を推奨されました。 PVサーメット系もテストする予定です。 ホルダ、ブレーカ、材質etc組合せで直交実験してみます。 ちなみに4000rpm以上での主軸振動については それほど顕著ではありません。 回転数(周速)については使用するツールや程度によりますが 適正条件領域での設定を優先したいと考えています。 いろいろ指南していただきありがとうございました。 大変参考になりました。 追加で確認したい項目があります。 チップ形状で今回のように逆勝手として 使用する場合、V形(35°)とD形(55°) 径寸法安定性が高いのはどちらでしょうか?