- ベストアンサー
向島百花園はなぜ雑草を駆除しないのですか
先週向島百花園に行ってきました。 園内には六義園や小石川後楽園と違って野草がたくさんあってあまり知られない 野草が咲いていました。しかし各区画とも雑草が生い茂って蚊の大群に襲われました。江戸時代に商人が作った庭園なので大名庭園と違ってありのまま にしていると聞きました。しかし雑草園になっているのは園の方針ですかそれとも 予算がないので放置しているのでしょうか。お教え下さい。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
向島百花園と言うのは東京都がまだ東京市だった時に譲渡されていますので公営の公園です。なので観光地で予算が無いから手入れを怠ると言うのは普通あり得ないと思うのですが・・・。 野草が多く植えられた園という事が、一見雑草に見える植物が多い理由と思われます。野草でもサイズや性質もいろいろ、ある程度丈があり華奢なものは他の草に支えてもらいながら育つものも多く中には雑草との共存性が高くて他の草が無いと通常の姿で育たないものもあります。中にはススキに寄生して咲いたりと共生どころか寄生主が栄養源という物さえも。ススキ自体が秋の景観には付き物の種類ですし。実際に検索して見つけたこの園を訪れた方の書いた評判に「草の中に咲いたナデシコが」と言うものが見られ、野生下に近い状態ならナデシコは他の草と一緒に生えているのが当たり前なのです。 例えば北海道の海岸には「原生花園」という野生の植物の自生地があるのですが、現在保護はされているものの外来植物の駆除以上の手入れはしません。他所なら雑草と呼ばれるものでも昔からそこに自生しているなら駆除しません。保護の決まりがあってあまり踏み込んでの手入れが出来ず手を加えすぎれば価値を失い遊歩道以外の所を人が歩くと植物自体が踏み付けに弱くて枯れてしまうからで、場所によっては昔は牛馬を放牧したり(観賞価値のある種類は美味しくないらしく食べない為)早春に枯れ草を除くのに野焼きをする程度です。また野生の植物は開花期間が短いので開花時期の違ういろいろな種類が一緒に生えていると人が訪れて見た時、一種類が群生した場所以外は草が多くて花は点々としか咲いていない様に見えることも多いです。例えばハマナスとスカシユリが一緒に咲いている所も実際は一緒にいろんな植物が生えていてこの2種類の開花時はそんなに密度が高いわけではなく高い所から見下ろせば緑の中にポツポツと間隔をあけて自生し咲いているのが解ります。この場所からもし他の種類を駆除してしまうと、スカシユリは大きくなりすぎて本来球根一個に茎一本で生えていたのが球根が複数に殖えて花数も多くなりすぎ風情を失います。内陸にある我が家の敷地の昔は小川だった草っ原に何故かスカシユリが突然生えてきて(花の見た目は野生種と同じで、そこに捨てた土に種が混ざっていた?)優遇して周りの草を全て取り除いてあげそれ以外は放置だったのですが、数年後にはまるでスカシユリの花束が土に刺してあるような状態で咲いて、姿がまるで園芸種の様でした。他の野草も優遇すると同じ状態に・・・。このことから野草は周りの植物と土の養分を分け合ってこそ風情のある見た目で咲く物だと知りました。 園内の野草の多い場所も、そんな状態で今時期咲く花なら目立つけれど他の今が開花時期ではない種類も一緒に多く生えていて雑草の様に見えているのではないでしょうか?明らかに誰もが雑草と解る様な西洋タンポポとか(日本のタンポポなら希少種で殖えすぎない性質なので保護対象です)シロツメクサ・ハコベ・スギナが目立ったり、イネ科で今時期から穂が出ているのが多すぎるのならかなり手入れが行き届いていないのでしょうが・・・。 なので、一見「雑草園」に見えても今時分は花が咲いていない種類が多くてそう見えてしまうのかもしれません。野草を植えてそれを眺めて楽しむ性質の施設はその野草の種類の性質をちゃんと把握して管理保護しています。野草のある園は自生環境を再現するのが目的ですから共生させないと成らない種類ならあえて一緒に植えて生やさせていてもおかしくはなく、あまりに綺麗に除草してしまうと野草を植えている意味が無い(自然風にならなかったり風情を失う)と思います。今時分は植物の育ちが目立って早い時期ですし、春が見ごろの植物だとちょうど茂る時期なので区画全体に草が生い茂っていると見えてもおかしくはないかと・・・。 