他の回答にもあるように、土地・金・人の手配がある程度できる企業にとって新規参入がしやすく、その割に利益が出しやすいからというのが大きな理由だと思われます。
大手私鉄など日本中の私鉄の多くは食料品製造販売、外食などの副業をやっており、いまさらなぜ疑問に感じるのかと思いますが、JRだとJR九州と四国がJR化後すぐに大々的に始めましたので、その点に関する質問と思って回答します。もしそうではないとしても、国鉄時代副業ができなかったうんうん以外の要素はどこにでもあてはまると思います。
1.国鉄は民業を圧迫しないという原則があったため、副業は大きく規制されていた。そのため、駅などで商売すれば儲かることが分かっていてもできなかった部分があった。
2.一方、JRはそのような規制はなくなり、逆に鉄道以外の副業もやることを求められた。(本州3社でも鉄道事業だけでは大きな黒字にならないし、それ以外はそもそも鉄道事業だけでは黒字など期待できなかった。)
3.JR化に際し国鉄職員はかなり退職したが、それでもその後の勤務や施設の条件の変化により、鉄道業務以外に仕事を探さないといけない人が出ていた。また、駅の無人化等施設の合理化は駅周辺に用途のない鉄道用地をたくさん発生させた。
4.西日本地区はパン食が多く、パン食の人はパン屋でパンを買うので、パン屋を営業しやすかった。特に今までパン屋が少ない地区でも、パン屋があればパン食になる人も見込まれた。
5.多くの駅では一番忙しいのは朝ラッシュ時で、それ以外はそれほど忙しくなかった。パン屋も朝食に向けて午前中の営業が強い。このため、パン屋と駅業務というのは相性が強い。
6.駅でパン屋を始めそれが成功すれば、駅に人が多く集まることになり、その一部は今後乗客になってくれるかもしれない。また、乗客の一部には当然のようにパンを買ってもらえる。
以上の理由で、九州と四国はパン屋を大量に開店しました。特に四国は、無人駅だった駅のスペースにパン屋を始め、パン製造でいち段落着いた朝ラッシュ時にそのパン屋の人に切符を売らせることで、無人駅になり、駅に人がいないことで横行していた、不正乗車や駅施設に対するいたずらなどの抑止にもつながりました。
近年、両社とも積極的には経営していませんが、JR後30年で他に大きく育った物販・外食分野があり、パン屋にこだわる必要がなくなったことと、パン屋自体競争相手が増え、うまみがないことなども理由だと思われます。
尚、京都市など市営交通で空きスペースにパン屋やベーカリーカフェを開店するのも同様の理由です。こちらは公営である故つぶれたときのリスクを考えて、既に市内等で営業している店に開店してもらうケースが多いです。
お礼
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