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ロジャーズ学派について

来談者中心療法の創始者、 カール・ロジャーズ博士の自己理論、 「自己概念と経験の不一致が人間の心理的な悩みの原因である」 という理論は、 現在では、心理学の世界や心理カウンセラーの間では、 どんな評価を受けていますか?

専門家の回答 ( 3 )

回答No.3

度々です。 うーん、「自己概念と経験の不一致が人間の心理的な悩みの原因である」というのは、簡単に言うと、 「自分のことを受け入れられている」 という事なんですね。 実績もないのに自分のことを過大に評価しすぎたり、実績があるのに自分のことを過小評価したりするというのは、「自分のことを受け入れられている」とは言えないわけです。 言葉を変えれば、 「現実を受け入れられているかどうか」 だと思います。 これは間違いではないんじゃないかなぁと思います。 ただ、理論としては、お考えの通り、かなりおおざっぱですね。 しかし、カウンセリングの世界では、基本中の基本ですから、率直に言うと、あたりまえすぎて間違っているという印象はないですね。 もっとも、ロジャーズの理論ということでいうと、自己概念という言葉の意味内容や経験という意味内容自身曖昧なもので、このあいまいさをもって間違っているということはいえそうなんですね。 極端なことを言うと、自己概念といったところで、ロジャーズの場合、経験と一致している何者かということでしかないと思いますし、じゃあ、経験ということは何かといえば、自分が体験していることのすべてという感じですしね。 ところが臨床の現場ではそんなことはどうでもよくって、クライアントとどう接するかということは、来談者中心療法で行かないことにはどうしようもないというのは現実にあると思います。 ロジャーズ自身は、理論にほとんど関心はなかったといいますし、あくまでも臨床の人だったわけで、これは、人のタイプにもかかわる問題ですし、何を目的としているのかという事なのではないかとも思います。 結論としては、ロジャーズの言っていることは、理論としてはかなりあいまいで、その点では徹底していないという意味では間違いであるともいえるのですが、役には立つので有益ではあるということかもしれません。 こんな感じです。