あと、雑草が多いから蚊が多いのではありませんよ。雑草など植物がかなり多く生える場所でも蚊が居ないところもありますから。蚊が産卵しボウフラが育つ場所が近辺にあるので、植物の多い場所(=蚊にとって餌になる生き物が来る所)へ「周囲から集まって」くるのです。蚊は二酸化炭素をかなり敏感に感知できるため人の呼気に引きつけられて集まってきます。そしてその場所で獲物が来るまで待つ為に植物が茂っている所に隠れるのです。黒っぽい服装や(獣の毛皮に近い地味な色を好む)、汗をかきやすい人、何故か蚊に好まれ易い人(体質的にか、香水や化粧品などの香料などに蚊の好む香りも混じっていておいしそうな匂いがする?)が特に狙われやすいのです。蚊のオスは血を吸わず樹液や花の蜜が餌なので、もしかするとメスも花の香りへも反応して寄ってくるのかもしれません。 また蚊が多い理由は、この園は昔何度も洪水に遭っているそうで川に近いところから立地的に大昔は湿地だったり溜まった水が引きにくかったりで蚊が棲むには条件が良いのだと思われます。蚊は生まれた場所から結構離れた所まで移動ができますから(私の住むところは近所に水が溜まる場所がなく、池や川からかなり離れていますが蚊が庭に沢山来ますよ)周りにビルやマンションなども多いようですが建築物の屋上に設置してある物や水が溜まりやすく薄暗い窪みなどに蚊が卵を産んでたくさん殖えることもあります。 ちなみに海岸の傍にある(元は砂丘だったところに出来る)大規模な原生花園は蚊がほとんど居ません。もし川や淡水の池や湖が近ければ移動して来るでしょうが土質は砂が多くて水が溜まりにくく常に潮風があるのが理由の様です。そういう所は太古から人が住み着きやすくて特にオホーツク海沿岸にはロシアや千島列島から海を渡ってきたオホーツク人と呼ばれる民族がやってきて長く住みみ着き大集落がありました。原生花園の近くは波が穏やかなので必ず集落跡の遺跡があって今まで発見されただけでもかなりの数ですし現在も次々と集落跡が見つかっています。蚊の居ない場所ほど早く人が住み着いて大きい集落が出来ます。大きなお屋敷が建てられるほどの広さが必要だと、元は湿地や葦原などで誰も住んでいなかった場所(お屋敷を建てるために埋め立てるなど地形を変えた?)だった可能性があるかもしれません。調べてみると面白いかも。 検索結果の画像を見ると園の中にも池があるようですが、池の中でボウフラを食べる様な種類の魚が飼われていれば池が蚊の発生源とは考えにくいです。大きいサイズの鯉だけしか居ないのなら蚊が湧くこともあるかもしれませんが、メダカやフナ(金魚含む)や他の種類の小型魚が居れば池に棲める性質の小型魚はボウフラが大好物なので池から蚊が多く発生しているとは考えにくいです。 池にボウフラを食べる様な魚が飼われていないのなら池から蚊が発生しているかもしれませんが、園へのアクセスの地図で見ると近くの川から直線で300メートル強ほど離れている程度の様で周りには溜池の様な人工的な水が溜まっている設備が多く残っているようで(このことから大昔は湿地で埋め立てられたのではと予想)そういう所から発生したか、地図には載らないくらい小さい水が集まっている所があって蚊が飛んできて園に集まってきているのかもしれません。もしそうだとすると蚊が多いのは「来訪者が多く居る」からなんです・・・。蚊にとっては天然の茂みも園も同じで獣や人間の区別もないですから「蚊が多くても仕方ない」としか言いようがありません・・・。水辺が近い立地で野草の種類が多く生えている場所なら蚊の発生する時期は来訪者側があらかじめ蚊の予防対策を講じておいて訪れるしかないでしょうね・・・。 あまりに蚊が多いのなら、施設管理側に「蚊が多すぎるのは何とかならないでしょうか」と問い合わせてみるのも良いかと。景観を損なわない蚊の対策と言うのはなかなか難しいでしょうが(特に園外から移動してくるものだと無理)池に居る魚の種類を聞けば池が発生源かくらいは予想出来ますし、蚊が多い原因を教えてくれるかもしれませんよ。
お礼
貴重なる長文のご回答を有難うございました。 納得しました。 グーグルに「向島百花園 雑草」と入力すると貴回答が トップページに掲載されたので今回の応答に意味があったと 感じています。 なお入口で「虫よけスプレー貸します」の掲示がありました。 有難うございました。