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SKロッド材の焼き入れについて
- SKロッド材を焼き入れする時の条件と硬度について教えてください。
- SKロッド材は圧延処理する過程で、表面に不純物が多く含まれているため、全体焼き入れしても表面硬度が入らないと聞きます。焼き入れ方法によってはHRC60±2の硬度が得られるのでしょうか?
- また、熱間圧延と冷間圧延品との焼き入れ条件には差が出るのでしょうか?SK4材とSK3材の焼き入れ条件で硬度に大きな差がでることがあるのでしょうか?
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一般に、SKロッドと称されているものは、(1)熱間圧延---焼きなまし---冷間引き抜き-の工程により製造するものと、(2)前記工程の冷間引き抜き材を、さらにセンターレス研削を行うものがあります。冷間引き抜き材には、熱間圧延および焼きなましの際に生じた脱炭層が残存しているので、表面の焼き入れ硬さは低値を示します。これに対して、センターレス研削を行ったものは、脱炭層が研削によって除去されるので、かかる問題は生じません。 ご質問にある「冷間圧延」は、棒鋼(ロッド)の場合、ダイスによる冷間引き抜きの工程が採用されます。母材は、熱間圧延材を焼きなまし後、引き当てられますので、前記のごとく、熱間圧延材と同等の脱炭層が残存し、表面の焼き入れ硬さは低値を示します。 真空焼き入れは、焼き入れ冷却速度が、比較的遅いので、焼入れ性 (焼きの入り易さ) が低い SK材の焼き入れには適さず、一般的には、塩浴またはガス雰囲気加熱後、水焼き入れを行う必要があります。 SK3, SK4,の熱処理条件と熱処理硬さに対する、JISの規定は下記のごとくです。 熱処理条件(SK3,SK4同じ) 焼入れ; 760-820'C水冷、焼もどし; 150-200'C空冷、 焼入れ焼もどし硬さ(HRC); SK3; 63以上。 SK4; 61以上。 以上、bonsukeさんの回答1の内容と重複するところがありますが、ご参考まで。
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?について 黒皮材を焼き入れた時に最表面の硬度がでないのは,おそらく不純物ではなく「脱炭」が原因しているのではないでしょうか. 焼入れによる硬度は鋼内に含まれる炭素量で決まりますが,黒皮材は熱間圧延/熱処理中に最表面近傍の炭素がCO2になって飛んでいってしまうため炭素量が少なくなり,結果的に焼入れ硬度が低い,または焼きが入らない状態になってしまうものと思われます. 黒皮材の表面を削り取ると炭素量の少ない部分がなくなるのできちんと焼きが入り硬くなります. ですから焼入れの方法は関係ありませんし,冷間圧延品は安全だと思われます. ?について 焼入れ(800℃弱)/焼き戻し(200℃弱)の温度はどれもほぼ同じだと思います.熱処理後の硬さや靭性はSK3とSK4で多少は違うはずです.(SK3の方が炭素量が多いので硬いはず)