kirakiraaruku
質問者

お礼

なるほど、そうなんですね。 ありがとうございます。 大変、参考になりました。

吉田 修(@osamucom0409) プロフィール

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回答No.2

度々です。 フォーカシングとの関係ですね。 フォーカシング指向心理療法は、フェルトセンスに言葉を与える過程での納得感を重視するという点で、身体の関与を暗示しているようです。 一言でいえば、もやもやとした問題の明確な言語化を重視したセラピーです。 この考え方はコーチングにも大きな影響を与えているようですし、技法として柔軟性を持っているので、いろんな技法を折衷的に取り入れることが出来るようです。 ロジャーズの来談者中心療法では、とにかくクライアントの中にたまっている感情を吐き出させて、スッキリしたところで、冷静になってどう受け止めるかということをセッションで行いますが、フォーカシングの場合、もっと言葉として明確に言い切ることを目指しているのでしょう。 この問題の本質はこう言い表せる→理解する 一言でいうと、「これで説明がつく。納得した!」 ということですね。 ジェンドリン自身は、現象学や身体論などについても当然知っていたでしょうから、世界を構成する有意味性の体系性としての言語的一貫性ということを考えていたでしょうし、そういう意味では、ロジャーズより体系的に洗練されているという感じがします。 フォーカシングのエッセンスについて考えてみると、まず、この中心概念であるフェルトセンスとは、世界と身体の次元で立ち現われてくる前言語的なものだと考えることが出来ます。 この共有されていない言葉とでもいうようなものを、既存の文脈の中に捉え直したり、既存の文脈を拡張したりという発見的行為とでもいうようなものだと思います。 これによっていろんなものが統合されていって、不安やモヤモヤした感覚も解消するという事のようです。 ロジャーズの場合、セラピストがそういう一貫性を既に持っているということを手掛かりにしてお互いに手さぐりでやっていくということですから、あらかじめ一貫性を目指すということを体系として自覚しているというのは、方向性としてはありだろうなぁと。 確かに、ボキャブラリーの豊富な人はメンタルが立ち直りやすいということもありますし、物忘れをした際に、これを指示する言葉を思い出してスッキリするという体験は誰にでもあると思います。 なるほどなぁと思うのですが、がちがちのロジャーズ派の人から言わせれば、セラピストがそういう方向性を持ってしまうことで、セラピストの枠にはめてしまうことになると反論するでしょうし、もっと無前提にクライアントに向き合ったほうがよいと言い出すかもしれません。 これに対して、フォーカシングの人たちからすれば、ロジャーズ派は、セラピスト自身の資質や自己一致感に依存しすぎており、質問一つにしても体系的に整備されておらず、出来るセラピストとできないセラピストの差が激しすぎると考えるかもしれません。 これとは別に、ロジャーズ派とフォーカシング両者に言えることですが、クライアントとセラピストとの関係性や傾聴の意義を唱えたという点で他の技法に与えた影響は素晴らしいのですが、逆に、セラピスト個人はともかく、特にロジャーズ派全体として他の優れたセラピーの技法を自らに取り込むような柔軟性の余地に欠けると批判できますし、ほかの流派で有効といわれるもの、例えばユング派の無意識や元型というものさえ認めない(そもそもそういうものを明示的に言おうとすらしていない)といえると思います。 僕の両者に対する反論としては、日本人の場合、もう少し言語行為的といいますか、イメージを大切にするので、言語的なアプローチはさほど求められないのではないかと思います。 今現在日本のコーチングではもう少し身体を動かすような技法が使われますし、ゲシュタルトセラピーのエンプティチェアなどが頻繁に使われたりしますので、どうなんだろうなぁ、あまりフォーカシングということは気にしてないように見えます。 とはいえ、実際のフォーカシングでは、ゲシュタルトセラピーとの融合ということが言われていたりしますから、本当はもっと柔軟だと思いますが。 私はアドラー派のコーチング理論を学んだので、現実感覚や勇気づけや行動の後押しということに注力しますので、あまり言葉(ロゴス)を重視しません。 それと、この両者は共感ということを大切にしますが、共感というのはどうしても他人事なのだと思っていて、もう一歩進んで、セラピストとクライアントは、おなじイメージを体験し合うことが最も大切だと思っています。 単なる共感は、所詮他人事にすぎないですから。 思いつくままに書いてみました。

kirakiraaruku
質問者

補足

回答、ありがとうございます。 実は、私は、フォーカシング派の人たちの本をかなり読んでみて、 カール・ロジャーズさんの 「自己概念と経験の不一致が人間の心理的な悩みの原因である」 という理論は間違っているという意見が書いてあり、 それがかなり詳しく説得力がありましたので、衝撃を受けました。 来談者中心療法の自己理論は正しくなく、 体験過程理論が正しいと考えた方がいいですか?

吉田 修(@osamucom0409) プロフィール

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回答No.1

こんにちは。 読ませていただきました。 難しいことはわかりませんが、いろんな療法をやっているセラピストに聞いても、ロジャーズはすごく尊敬されていますし、極端な意見かもしれませんが、ロジャーズが現代的な意味でのカウンセリングを完成させたのではないかという印象はあります。 確かにアドラー派なら「人間の心理的な悩みの原因は対人関係である」というでしょうし、 論理療法のセラピストなら「人間の心理的な悩みの原因は思い込みである」というでしょうし、ほかの人間性心理学の人であれば「実存の不安」ということを言うかもしれません。 多分、お尋ねの趣旨としては、ロジャーズ派のセラピストが信用できるかどうかということかもしれません。 だとしたら、大いに信用してください。 カウンセリングといっても、手法があなたを癒すのではなく、カウンセラーという人がいやしていくので、基本的な信頼関係を築いていないと、どんな優秀なカウンセラーであってもあなたを癒すことはできません。 確かに優秀なカウンセラーはこのことについてよく知っていて、的確な対応をしてくれますが、だとしても、あなたが疑っている限り物事は前進しません。 もし疑っているのであれば、このことを全部カウンセラーにぶちまけてみてください。 それでたじろぐようだったら、チョット考え直してください。 応援してます。

参考URL:
http://d.hatena.ne.jp/cosmo_sophy/20050105
kirakiraaruku
質問者

補足

回答、ありがとうございます。 ロジャーズ氏の自己理論と ジェンドリン氏の体験過程理論の どっちが正しいのかと悩んでいます。

吉田 修(@osamucom0409) プロフィール

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